「フジテレビが初生中継するF1日本グランプリ!」
文・森脇基恭(F1解説者)

ブラジルGPでの琢磨のレースは、今年の琢磨の不遇を象徴していると思う。開幕戦では、思いのほか車が走らず、自分達の開発した車の能力不足を知らされてのシーズン開始となった。マレーシアでは体調不良での欠場。サンマリノでやっとトップの背中が見えた時に、車両規定違反でポイント削除、続く2レース出場停止処分となった。
自動車レースはどのカテゴリーでも進歩が速く、1シーズン休んだら、取り戻すのに3シーズン必要と言われている。ましてF1である。2レース分を取り戻すだけで、琢磨もB・A・Rホンダも大変な努力を強いられたであろう。
カナダGPから復活の兆しが見えたと思ったら、アメリカGPはミシュランタイヤの問題でレースを棄権。フランスGPでは今期最高となる予選4位を獲得、期待されたレースはミスと不運が重なり、やっと完走。イタリアGPでも期待されたが、信じられないミスでやっと完走。
今年の琢磨は、車が少し速くなり、予選や決勝で先が見えてくると、車のトラブルやチームのミスで足を引っ張られることの繰り返しであった。私は長い間、レース活動をし、また多くのレースを見てきたが、今年の琢磨ほど不運の連続は珍しいと思う。

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