あらすじ
<第7回> <第8回> <第9回>

<第7回> 「バレる!造花の恋は実らない」
 思いは通じ、念願かない保奈美(米倉涼子)は流翠(椎名桔平)と夜を共にした。翌朝朝帰りしたことで流翠との事がうまくいったことを知った純一(小倉久寛)らは喜び、ルリ子(柴田理恵)は赤飯を炊いて恋の成就をお祝いするという。だが、冷静なエリ(菊池麻衣子)から、「そんなことよりも整形がバレた時のことを心配しなさい」と言われ保奈美には、新たな悩みの種が生まれてしまい、さっそく良平(加藤晴彦)を流翠に見立て、整形の真実を打ち明ける練習をしてみたりするのだった。
 その頃、流翠のもとには、十和田(陰山泰)の問題が持ち上がっていた。
 先日のいけばな全国展への出品をなかばボイコットした形になった十和田を、流翠は除名処分にすると決めた。だが、幹部連中はこの決定に対していっせいに反対の姿勢を示したのだ。お家騒動を書き立てた雑誌を見て心配になった紫乃(市毛良枝)は、除名を撤回し十和田にわびるか、収まらなければ夷手原(久保晶)に仲裁を頼むしかないと流翠に迫るのだった。
 だが、保奈美との一件は葵(青田典子)の耳にも入っており、流翠は益々苦境に立たされるのだった。
 そんな中、一咲(小西真奈美)は保奈美の家を訪れ、この騒動のことで流翠が辛い立場に置かれていることを打ち明けていた。そして、「お兄ちゃんを今助けてあげられるのは葵さんだけなの!」言い、保奈美に身を引くよう暗に促していた。
 「流派のため好きでもない人と結婚した方がいいって事?」。保奈美は一瞬迷い、一咲に詰め寄った。だが、それが流翠を救うことになるならと思い直すと、流翠のもとへ向かった。そして、「家元はもっと力を持ってると思った・・・私、いざモノにすると実は飽きっぽいんだ・・・」などさんざん悪態をつき、心にもない別離宣言をするのだった。
 これですべてが丸くおさまると誰もが思った。しかし、流翠は保奈美のことを諦めてはいなかったのだ。そして、その一方では、一咲が少し前から「もしかしたら?」と思っていた疑惑の真相をつかんでしまっていた、それは・・・もちろん保奈美に対するある疑惑で・・・

<第8回> 「愛を砕く衝撃の告白!隠してたけど私は・・・」
 流翠(椎名桔平)が、葵(青田典子)との婚約破棄を決めた。その場にいた葵をはじめ紫乃(市毛良枝)らは愕然とし言葉を失うが、保奈美(米倉涼子)の整形の事を流翠に伝えようと、その場に駆け込んできた一咲(小西真奈美)も、流翠の真剣なまなざしに圧倒され口をつぐんでしまったのだった。一方、早乙女家では、“保奈美、婚約”との報を聞いた純一(小倉久寛)、ルリ子(柴田理恵)が歓喜に沸いていた。だが、肝心の保奈美の表情は冴えない・・・保奈美は、「私、流翠さんを騙してるし、昔は盗られても盗ったことなんて一度もなかったのに・・・」と良平(加藤晴彦)にだけは悩める胸の内を明かすのだった。
 藤島家では、婚約破棄に対する波紋が広がりつつあった。愛のない結婚ならばしない方がいいと思っていた流翠は、葵からあらためて「ずっと愛していた」とつげられ困惑。紫乃もここで騒ぎを収めたいと、保奈美に手切れ金を払うという行動に打って出たのだ。
 そんな中、流翠は保奈美に会いにやってきた。それは変わらない自分の気持ちを伝えるため、そして多くの敵を作っても君を守って行く決心をしたと伝えるため。そして保奈美も、実はこの時自分の整形のことを告白するつもりだったのだが・・・とそこに、純一とルリ子が通りかかり、保奈美は「エイッ!」とばかりに決意すると、流翠に両親と成美(虻川美穂子)を紹介。その後、早乙女家に招かれた流翠は、流れのままに早乙女家で一夜を明かすことになるのだった。この時、暖かい家庭の良さに触れた流翠は、そんな家庭を保奈美と作りたいと強く思い、幹部との対立をも覚悟、孤立無援になっても保奈美との結婚を貫く決意をした。その様子に益々気を揉む紫乃、しかし“保奈美は整形”という切り札を持つ一咲は、そんな紫乃に「二人の関係はすぐに壊れるから」と笑みを浮かべてみせるのだった。
 その頃、保奈美は良平から、ずっと好きだったという思いを打ち明けられていた。いつも近くにいた幼馴染みからの意外な告白・・・。でも、良平へのそれとは違う“好き”という思いを流翠に抱いているという保奈美は、「だから流翠さんには、何もかも受け入れてもらいたい、本当の私を愛してもらいたい」と言うと、流翠の元へと向かっていた。

<第9回> 「涙と感動のビューティーコロシアム・・・別れ」
 「あたし、全身整形してるのっ。今まで隠しててごめんなさい」。
 とうとう保奈美(米倉涼子)は、流翠(椎名桔平)に秘密を打ち明けた。だがあまりの事にことばを失った流翠は、こうなったいきさつを続けて話そうとする保奈美を制するとその場を後にした。気を静め、直後の幹部会へのぞまなければならなかったのだ。だが、葵(青田典子)との婚約を破棄し、保奈美との結婚を宣言、自分なりの藤島家をつくっていくとも宣言するはずだったその会合も、直前の保奈美の告白により、何事もなくそのまま散会ということになってしまった。その直後だった・・・母・紫乃(市毛良枝)が倒れたとの知らせが流翠の元に届いた。
 その頃早乙女家では・・・「だめならだめでいいじゃないか」「今からうっそーとかいってごまかせないの?」などと保奈美の行動に対し、純一(小倉久寛)、ルリ子(柴田理恵)らが論議を戦わせていた。それでも「後悔はしてない!」ときっぱり言う保奈美。そんな保奈美に何かいいたげな表情で見つめる良平(加藤晴彦)。
 その後、良平の元を一咲(小西真奈美)が、そして流翠が相次いで訪ねてきた。一咲は、保奈美の整形を知っていたのになぜ教えなかったと流翠に責められ、話しの展開から、「それは兄ではあるが血のつながってはいない流翠を好きだったから!」と告白、家を飛び出してきてしまったと打ち明けた。一方流翠は、はっきりとそこへ来た理由を言わなかったが、保奈美の様子を知りたくて来たらしいのだと察した良平は、保奈美と成美と自分が写った写真を取り出すと、「これが本当の保奈美です。この顔だと愛せませんか?・・・じっくりお考え下さい」と責めるようにいい放った。一番身近なところにいてずっと保奈美を好きだという思いを秘めて。
 その後、保奈美はもう一度流翠に会いに行き「・・・私を受け入れられないならそれでもいい、でも軽蔑するなら私の全部を知った上で拒絶して」と言った。そして「華道家として立場もある・・・造花は愛せない」と返す流翠に対し、造花なら造花の生き方と覚悟があったことを見せる決意をしたのだ。・・・・・・一週間後、早乙女家の居間に、流翠の部屋に、一咲が母を見舞って訪れて居た病院のロビーに、衝撃の映像が流れた。それは人気のバラエティ番組『ビューティーコロシアム』に登場している保奈美の姿だった。


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