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エコアナ梅津弥英子は見た!「環境問題に関するセッションのモデレーターに挑戦!」
エコアナリポート!!

エコアナ梅津弥英子は見た!「環境問題に関するセッションのモデレーターに挑戦!」

[2008年1月1日更新分]


2007年12月、電通本社で行われたワークショップで、「ビジネスがエコを推進する」というテーマで、地球温暖化と生物多様性についてのセッションが行われました。

国連環境計画・金融イニシアチブ特別顧問の末吉竹二郎(すえよしたけじろう)さんと、株式会社ユニバーサルデザイン総合研究所・所長の赤池学(あかいけまなぶ)さんがパネリストとして参加。私はエコアナとして、恐れ多くもモデレーターなる任務を仰せつかりました。子どもを持ち、“今の自分の行動を後から悔やみたくない!”と思っている私。大役ですが、勉強させて頂く気持ちで、参加してきました!

■温暖化がビジネス・ルールを変える
今、世界各国が“CO2排出量をどこまで減らすか”ということについて、数値目標を掲げているかを、皆さんはご存知でしょうか?末吉竹二郎さんのお話によると、現在、EUなどの各国の間では、削減目標の競争が起こっていて、中には2050年までに-80%という数字を掲げている国もあるそうです。逆に言うと、現実はそこまで迫っているのです。日本も、もっとハッキリとした目標を持たないと世界の流れから取り残されるのは必至です。

(不安だなぁ…)環境問題を考える時、どうしてもそう感じてしまう私がいます。では、こんな時代を、個人は、企業は、どう乗り越えたらいいのでしょうか?末吉さんはその答えを、「早く川を渡ることです」と、表現しました。

迫り来る危機的な状況。でもそんな時代だからこそ、ビジネスチャンスがある。大事なのは、他の企業より先んじて行動すること。いずれやって来る環境対応時代は“先手必勝”なんだと。

金融の世界で新しい投資の機会が生まれたり、消費者の間でもカーボン・オフセット(その商品を買うことで、CO2削減に貢献できる物)が広まりつつあったり、企業に対する社会からの要求は変わってきています。企業の評価にCO2削減の実績が盛り込まれるのも、時間の問題。

「川を渡った人にしか見えないものがある。やるしかないと分かれば、あとはやるだけ。前向きに捉えられると思いますよ。」
末吉さんの笑顔に、不安な気持ちが軽くなりました。


■人間が試されている、生物多様性の危機
地球温暖化と同様、最近注目されつつあるのが、“生物多様性”です。
(詳しくは、「エコアナは見た!」藤村さおりアナのリポートで!)

私が初めてこの言葉を知った時に思い浮かんだのは、“マグロが食べられなくなること”“息子が虫やメダカで遊べなくなること”。それくらいの問題意識でした。 でも、少しずつ現実を知ると…食品だけでなく、医薬品や燃料などに至るまで、私達の生活は、様々な生物の力を借りて成り立っているのです。つまり、地球上に生きる人間の日常に直接関係してくる“深刻な問題”だと感じるようになりました。

赤池学さんは、マグロが食べられなくなるかも?という私の言葉を例に、「単に、“無くなりそうだから獲るのを止める”という方法だけでは解決しません。むしろ、その生物がどんな環境で生殖し、数を増やしているのかを解明していくことが大切なんです。人間が解明できていることは、まだほんの一部なんですよ。」と、話して下さいました。

人間は、生態系の頂点であぐらをかいている状態ですが、自然界のしくみをひも解いてみれば、実はとても弱い存在なのだと思います。その事に、本当の意味で、まだ気が付いていない。人間は、“今、試されている”のではないでしょうか?

そんな中、生物多様性の問題では、希望が持てるお話も伺いました。赤池さんによると、多様で豊かな生態系を持つ日本には、持続可能な製品を作るための生物素材も、最先端の技術も揃っている!すでに、100年先の持続可能な社会を目指した製品開発がどんどん進められているんだそうです。

■今出来ること、それは「気付くこと」と「伝えること」
環境問題について考えると、不安な気持ちばかりが先行していた私ですが、お2人の話を聞いて、次の1歩が見えてきた気がします。環境が激変する時代に対応していくために大切なのは、“気付く事”。決して楽観視できる状況ではありませんが、もう行動を起こさなくては…サラリーマンであっても、主婦であっても!!

そして、危機的状況にある地球の今について、多くの人に伝えることが、テレビ局というメディア企業の社会的責任であるということも、痛感しました。

「絶滅の危機に瀕しているホッキョクグマの事を、どれ位の人が切実に感じているでしょう?自分から遠い話に、人は問題意識を持たない。だからもっと見せて伝えるべきなのではないですか?」
末吉竹二郎さんの言葉に、返す言葉が見付かりませんでした。

最後に、末吉さんから伺った19世紀アメリカの先住民の言葉を、ここに書きとめます。

『最後の木が死に、最後の川が毒され、最後の魚を採ったとき、
人は、お金は食べられないと気付くのだ』

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