あらすじ
<第1回> <第2回> <第3回>

<第1回>「恋をしました」
 2000年7月7日、七夕。
 路線バス、東西バスの運転手、宮前武蔵(内村光良)は、専用レーンの上を、軽快にバスを走らせていた。だが、レーン以外の道路は大渋滞。
 折しも、そこに巻き込まれていた小谷夏生(飯島直子)は苛立っていた。一流商社・笹島コーポレーション企画開発部からデータ管理部に不本意な異動を受けた夏生は、今日がその初出勤日で、遅刻をしそうになっていたからだ。
 だが車は途中でオーバーヒート。仕方なく武蔵の運転するバスに乗ろうとする夏生だったが、バスは無情にも夏生に気付かず通り過ぎてしまう。
 結局タクシーで出社した夏生。自己紹介しようとするも、新上司に阻まれ、そのうえ仕事はしないで新聞でも読んでいろと言われてしまう。そんな夏生を気遣う、友人の秘書課勤務の史村千賢(網浜直子)と、企画開発部の後輩だった阿部究吾(国分太一)。

 おじ夫妻の家に居候している武蔵の元に、九州から妹の祭(内山理名)が転がり込んできた。彼女は東京の短大に編入するために上京してきたのだが、しっかりとした目標があるわけでもなく、どちらかと言うと、都会暮らしへの憧れが強いだけ。
 祭は、アルバイト探しに立ち寄った喫茶店で、文也(吉沢悠)という青年と出会う。突っけんどんな彼の対応に腹が立つ祭だが、なぜか気になって仕方がない。実は、文也は夏生の弟なのだが、そんなことは今の祭には知る由もない・・・。

 新しい部署での長い一日を終えようとしていた夏生は、会社で一人ぼんやりと、思いに耽っていた。夏生は、かつて笹島コーポレーションの御曹子である笹島小次郎(柳葉敏郎)と付き合っていたが、仕事を辞めてアメリカに来ないかという小次郎の申し出を断った過去があったのだ。
 ふと、車を置きざりにしてきたことを思い出し、慌てて車を放置した現場に急ぐが、時すでに遅く、愛車はレッカー移動されたあと。仕方なく、会社の前の停留所に止まっていたバスの扉を叩く夏生。すると、その姿に気付いた武蔵が呼び止めた。
 ちょっと、何してるの、あんた!」
 振り向く夏生。ハッと息を飲む武蔵。武蔵が夏生に一目惚れした瞬間だった・・・!

<第2回>「想い出の指輪を・・・」
 関連会社のデータ集めをやるよう、上司から命令された夏生(飯島直子)。やっと仕事を任され、張り切ろうとする夏生だった。
 一方、武蔵(内村光良)は夏生の壊れたハイヒールを眺め、高嶺の花だから諦めろという周囲の声にもめげず、悦に入っていた。7センチの身長差があることを気 にしながら・・・。
 そこに夏生が入って来た。彼女がデータを集めにきた関連会社とは武蔵のいる東西バスだったのだ。ニコニコしながら夏生を取り囲む連中から、強引に名刺交換をさせられる夏生。その、あまりにも笹島コーポレーションとは違った社風に、夏生は思わず絶句してしまう。
  夏生の仕事に用があるのは営業所長の平岡(小倉久寛)だけだったが、周囲の男連中は、親会社から夏生が来たことで大騒ぎ。何とか、「東西バスのキャンペーンをやるため、それに先立ってバスの利用状況やマーケティング調査をしたい」と申し出る夏生だった。なのに武蔵は、ハイヒールを返そうとしたりで、大わらわ・・・。
 その晩、夏生のマンションに集まった千賢(網浜直子)と究吾(国分太一)の前で 、夏生は、武蔵の職場の雰囲気にうんざりした旨を吐露するのだった。
 その頃、武蔵は妹の祭(内山理名)から「夏生さんは、お兄ちゃんと合わないんじゃないの?」と言われていた。教養のない武蔵にはキャリアウーマンは共通点がなさすぎるというのだ 。とにかく、共通の趣味を見つけないと話なんて出来ないと祭に諭される武蔵だった。
 数日後、再び東西バス営業所に来た夏生が帰り際、千賢からの電話を受け、「ゴルフでストレス発散しよう」と言っているのを武蔵は聞いてしまう。三上家に帰った武蔵は、従弟の和馬(川端竜太)から、女を口説くテクニックの教えを乞うていた。そこにおじの信介(不破万作)が帰宅。武蔵のために、隣町まで行ってゴルフセットを借りてきてくれたのだ。あくまで偶然を装って、ゴルフ練習場に行こうと計画 を立てている武蔵だった。
 日が変わり、ゴルフの日。練習場のラウンジで夏生は千賢からドタキャンの電話をくらい、一人でやることに。そこに、「お隣よろしいですか?」と現れる武蔵。「ゲッ」となる夏生。ゴルフなど全く縁のない武蔵が恥ずかしい行為ばかりするのを見て、夏生はいい加減嫌になって、ゴルフをやめてしまう。そして武蔵が缶ジュースを夏生に買ってきてあげた時、武蔵は夏生の指に光るきれ いな指輪に目を留め、思わず褒める。「誰かに貰ったとか?」と尋ねる武蔵。
 それは、かつての恋人・小次郎(柳葉敏郎)から貰った指輪だった。思い出したくないことを思い出し、キレた夏生は、「未練なんかじゃないっ」と言い放ち、指輪を打席に置き、クラブを振ってしまった。グリーンに消えていく指輪・・・!

<第3回>「接近」
 東西バスの街頭アンケート調査を自分で行うことになった夏生(飯島直子)。究吾(国分太一)には「単なる肉体労働じゃないですか」と言われるが、夏生はそのくらいのことをやらなければ上に認めさせられないと反論。
 「そうだ、肉体労働なら、得意な連中がいるじゃありませんか」と究吾が言い出した・・。
 そうして、夏生は武蔵(内村光良)のいる東西バス営業所を訪ねた。平岡(小倉久寛)に、半日でいいから人手を借りたいと切り出したのだ。そんなことをやりたがるヤツはいないと平岡が言ったそばから、武蔵が「アンケートにご協力お願いします!」と叫び出した。結局、武蔵が協力することに。
 その晩、武蔵は和馬(川端竜太)にもアンケート協力を強制。「絶対やんねえからな!」と和馬。和馬の言い分に肩を落とすうえ、可愛いキャンペーンガールを雇う金もないことに、武蔵はやや不安。そこに、着ぐるみを着た信介(不破万作)が帰ってきた。どうやら商店街のサマーセールの抽選会で、着ぐるみを着てキャンペーンらしきものをやっているらしい。武蔵の中で何かがひらめく。だが 、武蔵の考えにピンと来た和馬は、「俺は無理」と逃げ腰に。
しかし、数日後に行われた街頭アンケートには究吾をはじめ、武蔵はもちろん、あんなにアンケート配付を嫌がっていた和馬や浩(安藤亮司)の姿があった。武蔵達は3人とも暑い中、着ぐるみをまとって・・・。
夏生がいつもこんな仕事をしているのかと究吾に尋ねる武蔵。そこで武蔵は、夏生がデータ管理部に飛ばされた理由を初めて聞かされる。それでもハイヒールを痛そうに履きながら「アンケートにご協力ください」と声を張り上げる夏生の姿を見て、心が痛む武蔵だった。
 午後になり、会社に戻った究吾から夏生の携帯に電話が入った。なんと小次郎(柳葉敏郎)が急な会議で一日だけ戻ってきているというのだ。小次郎に会うために、急いで戻ってきてくださいと言う究吾。「本当はまだ小次郎さんのこと。好きなんでしょ?」と言うのだ。ためらいながらも「今は仕事中なの」と電話を切る夏生。「行けるわけないじゃない」と溜め息をつきながら・・・。
だが、薬指の指輪を眺めているうち、夏生は思い立った。意を決して、テントの中に駆け込み、アンケート用紙を放り投げ、小次郎のもとへ駆け付けようと考えたのだ。
 そして、ハイヒールの痛みで足が滑った夏生がテントの柱にもたれかかった時だった。テントがぐらつき、鈍い音をたてて、傾いたのだ。そこに、うさぎの着ぐるみを着た武蔵がダッシュして、夏生を助けようとダイブした!
「大丈夫・・・ですか?」と痛みに耐えながら夏生をいたわるテントの下敷きとなった武蔵。
「なんてことありません、こんなの夏生さんの外反拇趾に比べたら。それより行ってください」「会社に戻るんですよね。アンケートでしたら僕らでやっておきますから」
 武蔵の心意気に甘え、小次郎のいる会社に戻る夏生だったが・・・。


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