勘三郎十三回忌特別企画 中村屋ファミリー 父が遺した約束…硫黄島の奇跡

中村屋ファミリー

2024年12月20日(金)21:58~23:32

放送内容

2024年は中村屋にとって特別な年となった。中村勘九郎と中村七之助の父で、2012年12月に急逝した十八代目中村勘三郎、その十三回忌追善の大舞台が毎月のように行われた1年だった。

2月に盛大に幕が開いた歌舞伎座での追善公演を皮切りに、その舞台を高校の体育館、日本中の古き美しき芝居小屋、新宿・歌舞伎町、国宝松本城と移しながら、大役に挑戦し続ける勘九郎と七之助、そして勘三郎の孫・勘太郎と長三郎。それぞれの演目、それぞれの土地で、勘三郎が遺し継がれたスピリッツが輝いていく。

迎えた10月、追善の興行を締めくくる離島・硫黄島での一夜限りの野外公演。演目は勘三郎が愛した物語「俊寛」、そこには勘三郎が遺したある“約束”があった。しかし、台風シーズンでフェリーは欠航となり中村屋一門は島に渡れない。稽古もままならない中で刻々と迫る大舞台の時間…天候の回復を幕は待ってくれない。勘三郎の“時を超えた約束”は、果たして叶えられるのか?

中村屋ファミリーが大きな成長を遂げた節目の一年にカメラが密着。“大きな家族の物語”を感動とともにお届けする。

放送内容詳細

■親から子、そして孫へ…長三郎が挑む「連獅子」

2月、殿堂・歌舞伎座で幕を開けた、中村勘三郎を偲ぶ追善公演「猿若祭」。「追善」は歌舞伎の世界では「襲名」と並ぶ重要な舞台だ。演目のひとつは勘三郎が愛した「籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ」。七之助演じる花魁を斬り殺してしまう男の狂気を勘九郎が初役で見事に演じた。勘九郎の長男・勘太郎が臨んだのは中村屋に受け継がれる舞踊「猿若江戸の初櫓(はつやぐら)」。父が23歳で初めて演じた役に、わずか12歳で挑む。そして次男・長三郎は中村屋にとって最も大切な演目のひとつ「連獅子」に。緊張の大舞台、その“舞台裏”は…なんと、爆笑の連続だった!

猿若祭二月大歌舞伎「連獅子」
左から)中村長三郎 、中村勘九郎

猿若祭二月大歌舞伎「猿若江戸の初櫓」 猿若
中村勘太郎

■受け継がれる“中村屋スピリッツ”

3月には名古屋の高校の体育館を芝居小屋に変身させるという驚きの公演が。これは18年前に勘三郎が大成功させた試みの再現だった。毎日詰めかける2000人以上の観客の案内に奔走するボランティアの生徒たち。そのラストには、思いもかけなかった“生徒たちの花道”が待っていた! 春の全国巡業では勘太郎と長三郎が舞台を務めながら、春休みの宿題に追われる子供らしい姿も。そして各地の古い芝居小屋で、よみがえる勘三郎の思い出の数々…。
5月、若者たちと外国人観光客でごった返すGWの新宿・歌舞伎町に中村屋の歌舞伎が登場、役者たちをホストに見立てた宣伝カーが街を駆け巡った。
6月には勘三郎が作った芝居小屋「平成中村座」の原点ともいえる新宿・花園神社でのテント芝居に勘九郎が出演、奇想天外の演出で観客を魅了する。
真夏の歌舞伎座で勘九郎が臨んだのは、勘三郎がこよなく愛した名作「髪結新三」。父の当たり役に初役で挑み、見事に演じ上げた勘九郎。勘三郎から受け継がれた中村屋スピリッツが、輝きを増していく。

猿若祭二月大歌舞伎「籠釣瓶花街酔醒」
中村七之助

春暁歌舞伎特別公演2024「舞鶴五條橋」 武蔵坊弁慶
中村勘九郎

■硫黄島へ…勘三郎が遺した“約束”

10月、追善の締めくくりは鹿児島の離島、活火山が噴煙を上げる硫黄島だ。島の砂浜に一夜限りの野外舞台が作られ、上演されるのは「俊寛」。この島に流され生涯を終えたといわれる実在の僧・俊寛を勘九郎がまたも初役で演じる。今回、勘九郎がこれに挑むのには理由があった。それは父・勘三郎が13年前、この島で観客と交わしたある“約束”を叶えるためだった。ところが本番前日、島に渡るフェリーが欠航となり中村屋一行は硫黄島に入れなくなってしまう。島を襲う豪雨…勘三郎の“約束”は叶えられるのか!?
勘三郎の遺志を継ぎ、勘九郎と七之助、勘太郎と長三郎が奮闘する中村屋ファミリー、怒濤の1年の記録をどうぞお見逃しなく!

2011年三島村歌舞伎 稽古
中村勘三郎

三島村歌舞伎 硫黄島野外特設ステージ

三島村歌舞伎「俊寛」 俊寛僧都
中村勘九郎

出演者

中村勘九郎
中村七之助
中村勘太郎
中村長三郎
前田 愛


【語り】
大竹しのぶ

【ナレーション】
谷岡慎一(フジテレビアナウンサー)

スタッフ

【協力】
田中 亨
ファーンウッド/ファーンウッド21

【監修】
吉崎典子

【構成】
武田 浩
松木 創

【ディレクター】
幸田理一郎
藤井雄真

【演出】
花枝祐樹

【プロデューサー】
吉田岳人
後藤 博

【チーフプロデューサー】
西村 朗

番組へのメッセージ