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<第4回>
『ディオン・ジャパン』のプレスパーティーの日が近付いてきた。今回、碧(今井美樹)は招待状の発注をはじめとしたパーティーに関することは由里(佐藤藍子)を中心にすすめることにしていた。
 これを聞いたゼネラルマネージャーの遙子(江波杏子)は、部下に仕事を任せられるようになった碧の変化を指摘、そして何かを察したように「・・・そういえば彼とはどお?」と宗一朗(市川染五郎)のことを尋ねてきた。「え、ええ、まあ」。平静を装い碧は返した。しかし動揺は隠しようがなかった。社運をかけて催された茶会の後、「あなたのためにやった」と言った宗一朗のことばが、今でも碧の中に残っていたのだ。
そんな碧の気持ちを知るはずもない由里から「神崎さんのこと好きになったみたいです・・・・・・1年で辞めることはわかってますがそれでもいいんです」と打ち明けられ、その若さの気負いに圧倒される碧。
碧の変化と動揺を堀口(吉田栄作)だけは感じ取っているようだった。
数日後、宗一朗が引っ越しのため家を出る日が来た。一人暮らしを始めるマンションに荷物と共に下り立った宗一朗は、そこに由里の姿を見つける。由里は、碧に提出されていた新住所を目敏く見つけ、ここぞとばかりに手伝いにやってきたのだが・・・続いてやってきた奈美子(北浦共笑)の見事な弁当に驚き、茶会の時から気に掛かる存在だった奈美子が、実は宗一朗の許嫁だったことを知らされ、完璧に打ちのめされた思いでマンションを後にしたのだった。奈美子のことは由里から碧の耳にも入った。
碧は、惑わされた思いを振り払うよう宗一朗に向かっていた。「あなたのためにとか、ああいうことは二度と言わないで」。これに対し宗一朗は「そんなこと言いましたっけ?」ととぼけて見せるのだった。
宗一郎は堀口に誘われて行った居酒屋で「ああいう家に生まれたから、人を好きになる資格さえない・・・好きな人はいるのに。」と自分の感情に蓋をせざるをえない立場を嘆いた。 
 その頃、家に戻っていた碧は父・哲雄(宇津井健)にプレスパーティーの招待状を手渡していた。ところがそこで、記されている日付が間違いであるのを発見した碧は自分のチェックの甘さを責めながら、誰もいないオフィスに戻った。一人、招待状の訂正に取り掛かった。気の遠くなるほどの数百通の封筒、明日までに間に合うだろうかという不安と戦う碧。とその時だった碧の前に突然姿を現したのは・・・。

<第5回>
一晩中オフィスで二人きり、招待状のミスの修正にあたった碧(今井美樹)と宗一朗(市川染五郎)は、間もなく皆が出社してくるという夜明けはじめてキスを交わした。上司と部下であろうと決意する碧だが、宗一朗への対し方は明かに変わり、堀口(吉田栄作)や遙子(江波杏子)は、いち早くその変化に気付く。だが宗一朗に惹かれ、自分の仕事のミスを知らせられなかった由里(佐藤藍子)の心境は穏やかではない。そんな由里の焦りともとれる複雑な思いは、思いがけないミスを招いてしまうことになるのだった。

<第6回>
 パリに本店を持つデパート『ギャラリー・ラファエロ』の銀座出店の日が近付いてきた。間もなく社長夫妻が再来日して各ブランドの店舗スペースが発表されることになっている。堀口(吉田栄作)は、社長との信頼関係も築けたと、一番良いスペースに出店出来ると自信満々で、碧(今井美樹)や青木(梶原善)も頼もしく堀口のことを見つめていた。そんな堀口に遙子(江波杏子)から、パリ本社への研修が決定したことが告げられる。世界各国からひとりだけの名誉。しかも、優秀だと認められればディオングループ幹部への道が開かれることになる。
 堀口は夢に一歩近付いた手応えを感じながら、祝福してくれる碧に対して「お前を一人残していくのは不安だけど・・・」と言うのだった。
 その日の夕方、由里(佐藤藍子)は先日の失敗のお詫びをしたいと宗一朗(市川染五郎)を食事に誘った。そして「付き合って下さい!」とようやく自分の気持ちを伝えることに成功する。宗一朗は、「許嫁がいてもそれは親の決めたことでしょ!」とへこたれない由里を優しく見つめながら、じつは好きな人がいることを打ち明け、でもその恋は失恋に終わったと話した。「まだチャンスはありますね!」由里はそれを聞くと素直に喜んでみせるのだった。
 数日後、『ラファエロ』の社長が来日、店舗スペースが発表されることになった。
 前日、堀口は前祝いと称して二人飲んだバーで、碧にもう一度自分とのことを考えて欲しい、一緒にパリに行ってほしいと打ち明けていた。もう一度こんな気持ちになったのは宗一朗の出現もあったからという堀口。碧はただ呆然として返事がすることができなかった。
 そんな事があって向えた発表の日、社長の前には自信に満ち溢れた堀口が居た。だが、直後発表された店舗位置に堀口は愕然となった。『ディオン』は2階エレベーター横。狙っていた1階入り口脇のスペースはライバル社『アンジェラ』に決定したのだ。社長ではなく社長夫人に取り入っていた『アンジェラ』の勝利。
 一転対応の甘さを責められ、内定していたパリ研修も取り消されてしまう堀口。碧は、その夜オフィスに荷物を残したまま帰ってこない堀口の帰りを一人待ち続けた。


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