波うららかに、めおと日和

2025年4月24日スタート 毎週木曜 よる10時放送

現場日和

「現場日和」最終回 皆さまへお届けしたいエピソードと感謝

日づけ:2025年6月27日

みなさん、こんにちは!
「現場日和」担当スタッフです。

『波うららかに、めおと日和』が、ついに最終回を迎えました。
最後まで放送をご覧いただき、本当にありがとうございました!

今回で最後となる「現場日和」では、あらためて皆さまへお届けしたいエピソードや感謝を綴ろうと思います。

思い返すと、最初に芳根京子さんと本田響矢さんの撮影が行われたのは、芳根さんの誕生日の前日、2月27日でした。
衣裳合わせの後にポスターや、SNSなどの写真や動画を撮影したのですが、この日に初めましてだった芳根さんと本田さんは、どこかぎこちなく…まるで、原作のなつ美と瀧昌が初めて会ったときのような空気が、お二人の間にも流れていました。

聞けば、お二人とも「人見知り」。
ならば緊張感が漂うのも納得ですが、時には芳根さんが本田さんを引っ張っている姿を見られたのは印象的でした。そんなふうに初々しい姿を見せてくれたお二人に、スタッフはすでに“うぶきゅん”していたのかもしれません。

ポスター撮影後に行われたSNS撮影では、ドラマの“公式ポーズ”を決めていただくことに。いくつか候補はありましたが、最終的にお二人が選んだポーズは、インフィニティのマークを表現した「∞」。
インフィニティ=無限を意味するということで、なつ美と瀧昌夫婦の“永遠の幸せ”を願い、このポーズに決まりました。

原作でも登場している指輪ではありますが…
このときは、まさか第7話で瀧昌がなつ美へ贈る指輪「ギメルリング」と重なるとは、誰も予想していませんでした。
これは、“なつ美”と“瀧昌”が導いてくれた“運命”だったのでしょうね。

そんな運命的なエピソードは、他にも!
なつ美が瀧昌へ贈ったカフスボタンは、「武運長久」の意味が込められた“トンボ柄”でしたが、芳根さんがクランクイン初日に着用していた衣裳や、なつ美と瀧昌が芙美子(山本舞香)と深見(小関裕太)のランデブーを見に行った喫茶店の照明の柄にもトンボがあしらわれていたのはご存知だったでしょうか?(過去の「現場日和」でも紹介しているのでぜひご覧下さい!)

しかも、それぞれの担当スタッフによると、「偶然だった」とか!
そんな運命があって、“トンボ”は本作の象徴とも言える存在に。第9話の最後に突然招集された瀧昌を見送るときになつ美が着ていた衣裳も、初日に着用していたトンボ柄のお着物でした。本作を彩る衣裳や美術品、セットなどさまざまなところでなつ美と瀧昌の秘めた想いが詰まっていたのです。

ちなみに、衣裳担当スタッフによると「海軍に関わるなつ美や郁子さんの帯もトンボ柄にしたことがあるんです」と、教えてくれました。お時間のあるときにでも、見逃し配信などで見返してみてくださいね。

そして、改めて本作についてお話をさせていただければと思います。
(※以下、ネタバレを含みますので、まだ最終話をご覧になられていない方はご注意を…)

本作は、原作の世界観を最大限に生かしつつも、ときにはオリジナルストーリーも交えつつ、実写だからこそ表現できる、唯一無二のドラマとしてお届けしてきました。

脚本を務めていただいた泉澤陽子さんにお話を伺ってみると…
「原作を読んだときに、なつ美と瀧昌がとてもピュアで可愛らしかったので、キャラクターと世界観を壊さないように気を付けました。この二人をいつのまにか視聴者が応援してしまい、観ていて温かい気持ちになるドラマになったらいいなと。監督やキャストの皆さんのお力で、脚本からさらに肉付けして、息を吹き込んでいただき、パワーを増して、まさにそういうドラマになったのではないかと思います。」とお話をしてくださいました。

また、「脚本は、プロデューサー、監督、監修の方など、たくさんのお力を借りて、書くことができました。そして原作者の西香はち先生には、いつも温かいお言葉や的確なご意見をいただきました。ありがとうございます。」とスタッフや西香先生への感謝の想いも伝えられました。

最後に泉澤さんは、「舞台になっている昭和11年は、今から89年前ですが、日本人の生活はだいぶ変わったのだな、と感じました。結婚観も今とはだいぶ違います。今とは全然違うけれど、今と地続きで…。
ですが、どんな時代でも、誰かにドキドキしたり、キュンとする気持ちは変わらないのだと、改めて実感しました。
そして、当たり前の日常は、当たり前ではなく、とても大切で幸せなことなのだと……。今を生きる私たちに、大切なことを思い出させてくれたような気がします。」と言葉を寄せられました。

この物語は、“悪者”と呼ばれる登場人物が一人も出てこない作品です。
どの登場人物も個性豊かで、それぞれ魅力的で、なつ美や瀧昌はもちろんのこと、どのキャラクターも私たちスタッフにとっては、愛されるキャラクターであり、みんなの“推し”です。そんな登場人物たちを演じてくれた役者の皆さんも素晴らしく…と話し始めると愛が止まりません(笑)。

また、本作でスタッフが、最後まで議論し続けたのはエピローグ。
演出の平野眞とプロデューサーの宋ハナによれば、「ドラマで、戦争まで描くかどうかはかなり議論した」とのこと。
本作を観てくださる方の多くは、きっとハッピーエンドを望んでいる。けれど、作品の設定上、戦争の足音が忍び寄ってくる時代でもある。
クランクインしてからも、スタッフの間ではずっと議論されていたようで、撮影が折り返しに入ってもなかなか結論がでなかったようです。

ただ最終的に、穏やかな日常で締めくくったのはご存知の通り。戦争の気配を感じながらも、なつ美と瀧昌が幸せを感じている“今”を描き出すことを選びました。数年後には、つらい日々が待っています。けれど、二人にとって“今”は楽しくて、幸せ。そんなうららかな日常を、優しく穏やかにお届けしました。

携帯電話をみんなが持つ現代とは、人同士のコミュニケーション手段や「つながり方」が違うのが昭和11年…。

芳根さんは撮影の序盤に、こんな言葉をつづられていました。
「『幸せのあり方』は人それぞれだと思いますが、なつ美のような生き方も、また一つの素敵な形として、観てくださる方に伝わるといいなと思っています。そして、なつ美と瀧昌という夫婦を、まるごと愛してもらえるような存在にしたいです。」

本田さんも本作で瀧昌を演じるにあたり、「大切にしたいこと」として、実はこんなお話を語ってくださいました。
「昭和の海軍という国を守っていた人なので、しっかり芯のある人だということを意識しながらも、なつ美さんといるときは、なつ美さんを想う気持ちを一番に出せるよう大切にしたいです。」





ドラマを通して、その想いを実現されたお二人。
多種多様な生き方ができるようになった現代を生きる皆さんに、なつ美と瀧昌の姿はどう伝わったでしょうか?

そんな出演者陣や撮影スタッフなどの想いを乗せて、最後に本作を色付けしてくれたのは、音楽担当の植田能平さん。

植田さんは、「泉澤さんのドラマ脚本には、西香先生の原作への深い愛情を感じました。また、宋プロデューサーや平野監督からもヒントをいただき、作品に深く寄り添えるような音楽を目指して、劇伴制作に取りかかりました。そうした思いのなかで、脚本や原作を読み込むうちに、自然と『めおと』が象徴する夫婦の絆や日常、すれ違い、時にはこぼれる笑いや『日和』が表す、素敵な一日、その瞬間を表すそれぞれの柔らかな言葉がとても素敵だなと思いました。そういったシーンに合うように、サウンドトラックを作り、印象的な言葉を各曲タイトルにも散りばめてみました。」と明かしてくれました。

最後に「ただ、あなたの隣に」というドラマポスターのキャッチコピーにもなっている言葉と同名の曲についてもコメントを。
「戦争を前にした本作の時代背景において、この言葉が持つ重みは計り知れません。二人の心情を込めて書いた曲にも、この言葉をタイトルに取り入れさせていただきました。」と作品への愛情を深く語ってくださいました。

本作の実写化が決定し、初めて皆さまにこの作品の情報をお届けしたとき、
「コスパ・タイパが重視されがちな現代社会。だからこそ、今お届けしたい」ということをメッセージとして、お伝えさせていただきました。

今の時代だからこそ、昭和初期を舞台に描いた新婚夫婦の“大切なひととき”を、ドラマを通じてお届けしたかったのはもちろんではありますが…
現代に存在する“SNS”というツールをもって、どこにいても皆さまとSNSでつながることができるからこそ、それぞれ抱かれる感想は違えど、一緒に楽しむことができる、この時間は私たちスタッフにとっても、すごく“幸せな時間”になるだろうと…。

皆さまの嬉しい反応やコメント、応援のお言葉をいただき、キャスト・スタッフ一同、最後までチーム一丸となって完走することができました!

一緒に楽しんで本作を観てくださった皆さま、盛り上げてくださった皆さま、本当にありがとうございました!言葉にしても伝えきれない感謝の気持ちでいっぱいです!!

最後に… キャスト・スタッフもすでに「めおと日和」ロスが始まっておりますが…
きっと、また皆さまと再びお会いできることを信じて。
明日からも“日常の小さな幸せ”を大切にしながら、
また、皆さまと「めおと日和」でお会いできることを楽しみにしております

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