数々の有力選手を指導する長光歌子先生が
フィギュアスケート界を楽しく語ります!

歌子の部屋

vol.1

対談企画について

対談企画を始めるにあたって、どんな内容にしたいかを歌子先生に伺いました。

日本フィギュア界について

長光歌子先生

今年の全日本選手権、ベテランから若手まで面白い大会になりそうですね

 そうですよね。それが(今の日本の)強さの証やと思うんですよ。
 ベテランががんばって、羽生君や(宮原)知子ちゃんたちトップの選手たちがいて、若手が押し上げるというのが競技力の強さだと思いますよね。
 選手たちは本当に大変やし必死だと思いますけど…。
 他の国からみたら、今の日本は理想の形じゃないですかね。
 他の国を見ていると、ベテランががんばっているところが多いと思うのですが、なぜかって若手が伸びてこないから。世界で勝つためには(ベテランが)頑張ってなきゃって。そういうスタンスの国が多いと思うけれど、今の日本を見ていると、すごくうらやましいことだと思いますよね。

2016年世界選手権男子は2枠ですが

 やっぱり、2枠と3枠では全然違いますよね。1枠ないということは全日本でのプレッシャーも全然違いますよね。今の日本男子は、羽生君がいて、若い(宇野)昌磨君がいて、ベテランの小塚君や無良君や、村上君がいて、また田中(刑事)君などいますから、みんなが世界選手権をねらっていますから、すっごいプレッシャーですよね。

世界選手権出場へ1枠の時代もありましたが

 昔男子は世界Jrの枠が1枠で、(02年の世界Jrで)大輔が優勝して次の年から3枠になった、それで男子が頑張れたんですよ。やっぱり1枠と3枠だったら全然違うじゃないですか。
 当時、シニアでは(本田)武史君も1枠で頑張ってましたよね。
(97年の世界選手権で)10位に入って、(長野五輪の出場枠を)2枠にしたんですよ。だから田村岳斗君がでられたんです。それもすごいことでしたね。

現在は日本人選手同士での戦いがすごいですが…

 正直、全日本選手権より世界選手権の方が楽な時があります。全日本は本当につらいですよ。
 調子も悪い時があるかもしれないけれど、一発勝負でそのあとの大会が決まってしまうわけです、全日本チャンピオンは一人ですからね。コーチをしていても緊張しますよ。

日本では、若手に負けずベテラン選手も頑張っていますね

 昨年の全日本のフリーでは、小塚君が気を吐きましたよね!
 私あんな崇ちゃんを見たのは初めてでしたね。崇ちゃんは、世界でトップレベルのスケーティングを持っているスケーターだと思うんです。だから今年もがんばって(世界選手権への)2枠をとって欲しいと思いますよ。崇ちゃんはメガネをかけていた小っちゃいころから知っていますので。本人は覚えてないかもしれませんけどね(笑)

小塚選手は、ご婚約もされました

 そうですね。いいお嫁さんを見つけましたしね。大輔より先にお嫁さんをもらうなよって思いはありますけど。冗談ですけど(笑)
 でも、ショーの時なんかに紹介してもらって、本当に崇ちゃんを助けてるなって印象がありますね。あの二人、本当にぴったりですよね。

 無良君も、お子さんが出来てお父さんになりましたし、ベテラン勢には頑張って欲しいですよね。

現在の女子フィギュア選手たちは、ずば抜けた選手がいませんよね

 女子は大変ですね。コーチという立場を外れてもこれは楽しみだと思います。  その緊張感もかわいそうだと思う反面、だれが勝つんだろうって…。  でも、その女子フィギュアに復帰する真央ちゃんの勇気というか、今まで実績も名誉も持っていたのにもう一度自分をその厳しいところに置こうという気持ちはすごいと思います。

日本フィギュアは男子も女子も仲が良く、日本チームという感じがしますが、真央ちゃんの復帰は他の選手を活気づけるのでは

 正直、選手たちは(世界大会に)出たいと思っている中、真央ちゃんが復帰したらそこは1枠をとるため、勝たなきゃいけないと思うからプレッシャーがすごくかかると思いますから、そこはわかりませんね。
 表面的なきれいごとでは済まないと思いますよ。勝負の世界ですからね。
 みんな、苦しい厳しい練習をして、頑張っていますからね。

歌子先生第一回出演ありがとうございました!次回もよろしくお願いいたします!

長光歌子(ながみつ うたこ)
長光歌子(ながみつ うたこ)