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FACTORY721 CS0018 :
スガシカオ インタビュー - FUNK

FUNK | MIXCOMPOSITIONLOVE SONGMUSICIAN


FUNK (ファンク)

スガシカオ 多分ね,僕のはファンクじゃないですね.歌謡ファンクじゃないけど,ポップス半分,ファンク半分とか何とか,そんな感じだと思います.多分ファンクって云うのはね,同じグルーブで15分とか20分とか,で,ともかくトランスしまくる.それはもう普通の状態じゃダメだからアメリカとかでは,もちろん,いけない薬とかいろいろ出回るわけですけども.そういう音の洪水の中で,とにかく同じ音をやりつづけてトランスする.いわゆる,今のテクノに通じるものがやっぱり「ファンク」なんですね.だからそれをそのままやろうとは思ってなくて,それを活かしてポップフィールドでなんかやろうかなというのが僕のやり方だと思ってるんで.
よくね,「ファンクだと思ってたんだけど,全然,ファンクじゃないですよね」ってくだらない事言うやつがいるんですよ.当たり前だっつーんですよ,そんなのね.本物やろうと思ったらそれは簡単なんだけどさ,それをポップフィールドにどこまで溶かし込めるかが,それが一番難しい所だと思うんですよね.それがしかもアメリカとかのポップスじゃなくて,日本のポップスにどこまで自分の好きなファンクとかソウルが溶かし込めるかって言うのが一番,見どころのはずなんですよね.それをなんかね,「全然ファンクじゃないですよね」っていう奴がいて.「ファンクってこういうものでしょ」って.そんなの分かってるっつーの.
その本物をやるんだったら,僕はやらないほうがいいんですよ.本物がやればいいんですよ.それはね,僕がいくら真似したって,彼らにはかなわない.それは陸上競技でもサッカーでもそうですけど,身体能力とかリズム感とか圧倒的に違いますから.その15分をやり続けて,どっちがパワーがあって,どっちが格好いいかって言ったら,本物の,その向こうのゴスペル育ちの黒人が「バコーン」ってやったほうが絶対に格好いいに決まってるでしょ.それはもう僕らが真似したってしょうがないことだから,自分が出来るのは何かってことで.メジャーシーンとのバランスっていうより,むしろ自分のフィールドっていう考え方が強いですね.
なんていうのかな,16ビートやってても“バカっ跳ね”しなかったりするんですよ.だいたい日本人の16ビートって跳ねるんですけど,本物の16ビートって跳ねないんですよね,あんまり.で,アース・アンド・ウィンドのアル・マッケイとかもそうなんですけど,16ビートのスゴイ速い曲が全然跳ねてないんですよ,レコードとか聴くと.ところが,カセットテープに落として,それをスゴイ遅くして,テンポ1/2ぐらいにして聴くと跳ねてるんですよ.そういう目に見えてこない跳ねだけを残して,表面上は跳ねないやり方っていうのが身に付いてて,それがすごい90年代っぽかったりするんですよね.だから,それをもう既にスライとか,プリンスとかもそうですけど,最初の頃から当たり前のようにガンガンやってたってことで.格好いいな.
叩いてる意識の問題だったり,唄ってる意識の問題だけなんだろうけど,頭の中に,こう唄うときに足をこうやたり,手をこうやったりするじゃないですか.これが“跳ねてる”か“跳ねてない”かにつながると思うんですよね.頭の中に鳴ってる16ビートが“跳ねる”か“跳ねない”か.どこまで“跳ね”てて,どこまで“跳ねない”か.それはもう個人で全部違うんですけど,それがその曲の一番格好いいところでぴたりと止まる,止められるんですよね,皆,やっぱりスゴイ人って.
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