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第36回(2001.10.22
まえのひと >>

KOZO(千葉耕三)

歌の女王、おおたか静流さんからお話をいただき、エッセイを書かせていただくことになりました、KOZOと申します。普段はお絵かきをしたりして暮らしています。

おおたか
「ちばちゃん、エッセイやってみない?」
KOZO
「うん。やってみるー」
KOZO
「エッセイって、575じゃないよね・・」

っというように、初歩的な段階でこけていましたが、やれば何とかなるものです。楽しいお話が書きあがりました。ぜひ最後まで読んでみてください。


●メリーさんの羊●

これは、ぼくのお婆さんメリーのお話です。

 ぼくのお婆さん ―ママのママなんだけど― は、たった一人で大きいアメリカの小さい町に住んでいます。人口はたった1000人、のんびりしたコーン畑がいつまでも広がる風景のなか、のどかにのどかに暮らしています。
 お婆さんには、少しかわったところがあります。それは、体の一部が不思議なパーツでできているということです。
そのパーツの素材はプラスチックでできているのか、グラスファイバーでできているのか、それは分かりません。もしかしたら、地球上にはない物質でできているのかもしれません。
そうなのです。ぼくのお婆さんは、なんとアンドロイドなのです。
 お婆さんは、口を大きく開けて、そのパーツを取り外します。毎日、毎晩、そのパーツを泡の出る液体に浸けてよく洗浄するのです。

 ある日、お婆さんに良いことを教わりました。それは、ぼくも将来そのパーツのお世話になるかもしれないということと、そのパーツをつけた時、口の中が痛くならないようにする方法です。
 お婆さんは、ぼくに隣り町まで買いものにいってほしいと頼みました。
そのパーツをつけて口の中が痛くならないようにするためのある物を買ってきてほしいと頼まれたのです。
ぼくはアメリカの道を車でドライブするのが大好きです。いくら走ってもまっすぐな道が地平線まで広がるコーン畑のなかをつらぬいていきます。そんな風景の中を気持ちよくドライブするのが大好きなのです。
だからぼくは、すぐにお使いに行くことにOKしました。

 ぼくは英語が不自由なので、お婆さんがあらかじめ、買い物に行く隣り町のドラッグストアに電話を入れておいてくれました。
だから、ぼくはコーン畑の中のまっすぐな道の中を走って、隣り町のドラッグストアに行けば、すぐにその物を買うことができたのです。
 ドラッグストアの店員は愛想よく、お婆さんは元気かい?なんて話かけてきて、すぐに例の物をぼくに手渡してくれました。
ぼくはその物を手に取り、はっきりと一言。「なんだこれ・・」
だって、ふわふわした感触の物が小さいビニールの袋に詰めてあって、裏の説明の内容は英語でよくわからないけど、挿絵には靴の中に入れる物となっていたからです。
 靴の中に入れる物を口の中にいれるのかい?なんだか、店の店員にだまされている
気分になりました。

 ぼくはお婆さんの家へ帰りました。ちょっとためらいながらもそのふわふわの物を手渡すと、お婆さんは大喜びで洗面所に向かいました。
そして、靴の中に入れるはずのそのふわふわを、パーツと歯茎の間にはさんでしまいました。
お婆さんは言いました。「あーやっぱり、羊の毛はしっくりくるねぇ」羊の毛は、入れ歯の緩衝材になるのでした。


これは、実話だよ。
いつまでも元気でね。メリーお婆さん。


イラスト


●ホームページ KOZO KOBO
ぼくのCGの作品が沢山のってますので、遊びにきてくださいね。
 http://kozo.injapan.net/

●次は、爆風スランプ、スーパースランプのボーカリストのサンプラザ中野さんです。お話を作ったりするのが上手で、前にこども向けのお話「サンタさんとトナカイさん」という作品のお話を作ってもらったことがあります。今回もきっと楽しいお話が聞けることでしょう。

●11/18(日) ヨコハマDolphyにて、ライブがあります。

 おおたか静流(Vo)、久保田 修(P)、KOZO(VJ)

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