Y:辻さんはワールドカップ前まで、自分のスキルを磨くというより、チームをまとめることにエネルギーを費やしてきた。でも今は若い選手の意識も高くなったので、そのエネルギーを自分の技の研鑚に向けられるようになったんじゃないですか。
T:それはありますね。ただ、だからと言って柳本さんの中では「メインは竹下」という気持ちは変わらないと思うんですよ。ここまでチームができ上がると、スパイカーは変えられてもセッターは絶対に変えられない。ただし、試合は何が起こるか分からない。特にオリンピックという最も大きな舞台だと予測不可能なことが起きる場合だってあるじゃないですか。あるいは作戦的に、私がスタメンでいった方がいい場合だってあるかもしれない。だからどんなシーンにでも対応できるようにしようとは思っていますよ。まあ、私はこれまで控え選手のリーダーをやっていましたけど、本音の部分ではやはり試合に出たいとは思いますし。ただね、現実として控えセッターというのは難しい部分があるんですよ。スパイカーは、練習中でもメインで上げるセッターと合わせたいと思うじゃないですか。そうしないと、自分が出られないから。控えのセッターに懸命に合わせても、控えのままということになる。そんなアタッカーの心理を嫌というほど知っているから、私の方からスパイカーに「合わせる練習をしようよ」と言えない自分がいるんです。スパイカーと合わせる練習ができないと、自分のスキルアップにもならない。難しい現実です…。
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