「フジテレビが初生中継するF1日本グランプリ!」
文・森脇基恭(F1解説者)
琢磨は言い訳をしない。そして、少なくとも3重苦を抱えてのレーススタートであった。
1)予選前のエンジン交換のため、最後尾からのスタートとなったので多くの車を抜かざるをえなくなった。
2)作戦上、多くのガソリンを搭載してスタートした。理論上、このカルロス・パーチェサーキットは2回のピットインで給油をして走るのが速いとされている。しかし、他人と同じ作戦では前にいける機会が少なくなるため、1回給油という作戦にした。2回給油ならば、約60キロ(約80リッター)のガソリンを積んでスタート、1回給油ならば約90キロ(約120リッター)のガソリンを積んでスタート。30キロ余分に積んだ時のラップタイムへの悪影響は、1周当り約0.99秒にもなる。
3)レース中盤からはリヤサスペンションから振動が発生。腕はしびれ、目は見えなくなるほどであった。琢磨のブラジルGPは忍耐のレースで10位を獲得、鈴鹿での予選に希望のもてる順位となった。
[前へ|次へ]
△もどる
□スポーツTOP
0.フジテレビTOP
(C)フジテレビジョン