Y:柳本監督に対する見方も変わったんですか?
O:180度変わりました。自分が知ろうしなかったことが最大の原因なんですけど、柳本監督って、あまり自分を出そうとしなかったじゃないですか。昨年の第一次合宿に集合したばかりの頃、協会のお偉いさんたちがいっぱい来ていて、その中で自分の考えを言おうとしなかったんですよ。その時に「何?こいつ」と思って(笑)。監督の考えがわからなかった時点で納得がいかなかったんです。練習もただ単に「こうやれ」と言われても、監督が求めているものがわからないと身に入らない。私は中学時代から、監督というと熱血漢タイプに指導を受けることが多かった。監督自ら腕まくりして、顔を赤鬼のようにして「さあ、行くぞ!」みたいな、ね(笑)。監督の指導にひたすらついていく、というのがバレーの練習だと思っていた。そういう構図が私の頭の中でできあがっていたんです。いわゆる「指示待ち族」というヤツでしょうか。柳本さんは、そんな私の監督像から外れた人だったから戸惑った部分が大きかったですね。夜、夕飯代わりだと称して、お酒を飲みに出かけるのも許せなかった。選手は汗水流しているのに、酒なんか飲んでいる場合じゃあねえよ、って(笑)。でも、後でつくづく考えてみれば、監督は選手の個性を伸ばし、主体性を求めるためにその環境作りをしていたんですよ。最終的に個人がしっかりしていなければいいプレイもできないということに、目覚めさせたかったんだと思いますね。 今まで私も他人の目を気にしすぎていて、その人が期待する選手になろうと自分を縛っていた部分があったんですけど、今は自分の人生は自分で切り開くという考えになったので、なんか気持ちいいんですよね。その一方で、その責任も自分で負わなければならない厳しさもありますけど、思いっきり自分を出せるようになったので凄く心地いい。
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