あらすじ
<第1回> <第2回> <第3回>

<第1回> 「大災難!?同居人は最悪男」
 「またやっちゃった」。川崎あかね(ともさかりえ)は隣に眠る見知らぬ男に気づいて舌うちした。昨夜、クラブで知り合った相手とラブホテルに泊まってしまったらしい。逃げるように自分のアパートに帰ってみると、室内はメチャクチャ。空き巣に入られたようだ。取られたのはパンツだけで済んだが、バイト先のインテリアショップに着いても仕事が手につかない。「ソレって狙われてたね」。同僚に指摘されて、あかねは恐くなった。引っ越しだ。
 翌日早速、不動産屋に飛びこんだ。「お客さん目が高い!」。担当者に案内されたのは代 官山の2LDKマンション。リビングをはさんで2つ部屋が向かい合っている。瞳がランランと輝き、あかねは興奮をおさえられない。ただし問題が1つ。15万6千円という家賃はあかねには支払えそうにない。
 それでもあの部屋に住みたい。シェアリングしてくれる相手を見つけて、家賃を折半すればいい。上司の金井真之介(山咲トオル)に協力してもらい、インターネットのサイトで同性のルームメイトを募集した。「無理しないほうがいいと思いますよ」。不動産屋の担当者がたしなめるものの、ただならぬ決心をしたあかねの迫力はすごかった。「あたしは新しい部屋で新しい人生をやり直すんです」。
 ルームメイト募集の反応はあったが、応募者に会ってみるとみんな自分勝手な要求ばかり。「神様、いい人と出逢わせてください」。
 あかねの願いが通じた。三嶋宗太(押尾学)は旅行代理店勤めのサラリーマン。仕事で海 外へ行っている間に部屋の更新手続きを忘れていたという。「お願いします。部屋をシェアさせてください」。同性のルームメイトのほうが安心だが、宗太は真面目そうだし、ちょっとイイ男。「つきあうわけじゃないし、ボディガードにいいかも」。あかねは宗太に決めた。
 「きちゃった。やってきましたよおおおー」。新しい部屋であかねは興奮を隠し切れない。数日後、宗太が引っ越してくることになり、あかねがマンションに帰ると、荷物が着いていた。
「どれどれ手伝ってあげるか」。宗太の部屋のドアを開けたあかねは、ボウ然と立ちつくし た。宗太はベッドの中で裸の女の子と真っ最中。「悪い、今たてこんでんだけど」。あかねは慌てて部屋を出て行った。「最悪だ・・・」。あかねの中で新生活への夢が音をたててくずれた。
 この宗太という男、あかねの第一印象とは大違いの、かなりいいかげんなヤツだった。朝 まであかねとケンカして、そのまま出社。「眠そうですね」。新入社員の吉川いずみ(山口あゆみ)が声をかけると、「朝までケンカ。ムカつく女なんだよ。細かいっていうかなんていうか」。とボヤき、外国人観光客のガイドに出た。オフィスに戻ると、上司の中川貫介(宮迫博之)に飲みに誘われた。「おかしいで、あの会社。オレが課長になったのは先々月や。役職付けがリストラ候補ってこんなわびしい事あってええのんか」。今度は宗太が貫介のグチの聞き役にまわったが、早々に腰をあげた。「じつは女と約束がありまして」。あかねから共同生活のルールを決めようと言われていたのだ。
 ところが面と向かいあうと、またもやケンカ。「どうして電気つけっぱなしで出かけるの!」「なんだよ、うるさいな」。あかねは共同生活のルールを列挙した画用紙をリビングの壁に張った。「彼女とのエッチもダメなの?」「そんなにしたかったらホテルに行って!」「そっちも遠慮なくやりゃいいじゃん」。2人の意見はどこまでいっても平行線。聞けば宗太は家賃滞納で前に住んでいたアパートを追い出されたという。「もうやだ、こんな人」。あかねの夢がこわれていく・・・。
 職場ではいいことがあった。真之介から社員登用を打診されたのだ。給料アップにつられ て二つ返事でOK。しかもショップにやって来た客の真鍋丈二(北村一輝)にセンスの良さをホメられて、百万円のインテリアの注文を任されたのだ。「やった、運が向いてきたって感じ?」。
 しかしあかねが喜んだのも束の間、マンションに帰ってみると、また宗太の部屋から女の 声がもれてきた。「あいつ!」。そこへ当の宗太が帰ってきた。「えっ?」。宗太の部屋から出てきたのは裸の貫介。「うおおおお」。ベッドの中ではシーツを巻きつけた内藤たまき(池田真紀)が「いやあああ」。ワケが分からず絶叫する3人を見て、宗太はボソッとつぶやいた。
「先輩、延長料金もらいますよ」。それであかねにも事情が飲みこめた。「ココはホテルじゃないのよ!」。部屋を又貸しするなんて、あかねには信じられなかった。しかも貫介は妻帯者、たまきとは不倫関係。「ホテル代もないなら不倫なんかしないでよ」。しかし貫介とたまきに恥じる素振りはまったくなし。「一方的にルールを決めるのは不公平や」。あかねは言い負かされて、3人はリビングで酒盛り。「悔しい!」。あかねはベッドにうずくまった。
 翌日も貫介とたまきはやって来た。いや、さらに2人増えた。「気持ち良かった」。風呂から上がってきたのは飯倉倫子(辺見えみり)。どうして次々と見知らぬ他人が勝手に上がりこむのか。倫子だけでも十分にショックだったのに、続いて現れた男の顔を見て、あかねは倒れそうになった。丈二だ。「この間はお世話になりました」。聞けば劇団の役者。この前の店でのやりとりは演技の練習だったそう。「あの女は何者? あたしの売り上げ百万円は? うーどうしたらいいのよ」。もうあかねは何がなんだか分からなくなった。新生活がとんでもないスタートになったことだけは確かだ──。

<第2回> 「友情を取るか恋を取るか!?」
 「下ろしておいてよね」「おまえは何様?自分でやれ」。今朝も早くから便座カバーの使い方をめぐって、あかね(ともさかりえ)と宗太(押尾学)はモメてしまった。あかねは職場の同僚のくるみ(西尾まり)らにグチったが「自業自得ですよ」と冷やかな反応。とどめは真之介(山咲トオル)の一言。「女としての基本がないのよ、あんたは。」あかねが落ちこんでいると、丈二(北村一輝)と浮気相手のしのぶ(今井恵理)が現れた。倫子(辺見えみり)のことが可哀相になったあかねは、しのぶが席をはずすと丈二に説教した。「あなたおかしいですよ」。しかし丈二は反省するどころか、しのぶの目を盗んでくるみを口説きだす始末。あかねは呆れ返った。
 「そんなのほっとけよ」。宗太は一言で決めつけた。逆にあかねは言葉巧みに二股かけられてフラれた過去を告白させられた。気分を変えようとパチンコに出かけたら、倫子と出くわした。「間違いなく遊んでるよね」。丈二とはもう5年目、浮気癖はお見通しなのだ。「だけど優しいんだよねーアイツ」。
 宗太が帰宅すると、浴室から男女の声が聞こえてきた。宗太がソファーの後ろに身を隠していると、出てきたのはあかねではなく、丈二としのぶ。宗太が貫介(宮迫博之)に渡した合鍵を丈二に又貸ししたらしい。「こりゃ部屋代2倍とれるぞ」。ほくそえんでいると、あかねが帰って来た。「なんでココが浮気の密会場所になんのよ」「いいじゃねえの。誰がエッチしようがお前に関係ないんだし」。玄関先でまたケンカを始めた2人だったが、急にあかねは真顔になると夜道を指さした。倫子だ。今度遊ぼうと約束していたのだ。「修羅場になるぞ」。2人はあかねの部屋に飛びこんだ。「誰もいないの?入るよ」。居留守をつかうつもりが、鍵をかけ忘れていた。「いたんじゃな〜い」「お茶行きましょう」「来たばかりよ」。あかねと倫子の会話は宗太の部屋にいる丈二の耳にも聞こえた。「うそだろ・・・」。丈二はとっさにしのぶの口を押さえた。「苦しいいい!」。
 倫子は宗太がまた女の子を連れこんだものと勘違いし、宗太の部屋のドアを蹴りだした。室内ではベランダから宗太が丈二としのぶに手招きしていた。丈二は意を決して電柱に飛び移った。残されたしのぶは叫んだ。「助けてええ」「ごめん」。宗太はしのぶを黙らせようとキスすると布団の中にひきずりこんだ。「丈二がいる気がする」。倫子はドアを開けた。あかねは両手で目を覆う。ところが室内にいたのは宗太だけ。テレビの画面からはAV女優のあえぎ声が。「悪い、閉めてくれる?」。
 騒がせたお詫びにと、倫子は宗太とあかねを居酒屋に誘ってくれた。「あたし5年後の姿に恋してんだ」。倫子は丈二の役者人生に賭けていた。あかねの夢は自分のインテリアショップを持つこと。「宗太は?」。しかし宗太は将来の夢がないことに気づいて、2人が少しうらやましくなった。
 翌日、あかねは丈二から打ち明けられた。「しのぶとは別れたんです。他に好きなヤツが出来たらしいんだ」。まさかその相手が宗太だとは2人とも知らない。その夜、今度は貫介が不倫相手のたまき(池田真紀)と現れた。「お邪魔あー」。そこへ倫子と丈二もやって来て―。

<第3回> 「今欲しいのは金?出逢い?」
 「朝から気持ち悪いもん食ってんじゃねえよ」。あかね(ともさかりえ)が納豆チーズご飯を食べていると、宗太(押尾学)が顔をしかめた。2人とも給料日前とあって金欠状態。  「先輩はすごいな。家族を養って、おまけに不倫もして」。宗太がオフィスで貫介(宮迫博之)を感心しながら見ていると、2人して営業部長の西岡(佐戸井けん太)に呼ばれた。「企画本部長の身辺調査を頼む」。西岡はこのところ社内派閥のボス気取り。貫介はライバルを蹴落とす作戦本部長にまつりあげられてしまった。
 一方、あかねの職場では同僚のくるみ(西尾まり)、真理子(澄原佑佳)、ほのか(志村知香)、そしてチーフの真之介(山咲トオル)が昨夜の合コンの話題で盛り上がっていた。「フランス料理、おいしかったよ。しかも二次会までおごり」。あかねがさっきの朝食を思い出してブルーになっていると、くるみが外資系エリート軍団との合コンに誘ってくれた。
 久しぶりにモテたし、食事も一食分浮いた。あかねがゴキゲンで帰宅すると、リビングには宗太、倫子(辺見えみり)、丈二(北村一輝)が顔をそろえていた。さらに、この間偶然再会した高校時代の恋人、山田(伊崎充則)から食事に誘われた。「やだー、あたしまたモテてる。アハハハ」。あかねが3人を残して、自分の部屋に消えると、「昔の恋人との再会って燃えるんだよね」「同窓会!」。倫子と宗太が意気投合した。1人カヤの外に置かれた丈二だけ面白くない。
 翌日いずみ(山口あゆみ)とバスツアー客を引率した宗太は、寅さんの銅像にそっと願をかけた。「お金ほしいです」。すると本当に金運がむいてきた。弁当屋にクレームをつけたら1万円、スピード宝くじで5千円。かたやあかねは、味をしめて大学院生との合コンに出たら、なんと割り勘。今月から社員になったのだからと、真之介に前借りを頼むと、天引き額が5万円を越していることが判明する始末。「家賃払えるの?」。あかねはあわてて電卓を叩いた。
 パチンコでも負けたあかねが、肩を落としていると見知らぬ男から声をかけられた。「キャバクラでバイトしない?」。4時間で1万円につられて客の隣りに座ったが、「やっぱり私には無理です」。あかねは席をたった。それでもバイト代がほしいので、厨房の皿洗いに回してもらうことに。「よろしく」。グラスを洗っていた男はなんと貫介だった。たまき(池田真紀)とのデート代をつくるために、週2日バイトしているという。気の毒になったあかねは、社員旅行したいので旅行代理店を探している客の名刺を渡した。手渡された名刺を見て、貫介の表情がくもった。
 あかねが山田とデートして浮かれて帰宅すると、部屋にはいつもの5人が集まっていた。山田には妻子がいるという。「覚悟できてるの?」。倫子が心配そうにたずねると、あかねはあっさり白状した。「食事だけ。7年ぶりでそんなことしないですよ」。一同がホッとしたのも束の間、不倫反対のほこ先は貫介とたまきに向けられた。たまきがマジになった。「悩んだわよ。泣いたわよ。苦しんだわよ。でも貫ちゃん優しいんだもん」。独身と偽っていたこともバラされて、貫介はオロオロ。いつも冗談ばかり言い合ってきたのに、今夜はみんな熱くなっている。あかねは山田とのデートを振り返った。「懐かしい顔見て、なんかホッとしたの」。その表情から山田にひかれているのは明らか。「あたしね、いい女になりたい。だからデート代、援助しようと思うの」。またまた話が変な方向へ傾きだし、6人は激論!
 翌日、宗太と貫介の会社に大口の社員旅行の申し込みがきた。あかねが貫介に渡した名刺の会社で、貫介が以前勤めていた会社だった。ところが先方の成井(東根作寿英)という男、貫介に気づくとねちねちと嫌味を並べだした。「こんなチンケな旅行代理店に再就職かよ。バカだよお前は」。貫介は、同席している西岡と営業部長代理の松本(山崎銀之丞)の顔色をうかがった。仕事の話を進めようとする貫介に、成井はさらに言葉を続けた。「商売する時は相手の目より姿勢を低くしろって習っただろ」。聞いていた宗太はゆっくりと成井に歩み寄った―。


戻る

バックナンバー
[第1-3回] [第4-6回] [第7-9回] [第10-12回]