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エコアナ・梅津弥英子リポート『環境問題におけるメデイアの役割って?』
エコアナリポート!!

エコアナ・梅津弥英子リポート『環境問題におけるメデイアの役割って?』

[2008年3月14日更新分]


国連環境計画金融イニシアチブ特別顧問 末吉竹二郎さん

■もう元には戻れない
これまでの環境問題社内勉強会でも、地球温暖化の現状に関しては、様々なお話を聞いてきました。3回目に講師としてお迎えしたのは、国連環境計画・金融イニシアチブ特別顧問・末吉竹二郎さんです。

現在、右肩上がりで増え続けている二酸化炭素。その年間の排出量(71億トン)は、吸収量(31億トン)の2倍強であること(注:炭素換算で)。それに伴い、世界の平均気温も、100年前と比べて0.74度上昇していて、このままいくと、最高6.4度上昇すると言われていること(平均気温6.4度の違いとは、札幌が名古屋に、東京が那覇に!)。

そして…"すでに温暖化の被害は、起きている"ということ。
去年の9月の下旬。北極海の氷の面積が最小になった、との発表がなされました。2020年にも消滅する?!という猛烈なスピードに、世界の科学者が愕然としたそうです。"北極は、すでに復元不可能なところまできている"のです。

もし、北極の話は遠すぎてリアルに想像出来ないとしたら、これはどうでしょう?
九州のコシヒカリの産地では、高温被害によって、米全体の作況指数が10%減り、一等米に限っては28%しか出来なくなってしまったそうです。

ただでさえも、中国製品への不信感から、日本の食糧自給率の低さ(4割を切る!)に危機感が募る一方の昨今。私達が気付くに十分の変化(悪化)が、もう現実として起きているのです。


■日本の遅れ
日本国内では、京都議定書によって決められたマイナス6%という数字が脚光を浴びている印象があります。が、すでにEUやアメリカでは、京都議定書の約束期間(~2012年)以降の話、つまりポスト京都に話題の中心は移っています。

EUでは、国が2020年までの大幅な二酸化炭素の削減目標を掲げ、企業に対し、出していい二酸化炭素の量を定める、規制を取り入れています。すでに企業間で、排出枠の売買も行われており、何兆円ものお金が動いているとか。アメリカも変わっています!連邦政府に先んじて、カリフォルニアなどの州が、自ら変わることを宣言。また、次期大統領候補のオバマ・ヒラリー両氏は、いずれも、削減法案に賛同し、連邦政府も変ろうとしています。

注目すべきはEUやアメリカの企業です。二酸化炭素の排出量などの規制を歓迎し、積極的に消費者へアピールしている。なぜなら、そこに環境ビジネスという新しいマーケットが出来て、技術革新(イノベーション)が起こることを期待しているからなのです。(GEのGreenisGreen./環境はドル紙幣=お金になるという言葉は有名。)

京都議定書の議論から先が見えない日本政府に、国際競争力や企業の自主性が弱まると、規制を拒否する日本の経団連…。日本が、このままで良いはずはありません。

■メディアの役割
では、投資や金融・ビジネスの流れが変わりつつある今、企業は、フジテレビは、どうあるべきなのでしょうか?

まず一企業として必要なことは、
(1) 世界レベルの危機感を共有し
(2) 本業で何が出来るかを真摯に考え(Greenwashing/見かけだけの環境意識は、
世間の批判を浴びる!)
(3) 誰よりも一歩先へ
(4) 有言実行
(5) 何よりも、原点は一社会人として、地球上の家族の一員として考えること


末吉さんは、"早く川を渡れ"と、常々仰っています。進むべき道は決まっているのだから、早く歩き出した方がいいに決まっていると。その上で、メディアであるフジテレビには、果たすべき責任があると言います。市民を変える力がメディアにはあり、市民が変わることで、ビジネスの在り方を変えることも出来る。だからこそ・・・

テレビは「面白い」だけでいいのか?
"日本から見る日本"だけでなく、"世界が日本をどう見ているか"を今まで以上に伝えなくていいのか?(洞爺湖サミットに対し、海外からの視線は…など。)

一企業として、利益を確保することは当然ですが、次の時代を見据えて、今すべきことは何なのか?末吉さんに、これからのメディアのあり方についてもっともっと話を聞きたい、そう思ったのは、私だけでしょうか?

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