T:でも、現実は手のかかる息子がいるし、家のこともしなければならないし、茂原アルカスのことも考えなければならない立場だし、家族と一緒に過ごして、なお且つバレーもやれればいいな、と思っていたから、気持ちの切り替えが凄く難しかった。
Y:でも、アテネに向け、全日本に集合した。しようと思えば、辞退だってできたじゃないですか(笑)。
T:はい(笑)。やっぱりたった2ケ月間でしたけど、ワールドカップまでの濃い経験を無駄にしたくなかった、というのが一番大きな理由ですかね。確かに今は身体も辛いし、モチベーションも闘争心ムキムキのほかのメンバーに比べたらそれほど高くないし、家族とずっと会えないから環境的にも厳しいものがあるんですけど、ここで辞退してしまったら、ワールドカップまでのものが全部無駄になってしまうと思ったんです。だから犠牲になってくれている家族のためにも、必要としてくれているチームのためにも、あるいは応援してくれる人たちのためにも、やれるところまでやってみようと覚悟を決めました。もし、自分の気持ちや身体が、ついていけなかった場合は、そこでケリをつければいいや、って。私はあまり器用な方じゃない。だから世界最終予選が終わった時点でリフレッシュ期間を設け「あと何ケ月、オリンピックの最後まで頑張ろう」と切り替えたかったんですけど、休みは実質5日間ぐらいしかなかったので、気持ちが切り替えられないまま、全日本に来ちゃったんですよ。やっと最近になって「頑張らなくては」というモチベーションが湧いてきましたけどね。メンバーのみんなは常日頃、高いレベルでやっているから、ちょっと頑張ればすぐにさらに高いレベルにいけるんですけど、私は低いレベルでそこそこやっていたから、みんなより何倍も頑張らないと追いつかないではないですか。身体的にも気持ち的にも。でも、私だけじゃなくみんなもそれぞれ色んな思いを秘めて五輪を戦おうとしているので、とにかくオリンピックまでは必死の思いで頑張らなくてはいけないと思っています。
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