元旦。シングルマザーの七草ゆず子（小雪）は、息子の翔太（今井暖大）、娘の実結（野澤しおり）と近所の神社に初詣。お願いごとをする子どもたちの姿がほほえましく、くじも大吉で「今年はいいことありそう」と幸せ気分でアパートに帰るゆず子。
同じ頃、大きな神社では法律事務所を営む柿原新一（伊藤淳史）がうやうやしく祈祷を受けていた。初穂料を包む熨斗袋は分厚い。そんな彼が人目を気にしながら広げたのは“恋みくじ”。こちらも大吉で柿原の顔はほころんだ。
ゆず子がアパートに着くと幸せ気分が一気に吹き飛ぶ。自宅から大量の水が溢れ出て、階下の住人の部屋まで水浸し。保証は保険では追いつかずコツコツ貯めた貯金はほぼ底をついた。それでもまた頑張って働けば大丈夫だと自分を励ますゆず子だったが…。
初出勤の日。出社すると会社前が騒然としている。そこには、ゆず子の勤める人材派遣会社DOH（ディメンションズ・オブ・ヒューマニティ）廃業の告示が。ぼうぜんとするゆず子、顔見知りの社員、加瀬春木（成田凌）も驚いた様子で…。
水浸しの家に続いて会社が倒産。社内預金も全て失い、ほぼ無一文状態のゆず子。再就職には知り合いを頼るのが近道だとママ友の櫻沢まりえ（内田理央）に勧められ、高校の同窓会に顔を出す。旧友たちに仕事のつてを求めるも上手くは行かない。途方に暮れるゆず子だが、そんな彼女に必死に近づこうとする柿原の姿が…。