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第22回(2001.03.22)
まえのひと >>

楠 均

日本全国のストレイシープファンのみなさん、こんにちは。オオカミの声はわたくし楠 均がやっていました。

今回は美貌のめまい歌手 (どういう意味かよくわかりませんね) 遊佐未森さんからバトンタッチされまして、このようにご挨拶申し上げている次第です。悪く思わないでください。

さて遊佐さんとはそうですねぇもうかれこれ何年になりますか思い返せば世間がバブルバブルと湧き立つはるか以前のそのまた以前、日本中に植木 等の「スーダラ節」がなりひびいていた頃のことでしょうか。なつかしいですねぇユサさん。

その頃わたくしは硝煙の臭いも生々しい焼け跡に仲間と立ち、大正期の童謡をビバップのビートで歌う試みをしていました。それがそのうち、維新の頃の二ューウェ−ヴの波のはずれでのんびり泳ぐことになる「くじら」というバンドに進化していったわけなのです。
そしてストレイシープの生みの親である野村さんは、何を隠そうその頃の「くじら」を含めた幕末の政変、動乱、ペリーの来航などを余さず目撃し、且つ詳細に記憶している偉大なる生き証人でもあらせられることをわたくしは知っています。
徳川家の5代将軍お披露目パーティの際、六本木のカフェに招かれて御前演奏をしたときの曲目、曲順からアレンジのことまで覚えておられて、「たしかそうでしたよね? 楠さん」などと言われてもわたくしには何のことだかさっぱり、時代も次元も経緯も交通費もわすれてしまいましておりまして、野村さんのあのいかにも丸々と御発達なされた頭がい骨の中にぎっしり詰まった脳細胞の働きの果敢さに舌を巻いたことだけははっきり覚えています。

そのときいっしょにステージに立った仲間の一人が誰を隠そう、現在の原 マスミさ
んというわけで世間はせまい、というか狭い世間でしか生きていないわたくしです。
こんなに長生きしているのに。
平賀 源内の次にステージに立った原さんは酔いにまかせてパンツを脱いだお尻の口
でタバコの火を消すというはなれ業をやってのけたという話ですが、そんな大事件ですら、もうわたくしの記憶にはございません。

わたくしも原さんも戦国時代の混乱の世を犬の飯を盗みながら生きながらえてきたわけですが、何百年かのちにこうして野村さんの仕掛けの上で羊と狼という実生活上の役柄とは真反対の役柄で相まみえようとは夢にも思わなんだ。ありがたいことです。
ナンマイダ。

先を急ぎます。わたくしも忙しいもので。
わたくしとキオトなる人物 (ex.くじら) からなるユニット「カナリヤのいるカフェで」の初ライブのお報せをさせてください。ちゃっかりと。
来る 3/30 9PMより、渋谷ツインズ ヨシハシにて。(03-3770-4484)です。浮き世の憂さも交通費のことも忘れるほどに楽しいのでぜひ来てください。

さて、わたくしが次にご紹介するのは美貌の歌手 小峰 公子さんです。小峰さんとは比較的浅く、せいぜい平家の頃です。彼女はお酒が好きでその頃からずっとガブ飲みです。
お大事に。

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