Y:それにしてもエンジントラブルが多かった。なぜ、バトンには発生せず、琢磨選手にばかり起きてしまうんだろう。
S:わからないです。シーズン当初から中盤にかけて多発したんですけど、その時はまだ原因がつかめていなくて。もちろん、トラクションコントロールのかかり方だとか、シフトダウンのアプローチだとかいうのは多少、ドライバーの癖はある。僕のマシン操作が悪いという証拠はどこにもないんだけど、少なくともバトンのマシンにはトラブルが少ないわけだから、そのフルコピーをしようということで同じようにやったんですよ。だけど、またトラブルが出続けてしまって…。結果的には、エンジンが物凄いパワーを求め続けているにもかかわらず、軽量化も果たしているので、凄いエッジなところで戦っていたから、その歪が出たんだと思いますね。最初のころはガラスのようなエンジンだったと思う。バトンのエンジンだってパーフェクトじゃなかったし。いつもギリギリのところだった。そういう状況の中で、こっちを直せばそっちに負荷がかかるという連続だった。でも、そのエンジンもだいぶ改良されたし、特に後半以降は信頼性もどんどん上がって、そして終盤の3戦では、さらにパワーも加わるはずですよ。
Y:そのニューエンジンも、上海GPのフリー走行でブローしてしまいました。
S:今回は僕にとってはちょっと厳しいですね。初開催の上海GPは、初めてのコースじゃないですか。初めてのサーキットは嫌いじゃないけど、たとえ、どんなによく知っているサーキットでも、あるいは何度もテストに使用したコースでも、やはりセッションがひとつ抜けてしまうと、それだけ遅れをとる世界だし…。F1はそれだけギリギリの世界なんですよ。決勝は最後尾スタート。エンジンを載せ替えなければならないので、グリッドダウンですね。エンジントラブルはこれで7回目かな。今日は、かなりこたえていますよ…。
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