歌舞伎の名門・中村屋を30年以上にわたり追い続けるドキュメンタリー番組『密着!中村屋ファミリー』の最新作!
時代は「平成」から「令和」に・・・新たな時代を迎えても、父から子、そして孫へ、技と伝統が継承されていくその瞬間をカメラは記録します。希代の名優、父・勘三郎を亡くしながらも奮闘を続ける勘九郎・七之助兄弟、さらに“小さな中村屋”の成長と挑戦…2019年の最後に、大きな家族の感動ストーリーをお届けします!
■2019年3月・・・勘太郎 8歳が「子役」から「大役」に“孤独の”挑戦
中村勘九郎の2019年はNHK大河ドラマ「いだてん」の主演で大忙しの1年となった。一方、2人の息子・中村勘太郎と長三郎は凛々しく成長し8歳と6歳に。そんな中、勘太郎は片岡仁左衛門からの指名により、3月歌舞伎座で名作「盛綱陣屋」の小四郎役に。子役の中でも出ずっぱりとなる大役・小四郎役、これまでの短い出番でわずかなセリフ…ではなく、「切腹」というお芝居もある重要な役柄。しかも周りには、父も叔父も中村屋のお弟子さんも誰もいない・・・。実はこの役は、28年前に父・勘九郎も務めていた。直面する大きな試練…8歳になった勘太郎は、演じ切って“ひとり立ち”を果たせるのか?
19年3月歌舞伎座 「盛綱陣屋」小四郎役の勘太郎と母・前田愛
■4月・・・勘九郎 七之助がそろって“特別な芝居小屋”に
大河ドラマの合間を縫って勘九郎が立った大舞台、それは父・勘三郎が愛した日本最古の芝居小屋、香川・琴平「金丸座」だった。この「四国こんぴら歌舞伎」で勘九郎が演じたのは、父の当たり役「義経千本桜・すし屋」いがみの権太と名作舞踊「高坏(たかつき)」。そして七之助は落語でお馴染み「芝浜革財布」で市川中車と共演。ある日、終演後にサプライズが!予定になかったゲストとして舞台に上がったのは・・・勘三郎と共に「こんぴら歌舞伎」を立ち上げた歌舞伎役者・澤村藤十郎だった。脳内出血で倒れ21年間療養を続けるレジェンドが、「こんぴら」と勘三郎の想い出を語る。笑いと涙に包まれる観客、そして勘九郎と七之助・・・。
4月下旬、国立劇場の大舞台に立っていたのは、初めての女形に扮した長三郎だった。兄に続き弟にも訪れる試練の舞踊。しかし…持ち前の不思議キャラも発揮して、長三郎は見事に可愛らしく踊り切った!
■8月・・・勘太郎・長三郎が挑んだ “長丁場”の大舞台とは
歌舞伎座「納涼歌舞伎」では、七之助が女形の大役「伽羅(めいぼく)先代萩」の乳人・政岡に。そして政岡が守る幼い殿に長三郎、自身の愛息には勘太郎が!その見せ場は、三人だけで1時間、出ずっぱりで演じる名場面。中村屋にとっても歴史に残る大きな挑戦、その稽古には、勘三郎の盟友、人間国宝・坂東玉三郎の姿が。しかし…6歳の長三郎は大きな“壁”にぶち当たってしまう!
19年8月歌舞伎座 「伽羅先代萩」政岡役の七之助、千松役の勘太郎(左)と鶴千代役の長三郎(右)
■11月・・・九州初上陸「平成中村座」小倉城公演での“大喝采”
中村屋にとって令和元年最大の挑戦となったのが、勘三郎の夢だった「平成中村座」の九州開催。ついに、北九州・小倉城をのぞむ地で実現となった!中村屋がスタッフ、お弟子さんら総力を挙げて用意したのは、かつてないほどの演出の数々!平成中村座二十年の歴史上“最高”となる、熱気と興奮に包まれた舞台が繰り広げられ…そして千穐楽では“奇跡”のような光景が!
19年11月平成中村座小倉城公演 「小笠原騒動」犬神兵部役の勘九郎
■12月・・・話題騒然の新作「ナウシカ」に七之助が挑む
令和元年の締めくくりは、新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」。ナウシカ役に尾上菊之助、皇女クシャナ役を七之助が。当代きっての人気女形二人が描き演じる宮崎駿アニメの世界は、驚きの舞台に!
中村勘九郎
中村七之助
中村勘太郎
中村長三郎
前田 愛
ほか
【語り】
金子ノブアキ
武田祐子
【監修】
吉崎典子
【構成】
武田 浩
【協力】
田中 亨(ファーンウッド)
松竹株式会社
【制作協力】
共同テレビジョン
【ディレクター】
花枝祐樹
藤井雄真
幸田理一郎
【演出】
松木 創
【プロデューサー】
坂口和之進
後藤 博
中山佳祐
【チーフプロデューサー】
西村 朗
【制作著作】
フジテレビ