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フジテレビ『環境問題社内勉強会』エコアナ藤村さおりが、リポートします。
エコアナリポート!!

フジテレビ『環境問題社内勉強会』エコアナ藤村さおりが、リポートします。

[2008年1月1日更新分]


■「生物多様性」って何?
何度なぞっても硬い印象の言葉ですが、ごく簡素化すると「世の中には地域固有の自然があり、それに適した形で多種多様な動植物が存在していて、そのそれぞれが繋がっている」という意味のワードです。

「で、それがどうしたの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実はそれが私たち人間を含む動植物にとって、とってもとっても重要なことだという事実、今私たちの置かれている状況自体が非常に大いなることだと思い知らせてくれる事柄なんだと改めて実感させられた講演を今回はリポートします。

フジテレビでは、環境問題を知り、考え、実行に移すための「環境問題社内勉強会」を定期的に実施しています。

今回は、環境省 生物多様性地球戦略企画室長 亀澤玲治さんによる「生物多様性~いのちと暮らしを支えるもの~」というご講演。

どーでもよい話ですが、亀澤さんの部署名、かなり物々しいネーミングだと思いません?(笑)講演会の資料片手に大学時代の仲間に会ったら、表紙に書いてあった部署名を見て、あまりの漢字の羅列ぶりに「さおり、中国語勉強してるの?」とか「戦隊もの?」と真顔で聞かれてしまいました(笑)。

冗談はさておき、今回の講演は非常に多岐に渡る内容を実にわかりやすくお話しいただいたので、私もできるだけ多くの情報を小難しくならないような言葉でお伝えしようと思います。


■生物の大量絶滅時代到来。一年に4万種が!
まず、私たちが生活しているこのAC2007年=今という時期について。
これまで、生命が誕生してから今に至るまで、約38億年の間に生物の絶滅が5回発生してきました。そして今、今度は6度目の大量絶滅時代を迎えようとしているというのです。

注目すべきは、その「スピード」と「要因」。
これまでの大絶滅と比べそのスピードはケタ違いで、恐竜時代は1000年に一種の絶滅だったのに比べ、今期は一年に4万種の速さ!これでは生き残りをかけ動植物が変化を遂げる余裕すら与えることができません。しかもこれまでの5回と違い、今回の絶滅の要因の95%は人間の活動によるものだという・・・・・・!

この様な報告を聞くと悲しさのあまり、胸がキューンと締め付けられます。
こうした中、身近なところで知っておきたい「日本における生物多様性の危機」とは。

  • 人間の活動や開発がもたらす生態系の破壊、種の減少・全滅=人為的生態系の破壊
  • 人の手によって管理・維持されてきた自然環境が、人間が手を加えず放置したことによって壊滅的な状況に陥っていく=里地里山の崩壊
  • 外来種などを人間が外部から持ち込むことによる生態系のかく乱=外来種問題

の、大きく分類して3つ。

しかも日本に生息する野生動植物の1/4がこれらによって既に絶滅危惧種になっているというのです!正にもう待ったなしの状態。これには胸苦しささえ覚えました。


■気が付いたら時は、手遅れ!それが絶滅の恐ろしさ
ここでそもそも論に立ち返って、
Q.何故絶滅が問題なのか?を考えてみます。
A.全体像がわからないままにその一部を担っている一つの種を絶滅させる=全体のバランスを崩すことになる=知らぬ間に人間の生存基盤さえも崩れ行く可能性があるため

現に地球上の数ヶ所で起きている何らかの動物の大量発生などは、どこかでバランスが崩れた結果としての大発生だったと考えてよいという。

とは言うものの、生物多様性はまだまだ未解明な部分が多く、バランスが崩れ影響が現れるまでにはかなりの時間がかかるというのです。この点が極めて恐ろしい問題だと私は思いました。まるで身体に巣くったガンの様。気がついた時には遅い、ということです。

ですから先に出てきたような既に起こっている大発生は、かなり昔に起こった異変から派生して、やっと今になって結果が出たと言っていいわけですよね。おぉ、恐ろしい・・・・・。


■私たちの日常生活で出来ること
生物多様性問題は地球温暖化の気候変動枠組み条約と同じ1992年の国連環境開発会議で生まれた双子の問題で、温暖化問題とは切っても切れない相関関係でもあります。

しかし、温暖化問題の方だけ世の中でクローズアップされがちで、双子の片割れはなかなか取り上げられない現状がそこにはあるといいます。今回、勉強会のテーマを聞いた時に私がすぐにそれとピンと来なかったのも悲しいかな、その象徴的出来事といえそうです。

しかし、環境問題は全てにリンクしているということを知れば知るほど感じる毎日で、例えば日々の買い物で何を買うか。例えば乗り物のチョイス。例えば国同士のエネルギー争奪戦。例えば戦争・・・・・。直接的に、そして間接的に私たちの生活に結果的に還ってくると感じるのです。勿論、今回の生物多様性もそう。

表向き、温暖化とは別項目の環境問題ではありますが、この二つは一線を画すものではないという認識を持っていただき、みなさんにも

  • 旬のもの、地のものを食べる(地産地消)
  • ペットは最後まで飼う
  • 森林認証、漁業認証されたものなど持続可能な商品を選ぶ
  • 外に出て行き、自然とふれあう
  • 自然の豊かさを子どもたちに伝える

など、今私たちに取り組めることを知り、是非行動に移してもらえたらなと今回の講演を聴き、また強く思いました。
It'stimetotakeaction!
「生物多様性はネーミングが堅苦しく、なかなか世の中に浸透していかない・・・・・」と亀澤室長も苦心惨憺しているようでしたが、この機会に少しでも身近なものとして感じてもらえれば、という一言でしめくくっていらっしゃいました。
亀澤室長、とても温かい心を持つ、スマートな出で立ちの素敵な方でした♪

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