Y:確か、愛媛県の宇和島で美容院を経営なさっているんですよね。
I:そうです。その母が、美容院を休んで上京してくれて身の回りの世話を一切やってくれました。御飯を作ってくれたり、腕を動かせないのでお風呂に入るのを手伝ってくれたり。兄貴(元近鉄選手)や親父とは、電話でしょっちゅう喋っていましたね。兄貴や親父は僕の世界のことをわかっているから、愚痴の相手になってくれた。やっぱり家族以外にはこぼせない愚痴もあるじゃないですか。怪我することによって、家族の有難味も改めて認識させられました。家族が僕のｽﾄﾚｽを洗ってくれたんです。父は消防士。僕が一軍に上がったばかりのころ、父が試合を見に来た広島戦で、僕はたまたま怪我をしてしまった。父はｹﾞﾝを担いでいるのか、それ以来、僕の試合を一度も見に来たことがないんです。父にそういう思いをさせてしまって本当に申し訳ないと思っています。だから、今年の目標のひとつに、家族への恩返しのつもりで僕のいい試合を神宮で見せてやりたいんですよ。特に父に見て欲しい。母は時々上京しますけど、父はあんまり東京に来ないし、僕の部屋にも来たことがないから、ﾁｰﾑとか僕の何か特別な試合には、絶対に招待したい。そのためにも、いい成績を残さなければならないと思っているんですけど。
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