十三の冥府
ルポライターの浅見光彦(中村俊介)は、大和朝廷とは別に荒覇吐(アラハバキ)王国が存在したという「都賀留三郡史」について調べるため、青森に向かった。取材の前に、女性のお遍路さんの死体が見つかった新郷村の大石神ピラミッドに立ち寄ると、女子大生の神尾容子(西原亜希)と出会う。
浅見は「都賀留三郡史」が発見された八荒神社を訪ねる。宮司の湊博之(森次晃嗣)や禰宜の池田睦子(久世星佳)によると、去年の改修工事を請け負った大工の棟梁の谷内洋蔵(井上捷一)が蔵の天井裏から「都賀留三郡史」全六百巻を発見したという。浅見が谷内工務店を訪ねると、谷内の息子の洋昭(横山敬)が対応し、父親の洋蔵は去年のねぶた祭の日に不審な死を遂げたという。洋蔵は青森中央大学の本間教授(西田健)からしつこく取材を受けていたという話だ。
浅見は青森中央大学の本間教授を訪ねる。「都賀留三郡史」偽書説を唱える本間教授は浅見に「第三の邪馬台国だの荒覇吐王国だのは虚妄の産物」と否定。本間は浅見に明日、研究論文を発表するので来るように言う。だが翌日、本間教授は別荘で急性心不全で急死する。浅見は本間教授の急死について疑問を抱く。さらに、八荒神社を訪れた亡くなったお遍路さんとは別の女性のお遍路さんの存在を知った浅見は、その女性に会いに北津軽の十三湊に向かう。