中村屋ファミリー2020 待ってました!勘九郎 七之助 試練と喝采の幕開けSP

中村屋ファミリー2020 待ってました!勘九郎 七之助 試練と喝采の幕開けSP

第49回国際エミー賞ノミネート作品
2020年12月18日(金)20:00~21:55

放送内容

世界を新型コロナウイルスが襲った2020年は、あらゆるエンターテインメントが休止を余儀なくされました。それは歌舞伎の舞台も例外でなく、3月から公演はすべて中止と歌舞伎界は大ピンチに陥ります。
毎年、亡き中村勘三郎さんの夢が込められた芝居小屋「平成中村座」の世界中での公演や、歌舞伎界の未来を背負っていく勘九郎・七之助、そして中村屋ファミリーの奮闘を追うこの番組も、感染予防対策のために “記録を続けられない”という事態に見舞われ、舞台と同時に、撮影も一時ストップせざるを得なくなりました。
果たして、中村屋はこの状況をどう突破していくのか?その時、妻は?息子たちは?そして生まれた“奇跡のような”舞台とは…?
くしくも、コロナ禍に直面したエンタメ界を記録することにもなった『中村屋ファミリーSP』、この一年のドキュメンタリーです。

放送内容詳細

■2020年スタート…1月から勘太郎・長三郎も歌舞伎座出演

いつも通りの賑やかな新年会から始まった中村屋の一年。正月から勘太郎と長三郎が日替わりで、中村屋ゆかりの「鰯売戀曳網(いわしうりこいのひきあみ)」に出演した。芝居を競うようになった二人の成長に、満場の観客からも連日、喝采が!
この頃はまだ、この一年が大変な年になるとは誰にも予想ができなかった…。

着到板にピンをさす長三郎

■3月 明治座「桜姫東文章」…無念の中止に

片岡仁左衛門と坂東玉三郎の伝説的な共演などで知られる、鶴屋南北の名作「桜姫東文章」に、勘九郎と七之助が挑むことに。仁左衛門と玉三郎も自ら熱く指導、稽古は重ねられたが…
忍び寄る新型コロナの影響で、舞台は延期に次ぐ延期、そしてとうとう中止に。やり場のない悔しさに打ちひしがれる役者たち。しかし、この後さらなる深刻な事態が日本中、世界中を襲う。

■緊急事態宣言~歌舞伎役者とその家族の“自粛”の日々

新型コロナの感染拡大により、歌舞伎座を始めあらゆる舞台が中止に。勘九郎一家も厳しいステイホームの日々に突入する。そんな中、二人の息子がファンに発信したのは、可愛い“手洗い動画”!さらに、取材がストップした中で記録された“プライベート映像”に映っていたのは…先の見えない自粛社会に役者もスタッフも将来の不安に包まれる中で繰り広げられていた“歌舞伎四百年の伝統継承”の瞬間だった。

■中村屋、再始動!

6月、いよいよ中村屋が動き出した。劇場再開の目処が立たない中、お客さまに歌舞伎を届けることはできないのか?スタッフたちが働く場は作れないのか?議論を重ね生まれたのは「無観客の歌舞伎ライブ配信」という、中村屋初の挑戦だった。そして勘九郎が選んだのは、子供たちと共に臨む「お祭り」と「三社祭」を合わせた特別な演目。しかし、「お祭り」の重要な場面…大向うの「待ってました!」に「待っていたとはありがてえ」と返す掛け合いを、無観客でどうすればいいのか?さらに、感染者を出すことなくイベントを行えるのか?ネット配信でも観客は楽しんでくれるのか?

■7月 歌舞伎ライブ配信

浅草公会堂の舞台に立った勘九郎と七之助。普段の歌舞伎公演とはまるで違う、カメラのカット割りや感染予防対策に、緊張が走る現場。そして迎えた本番、皆が待ち焦がれた色鮮やかな歌舞伎の舞台…その瞬間、配信の画面には数えきれない「待ってました!」の書き込みがあふれた!

7月浅草公会堂 無観客での舞台生配信

■8月 歌舞伎座再開

待望の歌舞伎座公演が始動。第二波の感染拡大が懸念される中、万全の対策で半年ぶりに幕を開けた舞台に立つ勘九郎と七之助。取材スタッフは入れないため、楽屋ではお弟子さんに小型カメラを持ってもらい、さらにZoomをつないでの記録となった。各部の出演者・関係者は一切接触しないよう、観客とともに全員入れ替えという徹底ぶり。そうして実現した舞台、観客の反応に勘九郎は“困惑”する…

■野外での「連獅子」…“奇跡のような”舞台に

9月、中村屋は新たな挑戦に打って出る。いまだ客足が戻らない歌舞伎の舞台を、日本中、世界中に届けたい!再びのライブ配信に選んだ演目は浅草寺境内に野外ステージを組んで行う「連獅子」だった。ひっそりと沈黙してしまった浅草の街に、少しでも元気になってほしい!そして、どんな逆境でも歌舞伎を人々に送り届けてきた“中村屋チーム”の仕事を見てほしい!そんな想いで作り上げられた「連獅子」の野外舞台。
そして本番。夕闇に映える美しい五重塔を背景に舞う勘九郎と七之助。しかし…なんと大粒の雨が降り出してしまう。雨では“毛振り”はできない。責任者が「中止」を口にしたその時、勘九郎が下した決断は…?

9月浅草寺境内 「連獅子」生配信

出演者

中村勘九郎
中村七之助
中村勘太郎
中村長三郎
前田 愛
ほか

【語り】
金子ノブアキ
武田祐子
前田 愛

スタッフ

【構成】
武田 浩
松木 創

【監修】
吉崎典子

【協力】
田中 亨(ファーンウッド)
松竹株式会社
日本俳優協会

【ディレクター】
藤井雄真

【演出】
花枝祐樹

【プロデューサー】
後藤 博
中山佳祐

【チーフプロデューサー】
西村 朗

【制作協力】
共同テレビジョン

【制作著作】
フジテレビ