Y:五十嵐選手といえばスピードボール。最高は歴代2位の157kmを記録しました。どういう感覚で投げているんですか。
I:マウンドで速い球を投げようと思って投げているわけではないんです。押さえる手段として、結果的にストレートが多くなってしまう。多分、速い球を投げている時って、いい緊張感のある状態の時だと思うんですよ。だから練習で「思いっきり投げてみろ」と言われても、156kmとか157kmは絶対に投げられないと思う。やはり大勢のお客さんが見つめる中で、絶対に押さえなければならない緊迫した試合の時にしか出せないですね。「何がなんでもやらなくては」という追い詰められた気持ちが、スピードに出るのだと思います。何km出ているのか、自分ではわかりません。スピードボールを投げている時って、身体が若干、麻痺している状態なので、スピードの速度は体感できないんですよ。160kmですか? 不可能とは言わないですけど、そんなに簡単に出せるものじゃないと思っています。火事場の馬鹿力的な能力を使えば、すぐにでも出せるんでしょうけど、反動が恐いですからね。身体が壊れてしまいかねない。156kmとか157kmを投げた時は、確かに僕も多少、興奮した状態にあるんですけど、でも身体はどこかセーブしていると思いますね。ダメージを負わないように。
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