あらすじ
<第4回> <第5回> <第6回>

<第4回> 「悲しいブスだけ、わかること」
 「君の事は好きじゃない!」。流翠(椎名桔平)にそうきっぱり言われたものの、保奈美(米倉涼子)は、さほどめげる様子を見せない。だが、そんな保奈美を家族はすっかり見限ってしまったのかのように、保奈美一人を残しさっさと温泉旅行に出掛けてしまった。一人取り残された保奈美は、エリ(菊池麻衣子)を呼んでドンチャン騒ぎをやってみたりするが、そこで思わず矢島(谷原章介)とした会話を持ち出したりしてエリを怒らせしまい、またも一人ぼっちに。ならば!と次に思い立ったのは、歯磨き粉を車に塗り付けたり、恨みごとを書き連ねたFAXを送りつけたりという自分を振った流翠への嫌がらせ。良平(加藤晴彦)は、その様子をあきれて見ている。そんなことを続けていたある日のこと、保奈美はカレンダーのハナまるを目に止め、明日が自分の誕生日であることに気付いた。と、そこに旅先からの純一(小倉久寛)の電話が掛かってきた。だがグッドタイミング!と思ったその電話の内容はというと、「明日のゴミ出しよろしく」というもの。すっかり頭に来た保奈美は、思わず流翠の携帯番号をダイヤルし、「未練があるから電話したんじゃないのよ・・・女の恨みは恐ろしいんだから・・・」などと言いたいことを一気にまくしたてていた。それを流翠はただ黙って聞き、時々保奈美の言い分に笑ったりした。そして、ふと尋ねていた、「なぜ俺なの?」と。「だって何も持ってないでしょ、友達も自由も時間も、誰かを本気で好きになったことも・・・」。この時の保奈美の答えは流翠の、ある心の琴線に振れてしまったようだった。
 そんなことがあった翌日。流翠は街中でウインドウを覗き込み何かを一心に見つめている保奈美を発見した。視線の先にはシンバルを叩き続けるおもちゃの猿。その寂しそうな表情が流翠は気に掛かったのだが、その夜、またしても藤島会館に矢島と一緒に現れた泥酔した保奈美を見た流翠は、怒りと失望とで今度は本気で保奈美を怒鳴りちらしていた。だが保奈美も負けてはいない。「私が泣いてる時には何もしてくれない!」と言い放つと、そのまま矢島の部屋へと直行したのだ。だが、そこに偶然エリがやってきて・・・。
 その頃、良平は一咲(小西真奈美)に呼ばれて藤島家を訪れ、一咲の部屋に二人きりでいた。

<第5回> 「最高に元気が出るプレゼント」
 その朝の早乙女家は、荒れた保奈美(米倉涼子)がプロレスの真似事をしている物音で騒然としていた。純一(小倉久寛)もとばっちりを受けて腰を擦りながら食卓につく。そこでガツガツとごはんをかき込み、保奈美は、生け花を習うこともやめ、きれいさっぱり流翠(椎名桔平)のことをふっきる宣言をするのだった。
 わざわざ流翠の元に出向いて、二度ともうあなたの前には現れないとも伝えてきた。そんな保奈美に、良平(加藤晴彦)が同窓会の話を持ってきた。どうせ行くはずないと良平は思っていたのだが・・・なんと保奈美は「このタイミングは神が与えたチャンス!」と、憧れの人との再会を胸に同窓会に出席するのだった。
 だが、同級生たちは誰一人として保奈美を保奈美とは認めてはくれない。それどころか、みんなを驚かすためのドッキリと思いこんでしまい「なんでブスってウケ狙うかなぁ」「しかしアイツ変わんねぇなぁ」とさんざんな言いっぷり。また、そこに偶然成美(虻川美穂子)が現れたものだから・・・結局、保奈美は、それをドッキリだったとしか言えなくなるのだった。
 だがそこで保奈美は思いもよらなかった同級生たちの思い出話を耳にした。それは・・・保奈美をこんな風にからかっていた時、良平だけはなぜか、メチャクチャ怒ってた・・・というもの。「お前ってブス専だったの?」と追い討ちをかけられ慌てて弁解する良平を思わず見つめる保奈美・・・。
 それから何日かたったある日こと、保奈美を訪ねて一咲(小西真奈美)がわざわざ早乙女家にやってきた。続けざま応対に出てくる家族を「親戚だ・・・叔父なの」と必死に言い繕いながら、一咲を迎える保奈美。
 そんな保奈美に一咲は、葵(青田典子)を招いての家族の食事会に出席して欲しいと切り出す。二度と流翠の前には現れない!と決別宣言した以上、それはできないといったんは断ったものの・・・結局保奈美は、一咲の頼みを受入れ、食事会に向かった。
 だが、保奈美の姿を見た流翠は、咄嗟に「この場は君に相応しくない」と言い放ったのだ。一瞬ひるむ保奈美、しかし「私は一咲ちゃんのために来てるの」と返すと、葵らとの食事会にのぞむのだった。

<第6回> 「この恋は身動きできない程の」
 「私、お見合いすることに決めたの!」。きっぱりさっぱり流翠(椎名桔平)を忘れる決心をした保奈美(米倉涼子)があらためて家族に宣言したのは、前向きな諦め方法だというお見合い。さっそく積み上げられた写真の中から金持ちのいい男選びを開始する。
 だが、諦めたとは言えそこは保奈美のこと、一咲(小西真奈美)に「お見合いするから・・・結婚するから・・・ああ、内緒にしてねお兄さんには・・・」と、見え見えの流翠の耳に入れて欲しい攻撃を展開。一咲もそれと察し流翠の耳に入れてくれたが、どうしてももう一度会いたい思いにかられた保奈美は、流翠の元へ再び現れてしまう。流翠もそれと知って、二人が初めて出会った花屋に、明日7時・・・と最後のデートの約束をするのだった。
 有頂天になった保奈美は「まだ脈ありかも!?」とニヤけて下着選びに夢中になるなど、良平(加藤晴彦)らをとことん呆れさせた。
 だが、翌日のデートの場所に、結局流翠は現れなかった。ひたすら信じて一晩待った保奈美。結局、別の意味で朝帰りしてしまった事情も知らず、純一(小倉久寛)は怒りに震えて迎えたのだが、ルリ子(柴田理恵)は何かあったことを察して、そっとしといてやろうと言うのだった。
 その頃流翠は、アトリエにいて夜を徹して生けた花の前で、安堵のため息をもらしていた。本日開催の生け花出品に出すため作品を、途中で放棄した十和田(陰山泰)に代わって生けあげなければならなかったのだ。やむを得なかったとはいえ、約束を破ってしまったことで流翠の心は痛んだ。さらに、保奈美が朝まで待っていたのに、実は行かなかったのと精一杯強がりの嘘をついたことも流翠の心を痛めた。そこで、今度は流翠が保奈美の元へ押しかけ、強引にデートへ連れ出したのだった。
 そして今度は、保奈美の番。思いがけず楽しいひとときを過ごさせてくれたお礼に楽しいとこに連れてってあげると、流翠をある場所へと連れて行くという。流翠は無邪気に笑う保奈美の後に従うことにした。


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