あらすじ
<第4回> <第5回> <第6回>

<第4回> 「夢と恋愛を両立させる方法」
 あかね(ともさかりえ)が目覚めると、宗太(押尾学)が青ざめた表情で立っていた。「すげえ怖かった」。幽霊の声を聞いて金縛りにあったという。「あたし、こんな弱虫と同居してたんだ」。あかねが職場でボヤいていると、同僚のくるみ(西尾まり)、真理子(澄原佑佳)、ほのか(志村知香)に笑われてしまった。「それ手口じゃん」。あかねがのみ込めないでいると、チーフの真之介(山咲トオル)がズバリ言った。「鈍いコね。彼はヤリたいのよ」。 かたや宗太も職場で花子(春花)といずみ(山口あゆみ)相手に「マジ怖かったんだよ」と話していると、西岡部長(佐戸井けん太)からランチ会議の招集がかかった。メンバーは部長代理の松本(山崎銀之丞)と貫介(宮迫博之)。すっかり社内派閥のボスきどりの西岡から昔の自慢話をさんざん聞かされた挙げ句に、支払いは割り勘。「セコ」。宗太と貫介はうんざり。
 あかねは倫子(辺見えみり)のマンションを訪ねた。いつも気取っている丈二(北村一輝)がまるで別人のように、倫子とラブラブ状態。しかも劇団の公演が間近とあって、かなりのハイテンション。「ビックリしちゃった」。2人のアツアツぶりに心打たれたあかねは、公演チケットを何枚か引き受けてみないかと、宗太にもちかけた。「そんな余裕、オレたちにあんのかよ」。もし売れ残れば自腹だ。「だよね」。残念だがあかねはあきらめた。
 ところが翌日になって宗太がガラリと態度をひょう変させた。「友達なんだから協力してあげようよ」。チケット1枚3500円。宗太とあかねはそれぞれ10枚ずつ。あかねは知らなかったが、宗太は1枚につき500円のキャッシュバックの約束を丈二としていた。ちゃっかりあかねの取り分もいただくつもりだ。宗太の友情を素直に信じたあかねは、まず職場の同僚に頼んだ。ところがほのかも真理子も真之介もすでに丈二から買っていた。丈二に気のあるくるみにいたっては6枚も。「あたしは誰に売ればいいの?」。あわてて貫介に会いに行ったが、やはり遅かった。「せん別と思って20枚買ってやった」。かたや宗太はツアーの外国人観光客に8枚さばいた。「どうしよう」「山田のとこには行ったの?」。過去にこだわって損するよりは、プライドを捨てて昔の恋人に頼むしかない。
 休日、あかねがリビングでぼんやりしていると、くるみが遊びに来た。宗太は仕事でいない。「どっちの部屋なの?」。くるみは宗太の部屋に勝手に入ると、落ちているロングヘアを見つけた。またあかねの目を盗んで、女を連れ込んでいるらしい。「あのヤロ!」。こっちはチケットで大変なのに。あかねは悔しさがこみ上げてきた。
 宗太が帰ってきた。「絶対に許さない」。文句をまくしたてるつもりでいたら、貫介と丈二が一緒だった。「飲もうよ」。あかねは誘われると断りきれない性格。気づくと宗太に命じられて手料理を作らされていた。「あたしはあんたのお手伝いサンじゃないの!」。あかねのうっ憤は高まるばかり。
 倫子もやって来た。知り合いにチケットを買ってもらった帰り。「何してるの!」。シャワーを浴びて上半身裸で出てきた丈二を見て、倫子の表情が険しくなった。「本番直前じゃない。どうしてまだ稽古していないのよ。人生賭けてよ」。丈二も黙っていなかった。「好き勝手言うなよ。こっちだって必死にやってるよ」。気まずい空気が部屋中に漂っている・・・。

<第5回> 「理想と現実のギャップ」
 あかね(ともさかりえ)はガス代の請求書を見てため息をもらした。1人暮らしの時と比べて2倍以上。原因は毎夜やって来るアイツらだ。「お金とれないかな?」。宗太(押尾学)に鼻先で笑われた。「友達なくすぞ。話しかけるな貧乏神!」。あかねは昨夜のトランプゲームを思い出した。大貧民になったのが自分だったことを。
 宗太が出社すると、上司の西岡(佐戸井けん太)と松本(山崎銀之丞)、そして貫介(宮迫博之)が顔つきあわせて、カミさんとの小遣い戦争をボヤいていた。「ああいうのを見ると結婚考えちゃうよな」。しばし同情した後は、いずみ(山口あゆみ)と都内バスツアーに出発。ギャグを飛ばして、お客さんのうけも上々。おまけに思いがけない出会いがあった。「もっと楽しいお話聞いてみたいです」。一条みどり(牛尾田恭代)という年上の美人客から電話番号のメモを手渡され、宗太はニンマリ。
 そんな気分もマンションに帰るなり吹っ飛んだ。光熱費を節約するために、あかねがコンセントを抜き、照明の電球を取ってしまっていた。「生活を楽にするためだから」「つきあってらんねえつうの!」。エアコンも禁じられて窓を開けてみれば、ベランダはトマトの家庭菜園になっていた。宗太が反撃に出た。「お前給料いくら?」。宗太の額を聞いて、あかねはショックを受けた。8万円あまりも少ない。「お前とは生活レベル違うの」。放心状態のあかねはポツリとつぶやいた。「お金ほしい」。しかし収入の増える予定はないから、今はひたすら節約あるのみ。そこで隣町の安売りスーパーまで買い出しに。買い物袋が重い。放置自転車を物色していると、宗太に見つかった。「パクろうとしてた?」。
 その夜リビングにいつもの顔ぶれがそろった。「安くできるところは1円でも安くする」「それ、分かる」。あかねに同意してくれたのは倫子(辺見えみり)。丈二(北村一輝)が不満そうな表情をのぞかせると「だったら働いてよ」とピシャリ。「奥さんは少ない給料でやりくりしているのよ」。そう言われると貫介だって何も言い返せない。おまけに自宅からかかってきた電話をごまかしたのをたまき(池田真紀)に見つかった。「貫ちゃんのバカ!」。たまきが部屋を飛び出すと、貫介が宗太に頭を下げた。「今夜からココに泊めてくれ」。今朝夫婦ゲンカをして、家出してきたのだとか。
 いい迷惑なのはあかね。翌日同僚相手にボヤいていると、鈴本(田中実)という客がやって来た。いつもカゲの薄い茂雄(小林且弥)と親しそうに談笑している。「ジュニアは頑張ってますか?」。鈴本の言葉にあかねたちは言葉を失った。なんと茂雄はこのインテリアショップの社長の息子だったのだ。
 その頃丈二は、バイトをしようと面接に出かけていた。先日の節約談義の際、倫子に言われたことが効いたようだ。
 山田(伊崎充則)があかねから借りていた金を返しにマンションに現れた。貫介とは共に妻子持ちとあって意気投合。「家庭を持てば自由がなくなるんだよ。お小遣い生活になるんだよ」「おっしゃるとおり」。かつての恋人のあまりの変わりように、あかねはショックを受けた。結婚に夢を抱いていた宗太だって面白くない。というのも宗太はみどりとの初デートで即ホテルへ。自宅にも招待されたら、これがハンパじゃない豪邸。父親はいくつも会社を経営していた。しかもみどりも両親も宗太との結婚に乗り気の様子。宗太はすっかり逆タマに乗った気分でゴキゲン。
 数日後、宗太はみどりとレストランに出かけた。「この間の話はビビったなあ」「すみません。父と母、せっかちなんです」。余裕で受け答えしていた宗太の目に、男と談笑しているあかねの姿が目に入ってきた。驚いたのは宗太だけではなかった。そのレストランで丈二がバイトしていたのだ―。

<第6回> 「同窓会と合コンは甘い誘惑」
 「早く会いてえ〜」。ハガキを手にした宗太(押尾学)がリビングで小躍りした。学生時代につきあっていた奥居京子(国分佐智子)が同窓会に出席するため上京してくるという。7年ぶりの再会だ。「うわあ〜ええなあ〜」。うらやましがってくれた貫介(宮迫博之)と前祝いに居酒屋にくりだした宗太は我が目を疑った。なんと当の京子がいるではないか。「宗太と会えるなんてうれしい!」。同窓会を明後日に控えて2人は盛り上がった。「同窓会の夜はどうなっちゃうんだよお。ハハハ」。ごきげんな宗太をうらめしそうに見つめたのはあかね(ともさかりえ)。久しく出会いがない。同僚が誘ってくれた合コンには、二つ返事でOK。「今夜の主役はあたしよ」。くるみ(西尾まり)、真理子(澄原佑佳)、ほのか(志村知香)、真之介(山咲トオル)らに宣言して、新しい出会いに胸ときめかしていたが、会場の居酒屋に現れたメンバーを見て絶句。なんと宗太を筆頭に、貫介、丈二(北村一輝)、そして宗太の上司の西岡(佐戸井けん太)に松本(山崎銀之丞)ではないか。「今夜は明日の夜に備えて予行演習ってとこかな」。宗太は余裕いっぱい。くるみは丈二にウットリ。西岡と松本はオヤジパワーさく裂で大ウケ。「なんなのよ、この合コン」。主役のはずのあかねがキャッシャーの前でブツブツ言ってたら、高山(角田英介)という男に声かけられた。「恋はどこでどうなるか分かんないってかあ」。早速デートも約束して、職場でも自然と笑みのこぼれてくるあかねだった。
 かたや同窓会にのぞんだ宗太も万事ぬかりなかった。京子をカラオケボックスに連れ出し、思い出の曲を選曲。京子は感激した。見つめ合う2人がまさにキスしようとした瞬間、突然ドアが開いた。「うわっ!」。丈二とくるみ。さらにあかねと高山ともバッティング。「どうせならみんなで歌おうよ」。くるみに押し切られて、お目当ての相手と2人きりになりたかった宗太とあかねは面白くない。
 「お前のせいで予定メチャクチャだよ」「こっちのセリフよ」。マンションに戻るなり、宗太とあかねがケンカを始めると、宗太の部屋から貫介とたまき(池田真紀)が顔をのぞかせた。「お邪魔してます」。また合鍵で勝手に入ったらしい。「やっぱりココか」。丈二を探して倫子(辺見えみり)もやって来て、いつもの顔ぶれがリビングにそろった。「それ浮気じゃん」。昨夜の合コンの一件がバレて、丈二はたまきに責められた。貫介は自分も参加したことを隠 すのに必死。倫子と丈二が険悪なムードになりかけた矢先、宗太の携帯が鳴った。京子からだ。「あたし結婚するんだ」。彼の仕事の関係でニューヨークに旅立つのは明日。その前にもう一度会いたいという。
 「それヤバクない?」。倫子の一言で、着替えはじめた宗太の手が止まった。「大切な思い出にしとけばいいのに」。倫子、あかね、丈二は行っちゃダメ派。ところが貫介とたまきは宗太の尻をたたく。ソッと部屋を抜け出そうとしてた宗太をあかねが捕まえた。「Hしたら思い出が汚れちゃうんだよ」。しかし宗太の返事は「Hして後悔したほうがオレはいいんだよ」。「あたしはあったよ。それが同窓会の楽しみジャン」。たまきの告白に倫子もつられて、ポロリとこぼした。「あたしは中学の転校生と」。貫介と丈二の顔色が変わった。話はまたまたややこしい方向へ動き出し―。


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