数々の有力選手を指導する長光歌子先生が
フィギュアスケート界を楽しく語ります!
歌子の部屋
vol.3
対談企画 ゲスト:本田武史先生
世界選手権で2度の表彰台、現在はプロスケーターとしてショーやコメンテーターなどで活躍する本田武史さんにお話を伺いました。
高橋大輔と本田武史さんの出会い

歌武史先生が、大輔の演技を初めて見たのっていつ?
本う~んと、、2002年長野の世界選手権のエキシビションですかね。あの時は大輔が世界ジュニアでチャンピオンになって、招待されたんですよね。
歌その時は大輔も私も世界選手権を客席で全部見てたんですよ。男子のトップ6は、ショートプログラムで全員ノーミスだったんですよね。
本あのトップ6の緊張感は、今思い出しただけでもちょっと鳥肌が立ちますね。
歌で、それを見て大輔。もうビビっちゃって…「僕はこんなところでやれません」って(笑)
本よくあの緊張感の中で、3位になったって思いますね(笑)
歌でも、武史先生の一番尊敬している所は、武史先生が男子フィギュア界を切り開いてくれたけど、それから大輔を指導してくれた。自分よりも上の成績を出すために手助けしてくれたことを、本当にすごく感謝してるし、尊敬してるの。
本僕の中で、プライドはありますけどね。だけど、誰しも絶対にピークを越えて引退する時が来るじゃないですか。そうなった時に何を残せるかって、下の選手たちに伝えていくことしかないと思うんですよね。
歌そういえば、2010年世界選手権の時は本当に大変でしたよね。
本本当に!
歌バンクーバーオリンピック終わりで、大輔の気持ちがバーンアウトしちゃって…体もつらそうだったし、目が死んでたよね。
本練習に来ても、何にも飛べなかったですね。ダブルアクセルですら転んでましたからね。
歌そう、辞めようかっていう話もしてましたね。で、武史先生に現地に入ってから「ジャンプを作り直してくれる?」って言ったんですよね。
本もう、本当にギリギリまで練習してました。でも本番弾けましたね。(※2010年世界選手権高橋大輔優勝)
歌オリンピックに向けて積み重ねていった貯金があったからね。
本練習の時とは見違えましたね。
今のフィギュアスケートブーム
歌今のフィギュアブームについて、武史先生はどう思ってるの?
本正直うらやましい反面、大変だなって思うこともありますね。やっぱり、どこに行っても注目されるし、調子が悪い時でもインタビューを受けなきゃいけない時があって。でも、うらやましい部分は、今の選手たちはそれを経験出来るっていうことですかね。やっぱりメディアがあって、情報を広げてくれることで人気が出るわけですから。
歌メディアのおかげでここまで人気が出たんですものね。ありがたいことだと思ってる。
本注目を浴びるっていう事は、選手たちにとってもプレッシャーになるし、そういう経験をどんどん積めるのはいいことですよね。僕の時は、全日本選手権も夜中1時のハイライトですよ。今の選手たちのプレッシャーは僕には想像もつかないですね。
本田さんの将来
歌将来の夢はあるの?
本将来の夢ですか?う~ん…何にも考えてないですね…。昔から、自分の中でこれっていうことを決めて、それに対してその都度挑戦してきた所があるんですよ。あんまり先を見るより、目の前のことにどんどん挑戦し続けていきたいというか。だから将来の夢って、わからないんですよね。
歌武史先生らしいわよね。
本僕は、本田武史であり続けたいっていうのはありますね、ジャンパー本田武史として。来年35歳ですけど、まだまだトリプルアクセルも飛んでるんだぞ!っていう所を見せていきたいですね。だから今もこつこつトレーニングをしているし、そういう姿を生徒にも見せていきたいですね。
歌本当、そうだよね。
本でも、最近それを見て、(中村)優とか、(吉野)晃平とかもよく練習するようになりましたよ。
歌彼らも、それを続けてくれるといいわよね。
本そうですね。彼らががんばってくれることで、この男子フィギュアブームが続くといいですね!
僕も改めて、こういう話を歌子先生とできてよかったです。
歌武史先生、ありがとうございました!

- 長光歌子(ながみつ うたこ)