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第38回(11月1日)
まえの通信 >>

オンエア後記その2

前回に引き続き、第3話「ブリキの約束」と第4話「ポーの願い」の制作裏話などを紹介していきます。

第3話「ブリキの約束」は、あるロボットのちょっと悲しい末路を語った話です。「ポーのバカンス」にでてくるR-28号もラストで海の底へ消えていきました。学生時代描いたマンガ(「ゆきぐに」…タツトシティの「青い果実」で読めます)でもロボットが海から出て、また沈んでいきました。
そして、この話のロボットもラストは海へ消えていきます。
自分の中で、ロボットと海の組み合わせが、人工物と自然の程よい対比のでるモチー フなのでしょう。
話の着想はラストカットの「海の底でロボットが魚たちに音楽を聴かせてあげてい
る」ビジュアルで、そこからさかのぼった物語りでした。しかし、如何せん2分という長さに詰め込むにはちと物語りが複雑(?)で、感情移入しきれなかったり、余韻がのこらなかったりでいささか消化不良になってしまったかもしれません。コンテ段階ではスタッフの評判もよかったのですが、2分という長さはなかなか難しいです。

たしか以前、PS版のゲームのR-27号の紹介文で書いたと思うのですが、ゼペタ博 士の造ったロボットシリーズに第1号機は、ただのレコード再生機だったと……。ということから今回のこのロボットは自走型レコード再生機なので、たぶん水族館からの依頼でつく った「R-3号」くらいでしょう。(今そう決めました)

続いて第4話「ポーの願い」は典型的な夢落ちものです。
最初に、ポーがガリバーのように砂漠にしばられているビジュアルがうかびました。
これは、だれの仕業か?
そうだ!チビオオカミたちにちがいない!
というわけで巨大ポーのプチスペクタルが生まれました。
で、落ちは?
う〜ん、いろいろ考えたあげく、蚤(ミクロとマクロの対比)!
で、ミクロポーの恐怖で幕を閉じました。
これは、第3話と違ってシチュエーション(状況)が1ケ所なので、展開は分かりやすかったのではないかと思います。(やはり2分では1シチュエーションがせいいっぱいなのか!?)
ラストのポーとメリーのやりとり「……たまにかゆいかどね」「やだあ」はこなれてきた二人の関係がでていて、ちょっと好きです。



第3話でR-3号が再生していたレコードのラベルデザイン


第6話までのタイトル予告は前々回にしたのですが、今回は第7話の予告をします。
タイトルは「霧のラプソディ」
内容は見てのお楽しみですが、ちょっとスペシャルなネタがあります。
この回の音楽はチェロがメインになるのですが、音楽をスタジオで生録音しました。いつもは、めいなCo.に予算とスケジュールの都合で自宅録音してもらっているのですが今回はめいながつくった曲をチェリストの山本祐ノ介さんに弾いていただきました。
祐ノ介さんは、かの山本直純さんの息子さんで、演出の宇井ちゃんの知り合いだったりしたわけで今回の運びとあいなったわけです。
以下の写真(写メールbyのむら)はその録音風景です。
祐ノ介さんは、劇中曲3曲+アドリブ1曲を難無くこなし、スタッフ一同大満足。2分のテレビシリーズで毎回、画に合わせて音楽を作ること自体珍しい御時世に、なかなかリッチな企画でした。
見逃さないようにね!

チェロを弾く祐ノ介さん

無限夢幻蓄音機めいなCo.の二人

録音風景。
手前右が演出と音響もこなす宇井ちゃん。手前左がスタジオにでる亡霊?
奥右がミキサーの内ちゃん。そのとなりがアシスタントの大坪ちゃん。


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