Y:しかし、ワールドカップのアメリカ戦ではスタメンで出場し、2セット目から竹下選手に交替した時に「竹下が明らかに変わったのが、私を(スタメンで)使ったメリット」と言い切った。その言葉に人間性の大きさを感じました。
T:竹下は、スタメンが当たり前のようになっていたので、柳本監督は竹下に喝を入れたかったんだと思いますよ。セッターを私に変えることで、悔しさを味わせたかったんだと思いますね。2セット目から、竹下のトス回しが明らかに良くなったじゃないですか。柳本さんがその辺の心理を上手く突いてくるのは、私は分かっていましたから。私はやっぱり年齢的なものもあるし、みんなとは背負っているものが違うから、柳本さんも少しは私の環境を考慮して欲しいというか、ちょっとは目をつぶってくれるところがあってもいいんじゃないかと思いますけど…。
Y:目をつぶらないですね(笑)
T:まったく(笑)。ただ、監督として選手は皆平等、という気持ちを貫き通すというのも分からなくはないんですよ。自分の夫も監督ですからね。でも、私の気持ちも分かってくれていると思います。柳本さんだって子供が2人いるし、子供を思う親の気持ちというのは、男親も女親も変わりはしないじゃないですか。私が、息子と離れてどんな思いで全日本にいるのか分かってくれているはずなのに、息子と会える時間なんて全然作ってくれません。ただ「オリンピックに出ると出ないでは、その後の人生が大きく違う。ましてメダルを取るのと取らないのではまったく違う。だから頑張れ」とは言われるんですけど、自分ではオリンピックを体験していないので分からない。
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