あらすじ
<第1回> <第2回> <第3回>

<第1回> 「史上サイアクの刑事」
 酔ったサラリーマンや、行き交う外国人たち・・・。夜の喧騒に包まれる、とある繁華街の一角を占める雑居ビルを密かに取り巻く男女がいる。南麻布署捜査課の刑事たちだ。路肩に止まっているバンの中には、服部実加(須藤理彩)と捜査課課長の曽根崎隆夫(石丸謙二郎)。捜査課が1年以上も追って来た銃密売組織の一斉検挙を前に、気持ちがはやる実加を曽根崎が諌めている。各所に設置されたビデオカメラのモニターを見つめる曽根崎の目に、ビンテージカーから降り立つスレンダーなブロンド美女が映った。雑居ビル内のショーパブに張り付く北嶋武志(岡田義徳)等から、組織の幹部と見られる男たちが店の奥に消えたという連絡が曽根崎に入り、刑事たちは行動を開始する。報告をした北嶋たちの傍を、先ほど曽根崎が目撃したブロンド美女が客たちをすり抜けて歩いていた。
 ホールを通り抜けたブロンド美女は、外国人ダンサーたちの楽屋へと入り、いきなり1人の外国人女性に手錠をかけて、ブロンドのかつらを外す。かつらの下から現れたのは南麻布署の刑事、橘真ノ介(反町隆史)だ。橘は、手錠をかけた女に自分が懇意にしている雑貨屋で万引きしたことを責める。雑貨屋のお婆さんに謝れば、警察沙汰にはしないと言う真ノ介だが、女に言葉は通じない。その騒動に驚いた外国人ダンサーたちが、廊下やホールへ。すると、刑事の存在に気づいた組織のものたちも店から逃げ出した。女を連れて廊下に出た真ノ介の傍らを、男たちが駆け抜ける。真ノ介は、男たちの1人が腰の拳銃を抜き出すのを見た。
 この騒動に、実加たちは逃げ出す男たちを捕まえようとするのだが、平気で発砲する彼らを次々に捕り逃してしまう。一方、真ノ介も拳銃を抜いた男を追跡。発砲する男に、自分の車のフロントガラスを撃ち抜かれた真ノ介は執念の人に・・・そして・・・。結果を得られなかった実加たちのもとに、真ノ介が捕らえた男を連れて戻ってきた。真ノ介が捕まえたのは、ダッグと呼ばれる腕にアヒルの刺青をした男。しかし、真ノ介は今回の一斉検挙を知らされておらず・・・。
 翌朝の南麻布署。真ノ介の先輩刑事、永井俊介(永島敏行)、北嶋はダッグを取り調べるが、何の証言も得られないでいた。真ノ介は、捜査の邪魔をしたことを実加に怒られている。非番だった真ノ介には、組織刈り込みの情報はもたらされなかったのだ。と、言うより、真ノ介に知られたら検挙が失敗するという恐れから知らされなかったらしい。真ノ介は捜査課のお荷物刑事なのだ。さらに、先日手錠をかけた外国人女性からも被害届が出されている。真ノ介は、署長に会議室へと呼び出された。
 会議室へと向かうエレベーターで、真ノ介は河村悦郎(押尾守)と乗り合わせる。スーツ姿のキマッた悦郎は「橘巡査長ですよね?」と、真ノ介に話し掛け、名刺を渡した。真ノ介、悦郎に敬礼。なんと、彼は警部補だったのだ。そして、2人の行く先は同じ会議室。畑中正雄署長(鶴田忍)から昨晩の失態を責められた真ノ介。辞職を促されると思っていたが・・・。突然、畑中は悦郎を真ノ介に紹介。実務研修で着任した悦郎のフォローを真ノ介に命令した。つまり、真ノ介を捜査から外す都合の良い口実としたのだ。
 渋々承諾した真ノ介は、捜査課に戻って同僚たちに悦郎を紹介。しかし、実加は完全に無視。駆け出しキャリアの面倒なんか、見ている暇はないと悦郎をお荷物扱い。真ノ介は悦郎にダッグの取調べを見せて、拳銃密売組織の捜査中であることを説明する。署内を案内すると、悦郎は女性署員たちに大人気。面白くない真ノ介、悦郎を道場に連れ出す。しかし、武術でも真ノ介の上をいく悦郎。聞けば、悦郎はテコンドー留学の経験者だ。
 2人が一階に降りてくると、猿轡をされた若い夫婦が駆け込んできた。真ノ介が猿轡を外すと夫婦は口々に子供が車で連れ去られたと訴える。誘拐事件の発生だ。
 すぐさま、捜査会議が開かれた。夫婦の家に刑事が張り込んでいるが、犯人から身代金の要求はない様子。真ノ介は会議で発言しようとするが、畑中署長に遮られ会議室から追い出されてしまう。夜になっても、捜査は一向に進展を見せない。かやの外に置かれる真ノ介と悦郎は、曽根崎から『防犯まつり』のチラシを配るよう命令された。ふてくされた真ノ介は、悦郎とともに行きつけの富山利江子(村上里佳子)、通称リーコの店へ。悦郎と別れた真ノ介がマンションに帰ると、永井が待っていた。永井は、捜査を外されて腐っている真ノ介を励ましにきたようだ。
 翌日、真ノ介は先日、フロントガラスを割られた車の修理の様子を見に自動車修理工場へ。しかし、フロントガラスはおろか、バラバラにされた愛車を見た真ノ介は、店員の谷口オサム(山崎裕太)に不満をぶつける。オサムに3日で直すように言いつけた真ノ介は『防犯まつり』のチラシを渡す。すると、オサムが拳銃密売組織の話を始めた。オサムが暴走族から聞いた情報では、組織のボスが捕まったらしい。その男は、腕にアヒルのタトゥーをしていて、ダッグと呼ばれている・・・それは、真ノ介が捕まえた男と特徴が重なっていた。

<第2回> 「絶体絶命!新たなる敵」
人質となった子供(古泉一樹)との交換条件として、拘留中の被疑者、ダック(加藤冬樹)を犯人たちの指示で製鉄工場跡地に連れてきた永井俊彦(永島敏行)。そっと後をつけてきた橘真ノ介(反町隆史)と河村悦郎(押尾学)が、倉庫の中を覗くと・・・。永井が犯人一味のピアス男(村井克行)から、金を受け取っていた。全ては永井が仕組んだことだったのだ。だが、ピアス男はダックとともに、子供の居場所を尋ねる永井も射殺してしまう。しびれを切らせて真ノ介が飛び出すと、逃げようとしたピアス男も階段から落ちて絶命してしまった。悦郎は、永井の不祥事にショックを受けている。しかし、真ノ介は子供の命を救うことに必死。真ノ介は、悦郎を促してピアス男の車を調べ、残された免許証から身元を割り出した。連絡を受けた服部実加(須藤理彩)は被疑者の車の動きを追う。  南麻布署捜査課の面々が製鉄工場跡地に到着するのと入れ違いに、真ノ介は悦郎を連れてピアス男のマンションへと向かう。一方、実加は子供が沈められているプールの場所を割り出そうとするが、都内のプール業者は145軒もあり、時間がかかりすぎてしまう。しかも、屋外プールの数は都内に1200ヶ所もあるのだ。そこに、犯人が使用していると思われる酸素ボンベが届き、なぜか蕎麦屋の出前持ちの親父が捜査課に来る。実は、出前持ちの親父はスキューバダイビングが趣味。酸素ボンベの容量から、酸素がつきる残り時間を計ってもらう。一方、覆面パトカーの悦郎もその計算をしていた。悦郎と親父の計算は、約90分の酸素残量で一致。だが、子供が過呼吸に陥っていれば、酸素の使用量は多くなり、そこまでもちそうもない。急いで救出しないと、子供の生命が危ぶまれる。
 真ノ介と悦郎は、ピアス男のマンションに到着。そこに、実加からピアス男の行動範囲が判明したと連絡が入る。実加によると、子供は世田谷区のプールに沈められている可能性が大きいと言う。真ノ介と悦郎は、ピアス男のマンションに侵入。すると悦郎が、ピアス男が仲間とプールサイドでパーティーをしている写真を発見した。真ノ介は、押収したピアス男の携帯から、写真に書いてあった江田麻希(矢沢心)に電話をかける。何も知らずに電話に出た麻希から、写真のプールの場所を聞き出そうとする真ノ介。すると、疑いもせずに、麻希はある男の家だと答えた。真ノ介は、ピアス男からプールを持つ男の家にとってきて欲しいものがあると頼まれたと嘘をつき、麻希を呼び出した。待ち合わせ場所に来た麻希を覆面パトカーに乗せて、プールのある家に急ぐ真ノ介と悦郎。誘拐された子供に残された酸素は、あと50分を切って・・・。

<第3回> 「犯人よりもワルイ奴ら」
 雑貨店に、橘真ノ介(反町隆史)、河村悦郎(押尾学)、服部実加(須藤理彩)が客を装って潜入している。狙いはケバイ女。距離を徐々に縮めた真ノ介たちは、身分を明かし、逃げようとする女を緊急逮捕して南麻布署に連行した。2日前に発生したクラブ従業員刺傷事件の重要参考人だ。しかし、この女、事件とは関係なさそう。「なぜ逃げた?」と、問いかける真ノ介に女は「補導されるのかと思った」と意外な答え。厚めの化粧で分からなかったが、この女、未成年だったのだ。
 取調室を出た実加は、真崎奈津子(上原美佐)と会うため、ある会社を訪ねた。実加は、先程のケバイ女が16歳だと聞いて、奈津子が懐かしくなって会いに来た。奈津子は、今自分がこうしているのは実加のおかげだと告げる。その時、実加の携帯に事件発生の連絡が入る。また、若い男が刺されたのだ。奈津子に別れを告げて捜査課に戻る実加。
 その頃、捜査課では2件の事件の共通点が割れた。刺された男は、2年前に同じホストクラブで働いていた。しかし、2人は重症で証言を取ることはできない。だが、周囲にいた人間の証言で、彼らが刺される前に誰かに呼び出されたことは分かった。そんなやりとりを聞いていた、ケバイ女は真ノ介と悦郎に「あいつらいつか刺されると思った」と。女は、3人組に拉致され暴行されそうになったと言う。「3人?」。真ノ介たちは顔を見合わせる。もう1人の居場所を聞くが、女は知らなかった。
 少年課の刑事、横井直哉(☆☆☆☆)が女を引き取りに来た。そこに実加が戻ってくる。横井と知り合いのような実加に、悦郎は彼女がかつて少年課にいたことを知る。捜査課員たちは、残りの1人が犯人か、もしくは第3の被害者になるのを阻止しようとの捜査方針を固めた。と、タクシー運転手から、犯人らしき女を乗せたと通報が。真ノ介、悦郎、実加、北嶋武志(岡田義徳)らは、タクシー会社に向かった。
 運転手の話しでは、2件目の事件直後、現場から制服のOLを、ある会社まで運んだそうだ。OLを降ろし次に拾った客が、シートの血痕に気づいたと言う。実加は、タクシーの灰皿に残った吸殻、そして、OLが降りた会社名に何かを思い当たる。鑑識の結果待ちの間も実加は1人で聞き込みに、真ノ介と悦郎は富山利江子(村上里佳子)の店へ。
 利江子の店で、悦郎は実加の様子がおかしかったと真ノ介に話す。すると、北嶋が店に入ってきた。服部を探しているのだが、携帯も繋がらないと言う。タクシー運転手の証言で、OLのモンタージュ写真が出来たのだ。
 実加は、奈津子の会社に来ていた。そして、昼間来た時に奈津子が捨てた吸殻をそっと拾う。実加が、会社から去ろうとすると奈津子に声をかけられ、食事に誘われる。2人が会社から出てくるのを、覆面車で来た真ノ介と悦郎が目撃。奈津子が、モンタージュ写真の女性に似ていることに悦郎が気づく。実加の単独捜査を責める悦郎に、真ノ介は3年前の出来事を話す。実加は、少年課にいた時、奈津子に刺されて死にかけたと真ノ介。実加が食事に入ったレストランの前で、真ノ介たちは2人を監視する。
 実加と奈津子は、少しぎこちない会話を続けていた。そんな2人を、店に入って来た男、蓮見洋次(☆☆☆☆)が隠れるように覗っている。実加は「言いたいことがあれば、聞くけど」と促すが、奈津子は何も話そうとしない。
 捜査課には、刺された男たちと3人でつるんでいた無傷の男を割り出し、写真も用意された。その男は蓮見。まさに今、実加たちを覗っている男。そして、タクシーの座席に残された血液も、第2の被害者のものと一致した。やはり、奈津子が犯人なのか?
 真ノ介たちが、その報告を受けているとレストランから実加と奈津子が出てきた。運悪く、真ノ介たちの覆面車に交通課の吉田多恵(すほうれいこ)らが近づいてくる。さらに、彼女たちは実加に気づいて呼びかけてしまった。疑われていると感づいた奈津子は、タクシーを拾って去ってしまう。真ノ介は、実加を乗せてタクシーの後を追跡。だが、もう一台、蓮見の車もタクシーの後についていて・・・。


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