｢世界最高峰のﾓｰﾀｰｽﾎﾟｰﾂF-1がﾄﾙｺに初上陸!｣
文･森脇基恭(ﾌｼﾞﾃﾚﾋﾞF1GP解説者)
それは､ｺｰｽ上でまるでﾀﾞﾝｽを踊るように､車は左右に揺れながら走り､やがて最終ｺｰﾅｰから現れた｡そこからは､淑女が静々と順番を待ちながら歩くように､決められた自分のｸﾞﾘｯﾄﾞに車を止めた｡
全20台の車が停車して一瞬後､赤ﾗﾝﾌﾟが1つ点灯､ﾚｰｽ開始5秒前である｡1秒毎に1個ずつ増えていく｡
ﾄﾞﾗｲﾊﾞｰ達は一斉にｱｸｾﾙを踏み､ｴﾝｼﾞﾝの発する轟音がｻｰｷｯﾄ全体に響き渡った｡4つ目が点灯､5つ目が点灯､間を置かず5個全ての赤ﾗﾝﾌﾟは消えた｡20台のF-1はまるでｶﾀﾊﾟﾙﾄから発射したｼﾞｪｯﾄ戦闘機のような強烈な勢いで､下り坂の急な左ｺｰﾅｰへ突入した｡2005年第14戦ﾄﾙｺGPのｽﾀｰﾄである｡
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