F1 スーパースター列伝Vol.2
文・山口正己
モナコGPの前、第6戦スペインGPまで、アロンソは優勝2回、2位3回と絶好調。それに対してシューマッハは、2回の優勝はあったものの、シーズン前のテストで、今年のマシンが去年の絶不調をリカバリーできることを確認していたにもかかわらず、アロンソに大きく水をあけられていた。そして、迎えたモナコは、狭く曲がりくねった市街地を使う。予選で上位を奪えば、レース戦略で大きな間違いを犯さない限り、決勝レースを優位に展開することができる。
シューマッハは、渾身のアタックでモナコのコースを攻め、1分13秒898のベストタイムを記録した。しかし、シューマッハは安心できなかった。後からアタックするアロンソにそのタイムを破られてしまうのではないか…。
しかし、アロンソは最後のアタックを終えることができなかった。ベストタイムを記録したミハエル・シューマッハが、最終コーナーのラスカスを曲がりきれずに、ガードレール手前にフェラーリを停めてしまったからだ。そこは、レコードラインの上だった。アロンソのタイムは、1分13秒962。シューマッハに0.064秒届かなかった。
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