「フジテレビが初生中継するF1日本グランプリ!」
文・森脇基恭(F1解説者)
ライコネンはシーズン序盤、車の信頼性不足からトラブルが続いた、この時点で今年の世界チャンピオン戦は決定したかに見えた。中盤以降、信頼性が得られると、脅威的な速さを示し勝ち続けた。しかし、その速さは、常にもろさや危うさを感じさせながらの走行であった。"速いけれども勝てない、速いけれども壊れる"という昔からのレース車の一面を見せながら果敢にアロンソを攻めまくった。今年はチャンピオンになれなかったライコネンだが、走りの純真さ、勝つためには果敢に攻める勇気、久々にF1ドライバーの凄さを見せつけてくれた。それは見る者に涙を誘うほどの感動的な走りである。彼はきっとアロンソと共に次世代のF1ドライバーの顔となるであろう。
ブラジルGPでは日本の青年・佐藤琢磨も奮戦した。ブラジルでもまた不運に見舞われてしまった。自動車レース(F1)は、ご存知のように道具を使うスポーツである。その道具も並みの「物」ではない。何百億円もの巨費と何百人ものエンジニア達の技術と英知を投入して作られた「物」である。そして、ラップタイムやレース成績に、この「物」の与える影響は膨大である。そのため、このスポーツを志す全ての者は、より良い道具を入手しようと全精力をつぎ込むのである。従って、タイムが出なかった時、レースの成績が悪かった時、この道具が原因にされることが多い。(言い訳のスポーツ)
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