Y:火事場の馬鹿力のような、いわゆるZONEの世界を、五十嵐さんは知っていますか。
I:知識としてはありますけど、実体験はないですね。僕はそういう能力を使って160kmの世界に到達したいのではなく、筋力をつけてパワーで出したい。そもそも、ZONEの世界を手にするのは凄く難しいことだし、だいたいどうやって出すのかも知らないし。例えば157kmを出そうとする。そうすると絶対に筋力が少ない方が身体に負担がかかるじゃないですか。もちろん、身体の保護本能のブレーキを外して潜在的なパワーを出すという方法もあるのかもしれませんけど、僕はその安全領域内で筋力を増やし、その筋力を使ってスピードを上げようという考え方です。実際、僕は投げるスピードが少しずつ速くなってきていますけど、それはウエイトトレーニングや筋力をつけるトレーニングの量に比例していると思いますね。だから多分、140kmがマックスの投手が140kmをボンボン投げるのと、僕が150kmを投げ続けるのと、疲労度は同じなんじゃないかな。どんなスポーツもそうだけど、基本は身体の筋肉の質と量じゃないですか。もちろん、ただ無闇やたらにつければ良いという問題じゃないし、それを使える技術がなかったら意味ないですけど。
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