無名選手から東京五輪のエースへ~日本の新星!バレーボール・西田有志
9月16日『S-PARK』
昨年まで無名の高校生が、一気に日本代表選手に
9月16日放送の『S-PARK』は、18歳にしてバレーボール日本男子代表入りを果たし、スパイカーとしてその得点能力を発揮している、西田有志(にしだ・ゆうじ)選手に密着。昨年まで無名の高校生だった西田選手、突如として現れた新星の凄さの秘密に迫りました。
世界トップレベルの得点力の秘密
世界の強豪が集まる2018バレーボール世界選手権。1勝1敗で迎えた日本の1次リーグ第3戦のスロベニア戦。第1セットを奪われ、苦しむチームを勢いづけたのは、18歳の西田有志選手でした。豪快なスパイクで得点を重ね、チームをけん引。勝利につなげることはできなかったものの、昨年まで無名の高校生だった若者が、その存在感を世界に示しました。
本人が「3年生になっても(一度も)全国に出られていないのは苦しかった」と語る通り、西田選手には春高バレーの出場経験がありません。しかし、今年1月、史上最年少の17歳341日でVリーグデビューを飾ると、2戦目で早くもスタメンに抜擢され、チーム最多の26得点を記録。その名は一気に全国に知れ渡り、4月には日本代表へと駆け上がりました。
身長186センチと、バレーボール選手の中では決して大きくない西田選手が世界トップレベルの得点力を持つ秘密、それは両手でダンクシュートができるほどのジャンプ力(最高到達点346センチ)。国際大会デビューとなった今年5月のネーションズリーグでは、そのジャンプ力とともに、ブロッカーを置き去りにする“速さ”で世界を驚かせました。西田選手がスパイクを打つ瞬間、相手はまだブロックを作り切れていないのです。その差、なんと0.2秒。この“速さ”を武器に得点ランキング世界4位の成績を残したのです。
西田選手は「今までやってきたスイングの速さだとか、ジャンプ力を上げるためのテイクバックの速さを追求してきたから、今スパイクが決まっている」と語ります。では、この「0.2秒」はどこから生まれるのでしょうか? 2006年から分析を担当している、バレーボール男子日本代表動作分析班の増村雅尚さんによると「コンパクトにジャンプ、スイングできることが西田選手の特徴」だと指摘。
「(西田選手は)肘をたたんで、コンパクトに上向きの力を得るジャンプをしている」と語る増村さん。同じサウスポーでパワーアタッカーの清水邦広選手と腕の動きを比較してみると、清水選手が「腕を大きく振り、反動をいかして」ジャンプするのに対し、西田選手は「腕をコンパクトに振り、最短距離で」ジャンプ&スイング。このコンパクトさが跳び上がる“速さ”を生み、ブロッカーを置き去りにする要因となっているのです。
一般的にブロッカーはスパイカーのジャンプに合わせてタイミングをはかります。しかし、西田選手のスパイクは「『ブロックした』と思ったら、ボールが抜けている。ブロッカーは、そういう感覚だと思います」(増村さん)。類まれなる“速さ”を誇る西田選手。そんな18歳が目指すのは、もちろん2年後に迫っている東京オリンピック。「20歳で五輪でメダルを取ったら、どうなるかわからないですね。でも、取りたいですね」と、目を光らせていました。
番組情報
『S-PARK』
<放送>
毎週土曜 24時35分~25時15分
毎週日曜 23時15分~24時30分
<キャスター>
宮司愛海(フジテレビアナウンサー)
中村光宏(フジテレビアナウンサー)
鈴木唯(フジテレビアナウンサー)
黒瀬翔生(フジテレビアナウンサー)