第10回 2004年9月6日(月)放送 あらすじ

#10 花嫁の逃亡

 木本美香(仲間由紀恵)は、和田亮介(和田聡宏)と山根真理(佐藤江梨子)のあらぬ姿を見てしまった。その傷心から、美香は訪ねた病室で井上弘一(中村俊介)を抱きしめてしまう。その時、病室に麗子(李麗仙)が入ってきた。2人の姿に、美香が結婚を承諾したものと受け取る麗子。戸惑う美香だが、否定は出来なかった。一方、亮介の行動を知った大杉健(哀川翔)は、許せるはずが無い。美香だけでなく、真理や早瀬佳男(佐藤隆太)も傷つけることになると、大杉は亮介を殴る。しかし、正雄(石坂浩二)から、美香と自分が兄妹であると知らされた亮介には、他に手段がなかったのだ。亮介もまた、深く傷ついていた。
 数日後、亮介は福島に帰ると健介(夏八木勲)に電話。亮介が美香と兄妹であることを知らされてしまったと察する健介だが、今は話したくないと亮介は電話を切る。その日、井上は退院。病院を訪ねた美香に、麗子と龍弘(石田太郎)は井上との早期の婚約、そして結婚を促す。次の日、井上は正雄を訪ねて、正式に美香との婚約を申し込む。本人同士が良いなら、反対しないと正雄。また、福島に帰る準備が整った亮介の部屋には真理が来た。部屋の様子に驚く真理に、亮介は留学を決めたと伝える。留学先は、福島に帰って考えると言う亮介に、真理は美香がそのことを知っているのかと尋ねる。美香は、もう自分とは関係ないと答える亮介に、真理が心配そうに見つめた。
 井上との婚約が進行する中、美香はもう一度だけ話がしたいと亮介のアパートを訪ねるのだが…既に、部屋は引き払われていた。呆然とする美香は、畳の上に紙くずが落ちているのに気付く。それは、和紙に書かれた『私』の文字。美香は、亮介との恋が終わったこと…本当の自分を見つけることが出来なかったことを悟った。
 そして、美香は井上と婚約。木本家で約婚式が行われ、美香の左手薬指には井上から贈られた婚約指輪がはまった。その夜、美香の部屋に正雄が来た。正雄は、体が不自由になった井上との婚約には反対したい気持ちもあったと本音を語る。だが、井上は美香を心から愛している。それが何より一番大切だと正雄。正雄が部屋を出ようとした時、壁にかけられた亮介の書が入った額縁が目に留まる。慌てて目をそらす正雄。1人になった美香は額縁を外そうとするのだが、涙が溢れて…。その頃、福島では健介が亮介に留学先を尋ねる。しかし、決まっても健介に教える気はないと亮介。心を閉ざす息子に、健介は美香のことを話そうとするが、亮介は今さら聞く気にもなれないと席を立ってしまう。
 それから数週間後、美香と井上の結婚式が迫ってきた。葉山編集長(長野里美)と式の日取りなどを確認する美香を、佳男は納得出来ない。式に向けて、日は進む。井上と新居について語る美香。その様子に、紀香(ソニン)もまた不満気…。
 ついに、結婚式が翌日となった。すると、真理は我慢できずに“あの日”の出来事を佳男に打ち明ける。亮介に頼まれて、美香の目の前で関係を持ったふりをしたと真理。絶対に寝てはいないと言う真理を信じる佳男。だが、なんで亮介はそんなことを? 疑問を感じる佳男だが、とりあえず美香に電話して真理の話を伝える。電話を受けた美香は、亮介の嘘に愕然とする。亮介が美香をまだ想っているはずだと続ける佳男。しかし、美香はもう遅いと…。結婚式は翌日なのだ。それでも、佳男にまだ一日あると言われて…。その頃、健介は神谷から美香の結婚式の日取りを聞いていた。明日だと知った健介は…。亮介は、留学のため都内のビジネスホテルにチェックイン。すると、真理から電話で公園に呼び出された。
 待ち合わせの公園に亮介が向かうと、待っていたのは美香。その左手薬指には婚約指輪が光っている。久しぶりの再会に、会話が続かない美香と亮介。と、美香が話し始める。最初に涼子と名乗って嘘をついたのは自分だが、最後に嘘をついたのは亮介だと。嘘で始まって、嘘で終わった恋…辛いけど、こうしてキチンと別れられたから、嘘も便利と震える声で話す美香。亮介は、否定しようとするが思いとどまる。そして、美香は明日結婚すると辛い告白。その前に、どうしても会っておきたかったと美香。美香は、亮介に謝りたかったのだ。家庭の事情に巻き込みたくないと言っておきながら、巻き込んでしまったこと…。結果的に亮介を追い詰めて嘘までつかせてしまったことを。泣きながら語る美香に、亮介もごめんと謝る。海を超えると言う約束を守れなかったと亮介。そして、亮介は“ヘンボカセヨ”と、幸せになってくれと美香を送る。
 翌日、美香は結婚式場にいた。亮介は、空港へと向かう。そんな時、タキシードに着替えた正雄が家を出ようとした時、健介が現れた。優里(仲間由紀恵・二役)の葬式に続いて美香の結婚式まで…何の恨みがあると苛立つ正雄に、健介は古びた封筒を差し出した。それは8年前、死期の訪れを知った優里が健介に宛てた最後の手紙。読んで欲しいと頼み込む健介に、渋々文面を見た正雄は愕然とする。
 花嫁衣裳に着替えた美香のもとに正雄がやってきた。正雄は、大事なことを知ってしまったと健介から突きつけられた…優里の手紙に綴られた事実を語り始める。まず、正雄は自分が美香の本当の父親ではないと告白。驚く美香に、亮介にはそのことを告げたと言う。つまり、美香の父親が健介という日本人だと。それで、亮介は美香の前から姿を消したのだと正雄。混乱する美香に、正雄はそれが間違いだということが分かったと言う。優里の手紙から知ったのだった。優里は、美香の本当の父親が神谷文(仲村トオル)の父、神谷教授だと健介にだけ告げていたのだ。正雄は、この事実を美香に伝える義務があると、亮介と結ばれてはいけない理由はないと言う。さらに、自分が韓国人になると亮介が正雄に頭を下げた時、この男に美香を任せられたら、どんなに幸せかと思っていたとも言うのだ。父の想いに胸を打たれる美香。正雄は“ヘンボカゴラ”と美香を促す。後のことは任せて、亮介を追いかけろと…。
 そんなことを知らずに、式場にいた佳男は大杉や真理、小山ヒロシ(速水もこみち)から電話で美香の結婚を何とか阻止しろと怒鳴られていた。出来るわけないと、佳男が答えた時…招待客の中を平服の美香が式場から飛び出して行くのが見える。佳男に笑顔が広がった。美香が去った式場では、正雄が井上家に深々と頭を下げていた。
 美香は、空港へと急ぐ。しかし、とある交差点で亮介の携帯に電話しようとした時、バイクが突っ込んできて…。
 美香は病院に運ばれてしまった。駆けつけた正雄と紀香は、医師から外傷はたいしたことはないと告げられて胸を撫で下ろす。しかし、続けて医師から出た言葉に顔色を失う。
 美香は、全ての記憶を無くしていた…。

キャスト

木本美香、金 優里 … 仲間由紀恵
(一人二役)
和田亮介 … 和田聡宏
  ●
早瀬佳男 … 佐藤隆太
山根真理 … 佐藤江梨子
小山ヒロシ … 速水もこみち
木本紀香 … ソニン
青年 … 川端竜太
  ●
井上弘一 … 中村俊介
井上麗子 … 李麗仙
神谷 文 … 仲村トオル(友情出演)
  ●
大杉 健 … 哀川 翔
和田健介 … 夏八木 勲
  ●
木本正雄 … 石坂浩二

スタッフ

■原作
 吉田修一「東京湾景」(新潮社刊)
■脚本
 原 夏美
■企画&プロデュース
 大多 亮
■プロデューサー
 栗原美和子
 森谷 雄
■演出
 平井秀樹
■音楽
 イルマ
 高梨康治
■制作
 フジテレビドラマ制作センター

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