数々の有力選手を指導する長光歌子先生が
フィギュアスケート界を楽しく語ります!
歌子の部屋
番外編
押切美沙紀選手インタビュー
1992年9月29日生まれ。同じ北海道出身で同学年の髙木菜那選手とは幼少時より競い合う仲。ソチと平昌オリンピックで2度の代表に選ばれ、世界距離別選手権ではチームパシュートで2度の銀メダルを獲得した。平昌以降休養していたが、3シーズンぶりの復帰となる今シーズンの全日本距離別選手権で3000m優勝、完全復活を果たした押切美沙紀選手にインタビューを行いました。(インタビュー日:2020年11月23日)
2020.12.23
■押切美沙紀選手/直筆サイン。次ページ以降もご本人提供の写真を掲載しています。
はじめに
今は世界中のたくさんの人たちが大変な時期だと感じています。
私自身もこのような経験は初めてで戸惑うこともありました。ですが、この出来事から学んだこと・感じたこともありました。それはこれからの私の人生に活きてくるのだと思います。悲しい時や苦しい時はネガティブなことに目が行きがちですが、その中でもポジティブなことや、良いことに目を向けて生きていく。そうやってこの時期をみんなで乗り越えたら、その先にはきっと良い未来が待っているんじゃないかなと思っています!
全日本距離別選手権(2020年10月23日・24日)を終えて
■3000m優勝おめでとうございます、感想を教えてください―
すごく嬉しかったです!
もちろん優勝できたことも嬉しかったのですが、またここに戻ってこれたことやスケートを楽しく滑れたこと、応援してくれた大切なコーチやスタッフ、仲間、会社の人たちが喜んで笑顔になってくれたこと全部がすごく嬉しかったです!
■久しぶりの大会に出場した気持ちを教えてください―
すごく緊張もしましたし怖さもありました。でも、それよりもまたここに戻ってこれて、みんなと一緒にスケートができることや戦えることの嬉しさをすごく感じました。色々なことがあったけど乗り越えてここまでこれた自分がちょっと誇らしい気持ちにもなりました。
■休養明けから大会出場までどのような気持ちで過ごしていましたか―
最初は手探りで不安になることもありました。でも徐々に自分のペースを掴めてきてからは、以前よりも楽しみながら自分らしくスケートに取り組めていたと思います。
■選手権を終えて見えた課題や、自信になったことがあれば教えてください―
今持っている力は出せた大会だったけれど、「ここをよくしたらもっと良くなる!」というポイントが見つかったので、どの種目も更に良くなると思っています!
これからはそこを改善してさらに成長していきたいです!
この大会での結果は自分の自信になりました。今の自分の実力はこのくらいなんだということもわかりましたし、「よし、頑張ろう!」という気持ちになりました。
休養からの復帰について
■休養からの復帰を後押ししてくれたものは何ですか―
ヨハン(ヨハン・デビッド:スピードスケートナショナルチームコーチ)の言葉と周りの人のサポートです。
私がどん底で自分でも自分を信じられなくなった時にも、彼はずっと私を信じて待っていてくれました。また、沢山のスタッフの方達の支えもありましたし、会社の人たちもサポートし惜しまず、待っていてくれました。
調子の良い時にサポートしてくれる人はたくさんいると思うのですが、悪い時でも信じてサポートし続けてくれる人たちがいる素晴らしい環境にいるのに、「私はこのまま辞めてしまうのか?」そう考えた時に「もう1度チャレンジしたい!この人たちともう1度頑張りたい!」そう思って復帰を決めました。
帰ってきました
※写真を撮るときのみマスクを外しています。
■仲間と練習できるという事はどんな意味を持ちますか―
今すごくいい環境でいい仲間と練習させてもらっています。お互い刺激しあいながら練習できていると思うし、助け合いながらもできていると思います。お互いに尊敬もしています。そういった環境でできているから辛い練習も乗り越えられるし強くなれる、頑張れるんだと思います!
- 長光歌子(ながみつ うたこ)