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エコアナ藤村さおりリポート フジテレビ社内勉強会で“ニッポンの食の未来”を考える!!
エコアナリポート!!

エコアナ藤村さおりリポート フジテレビ社内勉強会で“ニッポンの食の未来”を考える!!

[2009年1月1日更新分]



2008年を振り返ってみると、毒入り餃子事件に始まり、食品偽装問題、事故米など「食の安全」が大きく揺らぎ、店頭で何処産のものを買えば安全なのか!?と不安が広がる一方の一年でした。ならば今回の社内勉強会は、現場と現状を知っている人に直接話を聞いてみようということで、「食」について、農林水産省 大臣官房 食料安全保障課長 末松広行さんにご講演いただきました。

■何とかしなければ!日本の食料自給率
まずは食料自給率について。
日本の食料自給率(カロリーベース)は昭和40年には73%あったものが、今では39%にまで下がっています。
要は約60%は海外からの輸入に頼っているということ。

平成27年度には45%に引き上げることを目指しているそうですが、主要先進国の食料自給率と比較してみると、イギリスの237%を筆頭に(これは群を抜いています)、アメリカの128%、イタリアの62%と続き、日本の39%は最低水準なのです。



実は“農業国”のイメージがあるフランスでも(現在は122%と高水準)、日本と同様、過去には数値がぐんと落ち込んだこともあったそうです。では、フランスはどうやって挽回したのでしょうか?政策の草案時に「何をやろうか?」「じゃあ農業をやろうよ!」という結論が出されたといいます。そうなんですよね、その国の行政が目線を変えることが必要だと思うのですが、今の日本は、一人¥12,000の定額給付金として還元するとか、しないとか・・・・・。

フランスの検討時とはご時世が違うとはいえ、2兆円の使い道が違う気がすると末松氏に訴えてみると、末松氏も「是非、農業に費やして欲しいんだ」と熱弁していらっしゃいました。


食に関する問題は、何も日本に限った話ではありません。
世界的に見ても、食物由来のバイオエタノールの“OILとしての価値”と“食物としての価値”の問題、先進国における飽食&途上国における飢餓の問題など、様々。

末松氏の理想としては、バイオエタノール問題は、原材料となる作物をうんと多めに作って、その中からバイオ燃料分にするものを捻出すればよいと考えているし、途上国への食料援助でも、これまでに比べ日本の米の価格がこの数年で4割近く下がってきているから、援助できる方向になるかもしれない、とお話下さいました。

■なぜ起こった?食の事件の数々

講演の後半は、ここ最近に起きた、食に関する事件や事故について質疑応答の時間となりました。事故米についての致命的反省点として、末松氏は
  • 糊になった後まで見守っていなかった点
  • よくマスコミでも言われていた、96回も検査したのに、何故わからなかったのかという点
を挙げました。

農水省の中ではBSEの経験が全く活かされていないと言われていたそうで、今後は、米の仕入れからの流れの透明度を高くし、より確固たるものにしなければならないとおっしゃっていました。国民は提供されたものを買うしかないのですから、本当に、頼みますヨ~。

そして食品偽装について。「食品表示法違反」容疑では甘いという会場からの意見に、「そもそも昔は、食品に表示自体がなかったわけで、時代の流れから鑑みると罪状が変わって、更なる重い罪になっていくことは考えられるのでは」とコメントしていました。罪や刑が重くなったからといって根絶してくれればよいのですが。

■日本の農業の素晴らしさを見直そう

心配や不安がとかく先にたちがちな今日、末松氏は期待を込めて日本の農業の素晴らしい点をいくつか挙げてくれました。

  • 2000年間同じ物を作り続けても、連作障害が起きていない
  • 農地の世界的見地からいえば、例えばイギリスは日本の4倍の面積があるのに対して、日本は同じ面積で出来るカロリーベースの農作物は、イギリスの3.5倍のパフォーマンスを持っているなど、非常にしっかりとした農業だといえる
  • 日本の小麦(農村10号)は外国産に比べ、穂が短く風雨に強かったため高評価され、GHQが「優秀な小麦」としてアメリカに持っていき、世界に普及した
  • 昭和55年(1980年)には世界で日本食が凄く褒められ、注目された(その頃の食卓には、焼き魚や煮魚、御煮しめ、青菜のおひたし、お味噌汁、漬物などが上がっていたのでしょうか)。今では日本食はスローフードの代名詞となり、アメリカでも有名歌手などがこぞって傾倒している
など。


米粉をパンに使うと、それだけで米の消費量が0.1%UPするなど、農水省としては目下、食料自給率の向上と食物が安定供給できる体制作りをしているそうです。 日本の食=安心、安全といえる時代が来ることを切に望んで。

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