数々の有力選手を指導する長光歌子先生が
フィギュアスケート界を楽しく語ります!
歌子の部屋
番外編
吉永一貴選手インタビュー
1999年07月31日生まれ。世界選手権総合3位の記録を持つ母(加藤美佳さん)に連れられて見に行った競技会でショートトラックに魅せられる。現在1500mの日本記録を保持。2020年2月にはワールドカップ(ドレスデン大会)男子1000mで銅メダルを獲得した吉永一貴選手にインタビューをしました。(インタビュー日:2020年10月19日)
2020.11.13


■吉永一貴選手/直筆サイン。次ページ以降もご本人提供の写真を掲載しています。
はじめに
新型コロナウイルスの影響で未だに厳しい状況が続いている中、私たちが日常生活や練習、試合を行えるのは皆さまの感染対策など日常の努力と応援に支えられているからだと思います。皆さまへの感謝の気持ちを忘れず、私もこの厳しい状況に立ち向かっていきますので、皆で一丸となりこの状況を乗り越え、明るい未来を手に入れましょう!!
全日本距離別選手権(2020年10月3日・4日)を終えて
■久しぶりの大会に出場した気持ちを教えてください―
前に行った試合からかなりの日数が経っていたので、最初はちゃんとレースができるか不安がありましたが、試合をして改めて「スケート楽しい!!」と思いました。
■1000m優勝おめでとうございます、感想を教えてください―
昨シーズンはあまり良い成績を残すことが出来ずとても悔しかったので、優勝できてとても嬉しかったです!
■大会を終えて見えた課題や自信になったことを教えてください―
改めて自分のレースを確認してみて、中速レンジでのレース感覚や加速が課題かなと感じました。もともとあまり得意ではないのですが今回は特に良くなかったかなと思います。
逆に全体的にうまく立ち回れたことは自信になりました。昨シーズンは要所で積極的に順位を上げることが出来ず悔しい思いをしましたが今回は積極的に動けました。
ショートトラックについて
■ショートトラックの難しいところを教えてください―
まずショートトラックの難しいところは、コーナーや直線、スタートにはそれぞれ別の滑る技術が必要なところです。どれか一つだけに特化するわけにはいかず全てを網羅する必要があるのでとても難しいですね。
そして、滑れるようになってきたら次はレースをうまく運ぶための技術です。抜き去るポイントやコース取りなどについても考えなければなりません。これがまたとても難しいです。相手によって癖が異なり、それに合わせて追い抜き、滑らないといけないので、レースの展開は永遠の課題ですね。
■ショートトラックの面白いところを教えてください―
これはやはりレースですね。相手に合わせて戦略を組み立てたり、相手の思惑を阻止して自分が優位になるように動いたりと、スポーツながら心理戦のような要素があり、見てもやってみてもとても面白いと思います!
■ショートトラックを始めてみたいと思っている方にアドバイスはありますか―
スケートリンクによっては、ハーフスピードと呼ばれるショートトラックに近いスケート靴を貸し出してくれるところもあります。少しでも興味がある、面白そう、速くてかっこいいなと思ったら、休日にぜひスケートリンクに足を運んでみてください!普段貸し出されているフィギュアやホッケーの靴とはまた違った感覚がありとても面白いと思います。そこから更に興味が出て本格的に始めようと思っている方はスケート連盟や選手にコンタクトを取ってみてください!近くのチームを紹介してくれると思います!
ショートトラックは陸上競技や球技とは少し違う魅力があると思います。速さも大切ですが、一番重要なのは戦略です。滑りながら相手と自分の戦略をぶつけ合い、上手くいった方が勝ちます。不思議なことにショートトラックは、自分より速い格上の選手にも戦略次第では勝つことが出来るのです。戦略がドンピシャにはまり、レースで勝てた時の感情は何にも代えがたいものがあります。ショートトラックが気になっている方、レースが好きな方、ぜひ一度試合に足を運んでみてください。きっとハマると思います。
- 長光歌子(ながみつ うたこ)