R:昨年は11月の九州場所で左肩甲骨を骨折し、右膝を壊した秋場所に続く途中休場となりました。お父さん(玉ノ井友宣/元関脇・栃東)に「もう引退したい」と直訴したそうですね。
T:そうなんです。3年前の夏場所で負傷したときも「もう無理なんじゃないか」と親方に言ったことが
あるんですが、その後はケガをするたびに「引退」という文字が頭をよぎるんです。さすがに今回は二
場所連続の途中休場だったんで、気持的にもう……。
R:弱気になった?
T:う〜ん、そうなんでしょうねぇ。これだけケガが増えてくると、春先以降も相撲を取ってる自分の姿
が想像できなくなってたんですね。相撲っていうのは形も大事ですけど、結局は気持なんですよ。流れ
とか相撲の取り口っていうのは、誰しもそれほどの変わりはありませんから。むしろ場所前までに、相
手よりも強い気持をどういうふうに持っていき、それが維持できるか。 「心・技・体」ってよく言われ
ますが、「技」と「体」なんていうのは、ふだんの稽古でうんざりするほどやってきてるわけです。一
番大事なのは、やっぱり「心」なんですよね。
R:栃東関が「引退」を口にしたとき、お父さんは「もう2年やれ」と言ったそうですね。
T:親方はあと5年で定年なんですよ。ここで僕が引退したら、「残り5年間を棒に振るのか」っていう
気持があったんじゃないですかね。それに僕は28歳なので、「2年後の30歳までは頑張ってみろ」と思ったんでしょう。
[前へ|次へ]
[戻る|0.TOP]
(C)フジテレビジョン