第004回 2003/10/01
『スターウォーズ』は、中学三年の時、エピソード4(第1作)を観て以来、とても好きなシリーズです。どのあたりが好きかといいますと、世界観全体が細やかにデザインされているところです。さまざまな惑星の、それぞれの風土や生態系がきちんと設定されていて、見た事ない風景や、奇妙な生き物などが目を楽しませてくれる点です。また、乗り物や衣装がボロボロだったり、サビていたりする、ツルツルピカピカじゃない「汚し」のセンスにもしびれます。関連書物も数多く出版されていますが、『アート・オブ・スターウォーズ』などのデザイン画集などは、それだけでかなり楽しめます。中でも自分のお気に入りは洋書しか出ていないのですが『The Wildlife of STAR WARS』なる画集で、スターウォーズ宇宙のさまざまな惑星の生態系についてのみ描かれた本で、映画に登場したものはもちろん、登場しないものまでを惑星別に網羅した生物図鑑なのです。という感じで自分にとって『スターウォーズ』は、最新の技術で作られた架空の異国イマジネイションを楽しむ映画なのです。

で、御質問の思い入れのあるキャラクターですが、自分も一番好きなのは、R2-D2です。あの画期的なデザインと勇ましさ、みかりんさんと同様あの“音”がポイントです。エピソード2で空飛んじゃった時は、「おいおい、そんなことまで出来るんかい。それならあの時とか、あの時もそうすれば……」とも思いましたが。ちなみに、第1作公開時にコカコーラ(最近はペプシだけど)がやっていた『R2-D2型ラジオ』プレゼント、根性でめいっぱい応募して一体ゲットしました。今では、なかなかののレア物らしいです。

R2-D2以外で、思い入れのあるキャラクターやシーンを、エピソード別にもうちょっと書いておきます。以下、登場キャラクターなどの固有名詞が頻出しますが、そこまで説明できないので興味のない方や、映画を観てない方は(もちろんネタばれしてますから)すっとばしてしまってください。

*エピソード4『新たなる希望』
記念すべきシリーズ第一作です。デススターに向かうミレニアム・ファルコン号の中でチューバッカとC-3POがホログラフのヘンテコなモンスターを戦わせて遊ぶ(通称:モンスターチェス)シーンがあります。ここに登場する不格好なモンスターたちは、とてもカワイイです。ストーリーとは、あまり関係ないシーンですが、ジョージ・ルーカスの小さな遊び心にうならせられました。今ならCGで簡単に出来てしまうようなシーンですが、当時は、このモンスターたちが立体アニメーションによって動かされていました。僕は、この立体アニメーションに対する興味が高じて、後に某局で某『ジャム…』(先日DVDの第二弾が発売されました。詳しくは『タツトシティ』で)などを作るに至るのです。あとは、廃品回収業のジャワ族や、砂漠の蛮族タスケンレイダーの乗るバンサも好きです。

*エピソード5『帝国の逆襲』
シリーズ中、一番好きな作品です。冒頭、氷の惑星ホスの下りは圧巻です。ここでも立体アニメーションで動かされていた偵察用ロボット、プロボットや、ルークやハン・ソロを乗せて雪原を疾走するトーントーンが好きです。帝国軍のAT-AT(スノー)ウォーカーにまざって、時折現れるAT-STスカウトウォーカー(チキンウォーカー)を見つけては(2カットのみ登場)ニンマリしてました。宇宙ナメクジのデカさにもやられました。医療ロボット2-1Bや、ボバ・フェットの愛機スレーブ1(キャラじゃないか)も好きです。

*エピソード6『ジェダイの復讐(帰還)』
大団円にまとめあげられた最終エピソードです。当初ルーカスは、『スターウォーズ』を全9エピソードで完結させる予定だったのに、このエピソード6で完結させることに変更してしまったのは、まったくもって残念です。だれかに監督させてエピソード7〜9も作ってくれないものでしょうか!
好きなキャラは、ジャバ・ザ・ハットの宮殿の近くに住むトゲトゲのカエルみたいなワート(虫を舌で捕まえて食べる1カットのみ登場)と、ジャバが地下で飼っていた暴龍ランカーという具合に相変わらず生き物系です。

*エピソード1『ファントム・メナス』
前作から16年ぶりにこのシリーズの新作が観れた時は、心底うれしかったです。予告編のスケール感だけでもう、かなりのけぞってましたから。CGによって見たことない異国感がさらにグレードアップしていて、何度か劇場に足を運びました。キャラ的には、ポッドレースのレーサーたち(これまた、それぞれ細かい設定やバックグラウンドストーリーがビッシリある)やジャンク屋ワトーに、惑星ナブーの森の生き物たちもいいけれど、シリーズ初の水中シーン(これでもかとしつこいばかりの二段階弱肉強食の図。特にオピー・シー・キラーとコロ・クロー・フィッシュは、いかすデザイン)は、これだけでも一見の価値ありでした、個人的に。

*エピソード2『クローンの攻撃』
シリーズ最新作です。もはや、デジタル技術でどんなことだってできてしまう時代です。そういう意味でキャラもメカもいろいろてんこ盛りです。その分、コレってのがないですが、強いて挙げれば、カミーノアンの乗った翼龍エイウァーとか、ラストの地上戦のスパイダー・ドロイドとかです。そして、なんと言ってもこの最新作のヨーダは、魅せてくれました。

思い入れのあるキャラ(というより脇の生き物系ですなあ)としては、こんな感じです。あと、ストーリーに関して、よくけなされたりしてしまうのですが、自分的には、『スターウォーズ』は『スターウォーズ』として充分楽しませてもらってます。観る人によって映画に求めるものそれぞれ違うのでしょうが、僕は、見たことない異国絵巻をとことん見せてくれるこのシリーズは、とても好きです。

今回は、ちょっとマニアックな話になってしまいましたが、大ヒットシリーズ『スターウォーズ』は、ジョージ・ルーカスの偉大なる自主映画です。なぜなら、ジョージ・ルーカスは、自分のお金で、自分の好きな映画を目一杯作っているわけです。そして、世界中の人々がそれを大いに楽しみ、最新作を心待ちにしているのですから、作り手冥利に尽きます。ポーのアメリカ版絵本が間もなく、アメリカで発売されます。『スターウォーズ』とは、スケールからして違いますが、まずは、少しでもたくさんのアメリカ人が手に取り、楽しんでくれることを祈りながら、また来月。

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