数々の有力選手を指導する長光歌子先生が
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歌子の部屋

番外編

吉永一貴選手インタビュー

1999年07月31日生まれ。世界選手権総合3位の記録を持つ母(加藤美佳さん)に連れられて見に行った競技会でショートトラックに魅せられる。現在1500mの日本記録を保持。2020年2月にはワールドカップ(ドレスデン大会)男子1000mで銅メダルを獲得した吉永一貴選手にインタビューをしました。(インタビュー日:2020年10月19日)

吉永一貴選手

吉永一貴選手

吉永選手のスケートについて

■レース中はどんな事を考えていますか―

 500mは4.5周しかなく、レースの状況の変化が激しいため、あまりきちんとした戦略は立てません。しかしその時その時の状況に臨機応変に対応できるように、視野を広げ、いつでも行けるように準備はしています。
 1500mは相手の動きによってレースがどのように変化するかを見て、自分がどうするべきか見極めながら滑っています。
 1000mはどちらというと1500mに近い感じはしますが、いつもとても難しいなと思います。考えていることもレースの組み立て方も500m、1500mとは別物です。
 3000mはとても長いため、かなり疲労します。残り9周を切ったときにどれだけ足がたまっている(力が残っている)かが鍵になると思います。勝てれば気持ちが晴れるため疲労感は軽減されますが、それ以外は地獄の疲労感が身体を襲いますね(笑)。

■練習中や競技中に感じる楽しかったり苦しかったりする事を教えてください―

 やはりレースをしているときが1番楽しいです。勝負所で賭けに出て上手くいったときや、戦略が的中してビシッと決まったときはとても気持ちいいです。
 逆に苦しさやつらいと感じるのは自転車を使ったオールアウト系の練習です(笑)。自分は練習が嫌いではないし、弱くはないと思いますが、これに関しては自分史上最大のきつさを感じますし苦手です(笑)。

自粛期間中に家でバイクトレーニングを行ったときの写真

自粛期間中に家でバイクトレーニングを行ったときの写真

■ここはほかの選手には負けないというストロングポイントを教えてください―

 全ての距離で上位が狙える点かなと思います。最近になりトップスピードも上がってきましたし、レースでの持久力もあるほうだと思います。これからそれぞれの技術を磨いて今まで以上に安定した結果を出せるようにしたいと思います。

■今シーズンの目標を教えてください―

 全日本距離別選手権で代表に選考されたため今シーズンは全日本選手権に出場しません。そのためいつも以上に世界戦に照準を合わせて個人種目とリレー両方で複数個メダルをとりたいと思います。それを達成できれば、来シーズンの北京オリンピックにもつながってくると思います。

長光歌子(ながみつ うたこ)
長光歌子(ながみつ うたこ)