R:お父さんは関脇になるまでに初土俵から9年以上もの歳月を費やしました。ところが栃東関は、初土俵から26連勝などの記録を残して大関になりました。自分の番付を越えた息子を、お父さんはかなり誇らしく思われているのではないでしょうか。
T:いやぁ、そんなこともないと思いますよ。記録にしたって、作ろうと思ってできるものじゃないし、 がむしゃらにやってきたことが、たまたま記録につながっただけですからね。でも相撲界に入ったとき の目標は、「まずは父親を越えたい」だったんです。その目標は達成できたけど、実は越えられない部 分もたくさんあるんですよね。
R:というと?
T:やっぱり親方がやっていた時代の顔ぶれを見ると、凄いわけですよ。なにしろ初土俵が昭和35年(1960)ですからね。大鵬とか柏戸とか、北の富士とか琴桜とか……。ふたつの時代をくぐり抜けてきた関取だったわけです。そういう時代に10年以上も幕内を務めあげたという部分では、まだまだ僕も越えていないと思うんです。
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