第4回 2004年7月26日(月)放送 あらすじ

#4 核心へ

 木本美香(仲間由紀恵)は、自分の全てを和田亮介(和田聡宏)に告白しようとした。だが、約束の時間に現れたのは山根真理(佐藤江梨子)。真理は、美香が“涼子”という偽名使い、身分を隠して亮介と付き合っていると指摘。そんな美香よりも、自分の方が亮介にふさわしいと突きつける。ショックを受けた美香は、その後、亮介からかかってくる電話にも出られなくなる。その亮介は、美香に起こった出来事を知らずに、最初の約束時間に待ち合わせ場所へ。美香は現れなかったが、彼女が落としたブレスレットを見つけていた。一方、副社長就任パーティー後の井上弘一(中村俊介)は、母の麗子(李麗仙)から、美香との結婚を強引にでも進めるよう促された。
 そんな時、早瀬佳男(佐藤隆太)は、葉山編集長(長野里美)から神谷文(仲村トオル)の担当を美香と代わるように言われた。早速、佳男は美香から神谷が執筆する小説の内容を会社帰りに一杯飲みながら引き継ぎ。美香は、神谷が小説の題材にしようとしている母、優里(仲間由紀恵・二役)の日記に書かれた悲恋と、自分と亮介の出逢いが偶然にもリンクしていたと佳男に話し始める。しかし、少し酒に酔った美香はそんな亮介との恋もおしまいと言う。佳男は、亮介との間に何かあったのかと心配。すると、美香は亮介に彼女がいるらしいと…真理のことだ。その頃、大杉健(哀川翔)と飲んでいた亮介は美香に電話がかからないと言っていた。
 翌日、大杉は薫(池田有希子)の喫茶店で真理と会う。大杉は、涼子=美香を探っていたのは真理かと優しく問う。真理は、涼子は美香という名前で職業も隠して亮介を騙しているなんて許せなかったと打ち明けた。その頃、美香は下町の簾工場で“和の心特集”の第1弾を取材。と、美香の携帯が鳴る。井上からだ。井上は、美香の父、正雄(石坂浩二)が警察に連れて行かれたと言う。その夜、美香が妹の紀香(ソニン)、祖母の貞姫(森康子)と待っていると、正雄が帰ってきた。一緒に来たのは井上。井上は、正雄を警察に迎えに行ってくれたのだ。井上は正雄が被害者だったことが警察に証明されたと美香たちを安心させる。だが…。美香が玄関まで送りながら尋ねると、井上は北海道に新造するゴルフ場とホテルに正雄が一枚かんでいたと話し始める。土地を持っていた地元財閥が汚職を働いたため逮捕されたため、正雄も警察で事情を聞かれたのだ。罪には問われなかったものの、事業に投資した金は戻ってこないため、正雄は借金を抱えることになると言う。井上は、自分の会社もフォローすると続けた。そして、別れ際に井上は結婚を前提に付き合って欲しいと美香に切り出す。答えられない美香…。
 美香が部屋に戻ると、亮介からのメールを着信。電話連絡が取れない亮介が、ついにメールに切り替えたのだ。内容は、今日が亮介の妹“涼子”の命日だったというもの。美香は、自分が“涼子”という名前でなければ知り合わなかっただろうと返信。それに対して、亮介は何で電話に出ないのか? と、問いかける。美香は、まだ何も知らないの? と文字を打つのだが、返信できなかった。
 佳男は『海岸酒場』で大杉と飲んでいた。佳男は、大杉から真理の行動を聞いて、最近の美香の様子に納得する。そして、佳男は大杉に亮介に会わせて欲しいと頼んで、彼らのアパートへ。しかし、亮介はまだ帰っていない。すると大杉は、真相は美香本人から亮介に言わせるべきだと忠告。頷いた佳男は、ここで美香と働いているので亮介に渡して欲しいと会社の名刺を差し出した。その時、佳男は亮介の壁にかかった書の中に絵画が一点あるのに気づく。
 次の日、仕事を終えてロビーに降りた美香の前に亮介が現れた。立ち去ろうとする美香を亮介が引き止めて海岸へ。亮介は、今は真理と何でもないと美香に伝える。自分は愛しているのは美香だと。すると、美香は…。ついに、全てを話し出す。亮介は、その全てを受け入れるように頷いていた亮介は、初めて会った時、チマ・チョゴリ姿の美香を見た時から気になっていたと言い出す。覚えがない美香。そう、亮介は出会い系で知り合う以前、クリスマスイヴの夜にぶつかった時から美香を知っていたのだ。美香から全てを打ち明けてくるのを待っていたと言う亮介は、ポケットから何かを取り出す。それは、美香が落としたブレスレット。美香の大切なブレスレットを彼女の腕に返しながら、もう一度好きだと告白する亮介。美香は亮介の胸に身を投げ、本名と韓国名を伝える。そして、2人は口づけを交わして…。その後、美香は亮介のアパートで二つ目の書をプレゼントされる。ひとつ目は、日本語の“私”。ふたつ目は韓国語の“私”…。
 数日後、木本家では合コンに出かける紀香が美香に小遣いをねだる。あっけなくOKする美香に、何か良いことがあったのかと紀香。2人が賑やかに話していると、貞姫が正雄のことは心配ではないのかと問いかけてきた。祖母の言葉に、美香は正雄の会社へ顔を出す。美香は先日の件を心配するのだが、正雄はビジネスに借金はつきものとおおらか。その後、美香は井上からも正雄のことは自分の会社がバックアップするから大丈夫だと言われる。美香は、つい会社の件と自分へのプロポーズを別に考えて良いのかと念を押す。強く否定する井上に、美香は亮介と交際していることを言おうとするのだが…。井上は、美香の言葉を遮って自分の父が倒れたと話し出す。その父親から、井上は優里の葬儀の時、正雄がひとりの弔問に訪ねた男を強く追い返したことを聞いたと言う。
 美香と別れた井上が、車のドアを開けようとすると女が声をかけてきた。女は真理。真理は、美香が亮介と交際していると井上に訴える。井上は、真理の話を聞いて「ありがとう」と企みの笑みを浮かべた。
 数日後、美香は今夜こそ亮介の件を話そうと決意して井上との食事に出かける。美香と会った井上は、小さな箱を取り出した。中には豪華なダイヤのリング。婚約指輪だと言う井上に、美香が困惑していると、麗子がもちろん受け取るだろうと井上の後押し。さらに困った美香に、麗子は正雄の会社は、すでに倒産寸前だと突きつける。父の会社とプロポーズは別と言っていた井上に、美香は怒る。だが、井上はそのことは関係無いが、美香が好きだから悪い虫がつく前に手を打っておきたかったと返す。美香は、席を立った。
 その頃、亮介のアパートには父の健介(夏八木勲)が訪ねてきていた。と、美香がやって来た。美香は、健介の気配に気づく。亮介は、美香を自分の恋人だと健介に紹介。すると、美香を見た健介の表情が変わる。そして、木本美香というフルネームを聞いた健介は…。一方、佳男は神谷の原稿に引っかかるものを感じていた。小説に書かれる男が描いた絵が、亮介のアパートにあった絵に似ていると感じたのだ。佳男は、自分の思いつきを大杉に相談して…。

キャスト

木本美香、金 優里 … 仲間由紀恵
(一人二役)
和田亮介 … 和田聡宏
  ●
早瀬佳男 … 佐藤隆太
山根真理 … 佐藤江梨子
小山ヒロシ … 速水もこみち
木本紀香 … ソニン
青年 … 川端竜太
  ●
井上弘一 … 中村俊介
井上麗子 … 李麗仙
神谷 文 … 仲村トオル(友情出演)
  ●
大杉 健 … 哀川 翔
和田健介 … 夏八木 勲
  ●
木本正雄 … 石坂浩二

スタッフ

■原作
  吉田修一「東京湾景」(新潮社刊)
■脚本
  原 夏美
■企画&プロデュース
  大多 亮
■プロデューサー
  栗原美和子
  森谷 雄
■演出
  平井秀樹
■音楽
  イルマ
  高梨康治
■制作
  フジテレビドラマ制作センター

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