数々の有力選手を指導する長光歌子先生が
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歌子の部屋

番外編

山田将矢選手インタビュー

1996年7月3日生まれ、スピードスケートの人気が根強い北海道帯広市で生まれる。500m~1000mの短距離を得意とし、2020年には1000m競技において、ワールドカップ第5戦、世界距離別選手権で立て続けに日本記録の更新を果たした、山田将矢選手(日本電産サンキョー所属)にインタビューをしました。(インタビュー日:2020年7月6日)

2020.7.31

山田将矢選手 サイン

■山田将矢選手/直筆応援サイン。次ページ以降もご本人提供の写真を掲載しています。

はじめに

 現在、新型コロナウイルスの影響によって、日本そして世界中が大変な状況ではありますが、一日でも早く収束することを祈っています。
 先の見えない不安はありますが、きっと明るい未来がくることを信じて皆さん一緒に頑張りましょう!

スピードスケートに関するインタビュー

■スピードスケート競技の難しいところ、面白いところを教えてください―

 スピードスケートは自分の中で正解を見つけることが難しい競技だと思います。
 氷上での感覚は人によって全く違いますし、またその個人的な感覚がつかめない日が続く事もあります。そのギャップに苦しみ、調子の良い状態をレースの当日に合わせられないこともあります。私自身も毎日が試行錯誤です。しかし、自分にしかわからない良い感覚を発見出来た時や、コツを掴めた時は最高の気分になります。
 スピードスケートは正解の形が様々だからこそ、多種多様な面白さがあると思います。

■練習中や競技中、辛い瞬間、気持ちいい瞬間はどんな時ですか―

 練習は非常に強度が高い運動なので9割以上苦しいですし、辛いです。その中で、上手くコーナーを回れた時や、良いレースができた瞬間に楽しさ感じますね。さらに結果が出たときは、他では味わうことのできない気持ち良さがあります。

■時速60kmに達することもあるそうですが、速さにはどうやって慣れましたか―

 恐怖心は毎回シーズンが始まる度に持ちますが、反復して練習をする事と、気を付けるポイントを意識して練習することで克服しています。

■短距離種目は見ている側からはあっという間に終わりますが、その間どんな事を考えていますか―

 やる気や勝ち気が前に出てしまいがちなので、気持ちが空回りしないように、なんとか良い方向にコントロールできるように意識しています。このレースでは、ここに気を付けなくてはいけないというポイントを冷静に考えながら、なおかつ全力で滑ることを意識しています。

■ここはほかの選手には負けないというストロングポイントを教えてください―

 1000mの話になるのですが、レース最初の200mから最後までスピードをキープできるところです。レースの最初が速い選手・中盤から最後が速い選手はたくさんいますが、その両方ができるという選手は世界的にみても数えるほどしかいないと思うので、そこが自分の強みだと思っています。

■メンタルトレーニングなどは取り入れていますか―

 メンタルトレーニングは取り入れていません。日々の練習を全力で取り組むことによって、レース当日に“自分はこれだけ練習してきたから大丈夫だ”と自信をもってスタートラインに立てるようにしています。

■2020-21シーズンの目標を教えてください―

 今シーズンはとにかく世界で表彰台にのることを考えています。昨シーズンはほとんどがあと一歩だったので、勝ち切れる選手になって世界にもっと自分の存在をアピールしていきたいと思っています。
 また、英語の理解力を高めて今まで以上にコーチと深いコミュニケーションが取れるようにしたいです。

長光歌子(ながみつ うたこ)
長光歌子(ながみつ うたこ)