数々の有力選手を指導する長光歌子先生が
フィギュアスケート界を楽しく語ります!

歌子の部屋

vol.43

全日本フィギュアスケート選手権2019

歌子先生に2019年12月19日~22日に行われた全日本フィギュアスケート選手権について伺ってきました。

田中刑事選手について

 ショートプログラム、フリーともに揃えて欲しかったですね。ショートプログラムでは4回転での転倒に加え、3回転ルッツのコンビネーションが3回転ではなく2回転トゥループになってしまいましたが、80点を超えていたので、彼の滑りや存在感をジャッジの方も認めてくれているんだなと感じ嬉しく思いました。ステップも切れていましたし、今年は彼もかなり絞ってきたので、身体も軽く感じていると思います。4年連続となる世界選手権出場も決まって良かったです。私はあまり役に立てていませんが、林先生も頑張ってくれると思うので、今度こそいい結果を出してくれるといいですね。今回のジャンプを見ているとこれまでより軽くて質も良くなっているので、なんとか良いところへ行ってほしいです。

本田太一選手について

 彼は林先生との合同合宿に参加した後、11月のちょっと前ぐらいからうちの本田チームに入りました。本田武史先生は解説などでキス・アンド・クライに座れないので、時々大輔と一緒に練習し、私も気になるところは指導してきました。私が後半から参加した夏の合宿で、初めて太一選手のスケーティングをしっかり見たのですが、その時教えた事をずっと続けて毎日積み重ねていてくれたので、大分スケーティングが滑らかになったように思います。今回は緊張もあったと思うし、少し腰に痛みがあったそうで、スピンでレベルを落としてしまいました。まだまだ何も伝えきれていないので、来季ももっとお手伝いしていきたいですね。全日本の後「お世話になりました」とメッセージをくれたので、「大輔で泣けなかったので、来年泣かせてね」と送りました(笑)
 凄く良いものを持っているし、妹さんたちもそうですが、おしゃれなセンスのある選手なので、そこを引き出していければよいなと思います。

長光歌子(ながみつ うたこ)
長光歌子(ながみつ うたこ)