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第62回(2002.11.22)
まえのひと >>

中田修次

どうも。
ある日のことですが・・・今から7年くらい前かな・・・。釣りが好きな私は夏場、ほぼ毎週渓流釣りに出かけます。
初めて入る谷に胸おどらせながら都会の雑踏を忘れ、自然の中に身をまかせていた。川のせせらぎ、鳥のさえずり、魚とのたわむれ。その日は天候が悪く曇り。今にも落ちてきそう。なれない川に苦戦しながら森の中にただ一人。俺いったい何やってんだろう。ふと寂しくなってきた。背中がぞくぞくする。こういう時って変なものをよく見る。妖精とか?実は森の生き物たち。空腹のせいか目がまわってきた。森の精霊にとりつかれたようだ。いよいよおかしい。悪い物食べたかな。フラスコのウィスキーを一杯。川岸にでかいウンコがたくさん。ズン。後から妙な気配。な、何!ヒ、羊!驚いた。なぜ渓流にいるんだよー、お前ー。一尾も上げないまま釣りをやめ、あたりを見回すと景観が一変、急に開けた。ゴルフ場?いや牧場だ!いるいる、ごっちゃり羊たちが。牛もいる。こいつ、はぐれていたのかな?牧場主らしき熊みたいなおやじが近づいてきた。おう、この区域は禁漁だぞー。ひぇー。まだ足が震えている。車までの道のりの遠いこと。疲れた。空はいつの間にか青空、白い羊のような雲がたくさん。そのころ、都会の深夜放送で羊のイラストが「シャー」と斜めにワンカット流れた。何だ?

ポーとの出逢いの瞬間だ。この時期、タレントやイラストキャラも癒し系が取りざたされ、ヒーリングやらアロマテラピーやら流行ってましたね。原マスミさんの声もマッチしてけだるさが眠気をさそう。一話見てはグー、いつのまにか寝ている。私にとって癒しというより睡眠薬だ。5分ものでよかった。眠い。

平面媒体・刷り物を中心に商品化を手がけ、はや20年弱、めだかの兄弟がニャンニャンしちゃった時、某業界入り。当たりはずれの極端な世界に足を踏み入れ、タレントやアニメ、イラスト等 10出しゃ2つ当たる日々。もうちょっと何とかしないと。某局の幼児アニメとカップルを描くイラストレーターは15年のロングセラー。このささえを元に毎年出せる定番キャラクターを見つけたい。2クールで終わって消えてしまうアニメたち。2年と続かない。海外の絵本キャラクターに目をつけた。各社ビデオを出している。出版社と差別化するためVTRから絵をおこした。E・カールのはらぺこあおむし、L・レオニのスイミー、売れましたが単発でやはり一年きり、材料がない。作者の作品集を検討したがボツ。そのころ、CXの金子さんとK-1の話しをしながら、「例のヒツジ そうそうストレイシープ、商品化しましょう。」で、カレンダーとして許可をいただき1998年からスタートしました。

ストレイシープのライセンシーによる懇親会が5年ほど前にあってその席の挨拶で、「パッと出してすぐ消えていくキャラクターが多い世界。ポーはじっくり控えめに長続きする定番キャラクターに育てていってください。」と述べさせていただきました。実際にここまで定着するとうれしいですね。スタッフの皆様の努力の結晶でしょう。この席、野村さんも酒が進みレロレロ状態で気持ち良さそうでした。それっきりなのでたぶん私のことはお忘れでしょう?
制作面では、ロボットの松本さんが絵の選定からデザインまで担当していただき毎回スムーズに進行しています。ありがとうございます。それとCXの相場さん他販売にタッチされているスタッフの皆さん、ご協力ありがとうございます。もう6年目、2003年版発売中です。

あ、そうそう、つい最近都内某所のペットショップでまっ黒顔のメリーそっくりな羊が12万円で売ってました。英国産だって。自慢の羊毛に自分のまんまるウンチをこびりつけて、パカパカと店主を追いかけ元気に走りまわっていました。私は牛よりやわらかい羊の黒皮のジャケット持ってます。え!あっ、いけねー。


次回は、STRAY SHEEPグッズを販売してくれているショップから、アニメイト池袋本店キャラクター担当の本間薫さんです!


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