数々の有力選手を指導する長光歌子先生が
フィギュアスケート界を楽しく語ります!

歌子の部屋

vol.2

歌子先生について

長光歌子先生について、ご自身についてお話をしていただきました。

北海道について

長光歌子先生

今シーズン全日本選手権が行われる北海道での、一番の思い出はなんですか

 何といっても、(1972年の)札幌オリンピックですかね。私が、一番最初にこの競技を教えたいって思ったのが、札幌オリンピックを見た時だったんです。
 その頃はまだ選手だったんですけど、世界の男子選手を練習からずっと見ていて、技術はもちろん、とにかく個性がすごかったんですよ。
 『あぁ、日本でも、こうなる時代が来てほしいな』って思いましたね。
 日本でも当時、樋口豊先生が選手でいましたけど、そもそも(日本は)競技人口があまりに少なかったんです。
 だから、私が思っていた男子フィギュアの概念を覆してくれたんです。自分の(フィギュアスケートへの)意識を変えてくれたというか、私の人生の転換期になったくらい、衝撃的でしたね。

コーチとしての北海道での思い出はどうでしょう

 2011年のNHK杯で、(髙橋)大輔が優勝した時は、体の出来上がりもすごかったですし、とても覚えています。
 でも一番は2012年、ソチの前年度シーズンの時の全日本(選手権)ですね。あの時の大輔のフリーでの演技は、大輔以外誰にも出来ない演技だなって思いましたね。
 結果はそこまで伸びませんでしたが、なんていうか点数では表せられない部分でのすごさがありましたよね。
 後々考えてもあの時の気迫は本当にすごかったと思います。

歌子先生の教室は、毎年夏に北海道で合宿をされていると聞きましたが

 大輔がバリバリ現役の頃から、毎年やっています。(地元の)大阪だと夏は暑いじゃないですか。それにいつも同じ場所で練習していると、大地から何ももらえないって感じがしていて(笑)
 大輔と初めて夏に真駒内の公園でトレーニングしていた時に、大地からすごくパワーをもらう感じがしたんです。選手たちもイキイキするんですよ。だから1年に1度くらい、そういう場所で練習をすることで、選手たちのエネルギーになってほしいなって思って、毎年なるべく続けたいと思ったんです。

選手だけで親御さんは呼ばないと聞きました

 昔からそうですけど、親御さんは呼びません。
 親御さんの中には付いていきたいっていう方もいますけど、子供たちだけでやらせてくださいって言ってますね。
 なぜかというと、選手は小さい時に先輩に色々教わって、大きくなるんですよ。それで、今度自分たちが上に行った時に、若い子たちをちゃんと教えて育てていく。これが大事なことだと思うんです。短い競技生活の中でそれを学んでもらって、競技を終えた後の人生に活かして欲しいと思うんです。

選手たちはリラックスしていますか

 どうでしょうね…。リラックスしているかどうかはわからないですけど、普段一人で演技をしているの選手たちが、10人くらいの宿舎で過ごしているので、もしかしたらすごいストレスになっているかもしれないですよね。
 でもそこで自分自身を我慢したり、あるいは、意見を通したりって、今後競技を続けていく中で生きてくると思うんですよ。こういう経験って、お金で買えるものではないじゃないですか。
 素晴らしい環境で大地からパワーもらって練習しながらも、みんなで協調して生活していくのは、子供たちにとっていい経験だと思いますね。

合宿では、みんなで集まって何かしたりしますか

 毎年何かしらオフの日にやっていますよ。札幌で合宿していた時は、みんなでジンギスカンを食べに行きましたね。もちろん大輔も行ってましたよ。
 今年はバーベキューをしたいと思っています(笑)。オフの日は、朝ご飯を食べたらみんなでスーパーに買い出しに行って、夜はみんなで花火がしたいですね!

歌子先生第二回も出演ありがとうございました!次回はいよいよ対談です!よろしくお願いします!

長光歌子(ながみつ うたこ)
長光歌子(ながみつ うたこ)