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第30回(2001.07.22)
まえのひと >>

山下康

初めまして、山下と申します。イノヤマランドというアンビエント・シンセ・ユニットの片割れです。CDもそれなりに出していますが、ほとんど人に知られてません。残念なことです。

羊と植物についてのことを書きます。

まずはシダについてです。シダを漢字で書くと「羊歯」となります。隠花植物のシダのどこに羊が潜んでいるのか、前から少し気になっていました。せっかくの機会だから調べてみることにしたのです。まずは人に聞いてみました。日本シダの会、菌類学会、熱帯植物の会の方々です。文献にも当たってもらいました。シダ関係の書籍、植物和名辞典、牧野植物図鑑、大漢和辞典、和漢三才図解、植物妖異考、熊楠の十二支考などなどです。しかし、当たっているエリアが少しずれているのでしょうか、答えがなかなか出てきません。
最初は単純にシダの芽吹きが羊の角に似ているからではないだろうか、などと考えてもみましたが、それを確かめる術が今のところないのです。それでも、少しわかったことを書いてみます。それと、推論。
まず、羊歯という書き方の元は中国であった。
日本では葉が枝垂れることから、シダと呼ばれるようになり、これに長寿への思いを込めて齢垂(しだ)という字が当てられていた。これがいつの日か齢垂から羊歯と書かれるようになった。
では、中国ではなぜシダに羊が潜み込んだのか。
古来、中国では、羊は土から生まれる精霊と信じられていた。同じくシダも胞子によってまさに土から湧いてきます(角の形も似ているし)。よって、これを重ね合わせたものではないか、ということになりました。まったくの大間違いかもしれませんが、どこかで少しかすっているかもしれません。

ついでにもうひとつ。羊と絡み合っている植物を。
日本名はイカリ草。花の形が船の錨に似ているので、この名が付きました。日本の野山に普通に自生するメギ科、エピメディウム属の植物です。
中国名を淫羊かく(いんようかく)。その昔、あたりかまわず交接を重ねるオスの羊がこの草をむさぼっていたということで、淫羊かくの名が付き、以来、有名な強精薬草となりました。養命酒にも陶陶酒にもちょっと入ってます。
淫羊かく。私も栽培してます。

4月にヘゴシダを求めて、ボルネオと八丈島へ行って来ました。ちょうどうまいこと引っこ抜けるようなサイズが見つからなく、手ぶらで帰ってきました。
先日、湯河原のホームセンターで手頃なものが1980円で売られていて、ちょっと高いかなとは思うのですが、週1回ある植木2割引の日に買ってしまおうと思ってます。

次は、クラブミュージック・シーンの異端児、永田一直さんです。



イノヤマランド

元ヒカシューのシンセサイザー奏者、井上誠と山下康による日本初のアンビエントグループ。


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